4.ジェームズ・スチュワートのパントマイム的な演技が凄い。目に見えないハーヴェイと共演するなんて!!(笑)日本だったら確実に精神病棟送りにされると思うんだけどそこはアリメカ、心が広いですねぇ。誰にでも優しくして誰にでも家に来て飯食おうと言ったり純粋さを顔に出すのは難しいと思う役柄を演じた彼はほんと立派。見てるだけで幸せになれるし、ラストに見せる哀愁さと微笑みの顔がたまらんです。 |
3.郵便配達人に名刺を渡そうとし受け取った速達を破り棄ててしまう冒頭から、ジェームズ・スチュワート演じるエルウッドの風変わりな人物像が描かれ、見ている者は後に登場するハーヴェイの<見える><見えない>の危うい皮膜をよたよた歩くことを予感させられます。エルウッドが会う人間会う人間に名刺を渡す行為は、名刺=名前とすると「名前」に対するこだわりが見えてくるのですが、自らの名前を誰彼に覚えてもらうこと、相手の名前を呼ぶことで自分と周りの人間との垣根を取っ払うシルシとなっているのではないかな~と。そして自らが常に親しみを込めて名前を呼ぶ象徴が「ハーヴェイ」であり、あの巨大なウサギが飛び越えていたのは、時間と空間と物質だけではなく、人と人との垣根、常識と非常識との垣根、現実と幻想との垣根でもあったりして、そう感じると、ハーヴェイがピョンピョンとしたウサギであることの必然性が見えてきて、人間が生み出すボーダーというのは、実に脆く不確かなものであることが語られているようで、私は以来ハーヴェイを偶像崇拝させていただいているのであります。 【彦馬】さん 8点(2005-02-03 12:16:20) |
2.これ好き好き好き!すげー好きな映画!J・スチュアート以外この役は考えられないって程のはまり役。元は舞台劇だったらしいが、こういうストーリーを思いついた原作者も素晴らしいと思う。ハーヴェイが見える人と見えない人の区分がよくわからなかったリするけど、(あまりいい人とは思えない精神病院の院長には見えたり、「時たま」見えるとお姉さんは言ったりしてる)どことなく「素晴らしき哉、人生!」に通じるアメリカ人の良い意味での善意みたいなものが伝わってきます。この時期のアメリカって国は本当に自信に満ち溢れてたんですね。ラストシーン、院長にしばらくハーヴェイを預ける事になったスチュアートの寂しげな顔、そして彼が戻ってきた時に浮かべる表情といったらもう・・・、いいよな~。 |
1.190cmの長身を誇るJ・スチュワートが見上げる高さの巨大ウサギ、ハーヴェイ。エルウッド(スチュワート)の大親友で常に一緒に行動しているハーヴェイにはある問題があった。そこに存在していても他人には見えないし、触ることもできないのだ。それにも関わらずエルウッドは、ハーヴェイを誰かれ構わず出会う人に紹介しては、人々に気味悪がられる。ハーヴェイはいたずらな妖精で、時間と空間を支配することができるらしい。ジェントルなエルウッドは、着座するときもまずはハーヴェイにイスをすすめ、ドアを開けては先に通してあげる。そりゃあ、ハーヴェイが見えない周りの人は気持ち悪いかもしれないが、実際そこにいるんだからしょうがないのだ。エルウッドのマイペースさ、無垢で親切な心に、ふんわり心温まる一方で、大騒ぎをする周りの人々の言動が軽いコメディタッチで描かれている。(ちょいと毒のあるところもあるけれどね)もし、私がエルウッドの姉だったとして、弟がハーヴェイと大の仲良しになったらどうするだろう?私に良識があるなら、「人には見えないから言動を注意するように」忠告するかもしれないが、それではハーヴェイに対して失礼だ。なるべくハーヴェイを歓迎できるような心の余裕を持っていたいなぁ~と、なんとなく考えてしまった。まずはマティーニを2つ用意するところからはじめたいと思う。 【元みかん】さん 8点(2003-11-10 05:52:57) (良:2票) |