エルミタージュ幻想の投票された口コミです。

エルミタージュ幻想

[エルミタージュゲンソウ]
Russian Ark
2002年
平均点:6.78 / 10(Review 9人) (点数分布表示)
ドラマファンタジー
新規登録(2003-11-07)【tomomi】さん
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監督アレクサンドル・ソクーロフ
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【口コミ・感想】

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3.1時間30分ワンカットで撮影したことへの驚きは今でも消えません。
その理由だけでも観る価値はあります。映画好きの私としては一生物の
驚きでした。フランス語とロシア語で語られるストーリーとロマノフ王朝という歴史が背景にあるため、直接映画の中に入り込むことは一度の鑑賞だけでは難しかったです。でも、途切れる事のない映像のお陰でエルミタージュ美術館を十分に堪能し、完璧に再現された王朝時代の華やかなドレスは溜め息ものです。900人近い俳優とエキストラがプロフェッショナルに演じ皆が主役でした。中には目線が気になる人もいましたが・・・。どんなに高度な技術で再現されたスタジオセットやCGも、本物には敵いません。華やかな表舞台の裏方を薄暗い色で表現したり、舞踏会の余韻と共に映画の終演を告げる演出も好きです。ワンカットの映像技術を楽しむ、歴史を知る、ロマノフ王朝の豪華さを楽しむ、エルミタージュ美術館を堪能する。沢山引き出しのある映画を観れて良かったです。
tomomiさん 10点(2003-11-12 00:56:14)(良:2票)
2.《ネタバレ》 題名の美術館が宮殿だった時代を中心として、この場所にまつわる過去の記憶を映像化してみせた映画ということらしい。
最初が18世紀初頭なので帝政時代だけなら200年程度だが、街がゲルマニヤの大軍に包囲された時のことや現代らしき場面も見えており、そこまで入れれば300年近くということになる。撮影者が歩きながら部屋を回る形なので、歴史的な前後関係よりも場所の性質が優先のところもあったかも知れない。ちなみに終盤の楽団の指揮者はオセット人であるから、帝国の版図に属する諸民族の一員も活躍していたということだ。

歴史の流れに関して、細かいことはわからないが大まかに書くと、まずこの国がまだヨーロッパなどと思われていなかった頃、最初に人の耳を引っ張っていたオヤジが街を建設して強力に西欧化を進め(反発され嘲笑もされ)、次に出た西欧生まれのオバサンが宮殿に美術展示室を作り、これが後に一般公開もされて「艦隊の者」や多感な少年も見に来ていた。そのように時代が下るにつれて西欧(南欧含む)文明化が進んでいき、最後の場面に至って「ヨーロッパで一番豪華」な舞踏会だと認められたということらしい。
その後の革命で19世紀の宮廷文化も失われ、本当にこれが人生最後の舞踏会になった人々も多かったと思えば、物悲しさを感じさせる終幕ではあった。ただしこの映画自体に関していえば、20世紀にいったん途切れたヨーロッパとの結びつきを、21世紀の始まりに当たって改めて回復したいとの思いが表現されているとも取れる(いわば仲直りの申し出のような)。製作にはゲルマニヤやその他諸国(NHK、YLEなど)も協力しており、こういう融和的な雰囲気の時代もあったのだと若干遠い目にさせられた。

個別の場面では、ラストで舞踏会の人々が一斉に退出していくところは圧巻だった。これは18世紀からこの宮殿を訪れて去った人々の姿を全部重ねた映像のようでもある。また老婦人が雪の中を去る場面には見覚えがあったので、前に一度NHKでも見たことがあったらしい。以前から、この人物の名前を聞くとこの姿を思い出してしまっていたのはこの映画のせいだったことになる。お茶の時間に集まっていた家族もイメージ通りで、宮殿であるからには公務の場だけでなく、人々の住まいでもあったことが表現されていた。
なお絵の説明の中で鶏とネコが出て来たので「エルミタージュの猫」を思い出したが関係なかった。18世紀からいたはずだが。
かっぱ堰さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2022-05-28 09:24:32)(良:1票)
1.《ネタバレ》 『幻想』と銘打たれてはいるものの、同時に90分ワンカット!の映像をそのまま観客の視聴に供しているという意欲作・実験作でもあり、そのファンタジックみもお手軽に視覚効果で出しちまえ!てコトじゃなくって結構凝ったストーリー語り・場面展開・カメラワーク・その他諸々の手の込んだ工夫でソレを醸し出している…という(思ったより)硬派な映画なのですよね。

だから、ストーリーは在って無い様な…と言いつつ、ゆーて結構(実は)しっかりストーリーは在るのですよ(会話もそこそこ長いし多いし、意味も無いよーで実はまあまあチャンと整えられても居るのですよ)。ただしまず、その「意味」とゆーのはそれなりにロシアの歴史なんかの前提知識が無いと伝わらない程度のモノではあるし、そもそもこの建付けでストーリーも具体的です、となるとどーしたってファンタジックの方は目減りする様にも思われるのですね(=ただ浸ってれば気持ち好い…というサイケデリックなヤツってコトではないのですね)。私も多少「思ってたんと違う」感じではありましたし、同時にもうチョイ勉強してから観た方が(多分)好かったなと思いました。

でもやはり、その館内ツアーが(90分ワンカットとか工夫して撮ればたぶん)そのまま映画になってしまう…てエルミタージュの芸術性っての自体はモ~凄まじいな…とも思いますね(日本で同じコトやろうと思っても、おそらく美術館系では無理⇒神社仏閣とかならナンとかなるかも…)。あと前述どおりそのファンタジックさの少なくない部分をつくり込んでいるカメラワークてのも、確かにコレは相当に高度でした。結構ゆらゆらと漂う様に動き続ける…てのがまずポイントだと思うのですが、でありながら手ブレは全く無く、そして即興的な風を残しつつも同時にまた確信的で力強く、かつ繊細でありながらも「間違える」コトなど微塵も無いというコレは(また確実に)並大抵の仕事ではねーでしょーな。そこら辺、ハマる人には超・ハマる系統の映画だとも思います(人生ベストにもなり得るレベル)。
Yuki2Invyさん [インターネット(字幕)] 6点(2022-05-03 08:34:33)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 9人
平均点数 6.78点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
4222.22%
500.00%
6333.33%
7111.11%
800.00%
9222.22%
10111.11%

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