7.私は志麻が怖い。志麻を初めて意識したのは、NHK大河ドラマ「草燃える」の北条政子役だった。かなり無理矢理感があった娘時代から、息子頼家や実朝を叱咤する尼将軍時代まで一貫して怖かった。今に至るまで一度抱いてしまったイメージは不変。さて、志麻は一体いつの頃からこんな低音ドスの効いた、鬼畜生キャラを好んで演じるようになったのか?デビュー当時の『秋刀魚の味』での、小津好みの清純可憐な役からこの『鬼畜』まで、私の志麻鑑賞歴インターバルが空きすぎてて把握が難しい。『紀ノ川』あたりまでは袴姿がよく似合うおきゃんな女学生役だったのに。まさかある日突然豹変した訳でもあるまい。当レビュー登録の志麻のフィルモグラフィー中だと、タイトル的に「影の車」あたりで何事か、志麻の身の上に演技派への意欲を掻き立てる何かがあったと見るが如何。敢えて子供の日のプライムタイムに思いきってこの映画を放映する勇気あるテレビ局は・・・ないだろうな、やっぱ。親に自覚持たせる絶好の機会だと思うが。 【放浪紳士チャーリー】さん [地上波(吹替)] 7点(2007-05-05 14:50:01) (良:2票) |
6.たいした原作ではないが、それを3流映画監督と、どうしようもない子役のせいで、5流映画にしている。ミッドナイト・エクスプレスやディア・ハンターが放映された年にこんな映画作っているのだから、日本映画のどうしようもなさが悲しいし、砂の器もう一度みたいな作りがかえっていやらしい。それでも、昭和32年の日本の貧しさを知らない人には、この原作もこの映画も評することは控えていただいたほうがよいと思う。 【みんな嫌い】さん [DVD(邦画)] 4点(2010-01-01 23:21:56) (笑:1票) |
5.だいぶ前のことだけれど、TVのトーク番組か何かで岩下志麻さんがこの映画でのエピソードを語っていました。例の庄二の口に食べ物を突っ込むシーンですが、あの後、あのお子さんが志麻さんを遠くで見つけても泣き叫ぶようになったとか。志麻さんがどんなに変装していても見破り泣き出してしまったと。志麻さんが「今、思い出しても辛い」と言っていたのが印象的でした。並の精神レベルの女なら、火の車の印刷工場抱えて甲斐性なしの夫がいきなり3人も隠し子連れ込んだら、子どもに当たりたくもなりますよ。子どもに罪はないと言っても、そこで子どもに優しく出来る女性が世間に一体どれくらいいるのかしら。私なら、殺しはできないかも知れないが、罪がないからこそ子どもにイライラし、辛く当たるだろうなあ、と思いますね。原作未読なので、清張氏が何を指して「鬼畜」と書いたのか分かりませんが、お梅を「鬼畜」と言うのなら、それは違うと言っておきたいです。そういう状況に追い込んだ宗吉と菊代こそが「鬼畜」なのだと。「鬼畜」とは鬼と畜生のこと、「畜生」とは動物など人間以外の生き物の総称だが、宗吉みたいなバカ男の子どもを安易に3人も産んだ上に、そうすればどうなるか容易に分かるのにそれでも宗吉とお梅の所へ捨てた菊代は、畜生にも劣るまさに「鬼」でしょう。良子のその後が気になり、切ないです。 【すねこすり】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-05-18 16:54:42) (良:1票) |
4.鬼畜にさせられたのが緒方拳。だけども、ほんとに怖かったのは岩下志麻なんだよね。捨てられるも育てられるも鬼母岩下志麻の胸三寸・・ ほんとの鬼畜は岩下志麻だったのだと物心がついた頃に知りました。 【3737】さん 7点(2003-12-28 00:15:19) (良:1票) |
3.山の手線にのっていて(浜松町近辺で)東京タワーがビル越しに「見える・見えない」状態になるといつもこの映画を思い出して切なくなります。 今この電車に乗っている何人の人が「鬼畜」を思い出してるのかなあって考えたりして。とても悲しい映画ですが、最後のシーンで心が救われます。 |
2.ラストの親子のシーンは、自分が見た日本映画の中で最も印象に残るものである。高校生の時以来何度見ても泣けて、泣けて、泣けて・・・映画を見て涙した唯一の作品。 |
1.いかにも松本清張らしい作品です。観た当時、同時上映で「砂の器」をやっていたので、やはりあちらに比べると格落ちですが、サスペンスの小品として楽しめます。気の弱い印刷屋なのに隠し子がいたというのは笑ってしまいますが、その緒形拳が子供を捨ててしまうのがもの悲しいです。やたらみんな汗をかいて、その暑さが印象に残る映画ですね。 【オオカミ】さん 7点(2003-11-20 05:28:57) (良:1票) |