7.あの手この手を繰り出しながら、10時間を飽きさせることなく見せた、という点では評価できます。しかし、これを“リアル”と評するのは違う気がします。むしろ、ちょっとした違和感、もっといえば嫌悪感を禁じえなかったのは私だけでしょうか。この作品は、アメリカの数々の戦争の歴史の中で、Dデイ→強制収容所解放→ヒトラーの山荘制圧という、もっとも輝いていた時期とエピソードだけを切り取っています。タチの悪い「プロジェクトX米軍編」という感じです。結局、残る印象は「アメリカってすばらしい」「アメリカこそ正義だ」ということだけ。特に井の中の蛙である米国人の多くは、そう思うことでしょう。しかし、それがウソであることを、私たちは知っています。だから私は、“続編”に期待します。同じコンセプトの「広島・長崎に原爆を落とした部隊編」や「ベトナムに枯葉剤をバラ蒔いた部隊編」や「イラクのモスクを空爆した部隊編」を。もちろん被害者の様子も“リアル”に描いてネ。 【眉山】さん 5点(2004-12-24 14:37:11) (良:3票) |
6.私事な話になりますが私の祖父は第二次世界大戦中海軍に従軍していたそうだ。真珠湾攻撃・ミッドウェー海戦等幼い頃よく戦争体験談を聞いたものだった。そういう話を目をきらきらと輝かせながら聞いているうちに祖父が「英雄」とさえ思ったことがあった。しかし時は経ち今では朝から晩まで焼酎漬けの慢性アル中患者(本人はアル中では無いと言い張っているが果たしてどうやら・・・)。喋ると戦時中砲弾を受けて鼓膜が破れているせいか音感が分からずとにかく声がでかいしうるさい。はっきり言ってボケてないのがまだ何よりのウザいジジイだ。こういう祖父だが毎年昔の戦友たちから年賀状が届いたりしている。たまに連絡もとっているみたいだ。そして、毎年8月になるとNHKの特番なんかで戦時中の記録フィルムを流したりしてると祖父が涙するという光景も見たりした。多分昔を思い出しノスタルジックな気分に浸っていたのだろうか。「戦友」という言葉は戦争を知らない私やその他の人もどういう感覚かは分からないと思う。戦争という狂気の中死というものを背にし極限の状態を生き抜いた”仲間達”。戦争という行為自体は良くないにしろかけがえの無い記憶に残る戦友たちをもつ祖父をうらやましく思えたりもする。そういう祖父の体験談を聞いて育った私はこの作品を通り一辺倒の戦争映画ではなくただそこに戦争という”時代”がありそれを乗り越えてきた人達一人一人の物語だととらえさせていただきました。また今はいくらウザいと思っても祖父が生き残った(2回程撃沈されたらしく海にプカプカと浮かんでいたところを運良く拾われたそうな)おかげで今の自分がいることを感謝せねばならない。戦争という非生産性ともいえる行為の愚かさや虚しさを知っている真の語り部達が毎年少しづつ亡くなっていることを残念に思うし私の祖父もいつかは天寿をまっとうするでしょう。その時までに「ありがとう」と心から感謝の言葉を述べるつもりです。2004/8/15 祖父へ 【tetsu78】さん 10点(2004-06-18 01:01:15) (良:3票) |
5.これを映画と呼んでいいなら揺るぎない戦争映画の最高傑作。 【キリン】さん [DVD(字幕)] 10点(2012-12-23 23:22:51) (良:2票) |
4.ストーリーの面白さは皆さんが言っておられる通り。私は軍服の検証の正確さに興味を持ちました。 【ちゃっぷまん】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-12-14 13:16:56) (良:1票) |
3.あたしも戦争映画好きのひとりですが、まず、このドラマに関してはそれ程高い評価を得られる作品かと言うと疑問を感じています。この物語は101空挺師団のF中隊の一方的な思い出を再現しているだけに過ぎないって事。従って基本的には視点は全てアメリカ側にあって、それ以外の人には無かったという所がぼやけているようにしか思えないです。それを冷静に理解できる様な作りになっていればまだ評価は上がると思いますが、そういう所も見えてこなかったのが残念です。また、【眉山】さんがおっしゃっているように、「アメリカ万歳」って印象が拭えないのは事実です。プロパガンダは、はっきりと見えるし、いくらアメリカ兵以外を細密に描いてもそれはアメリカ兵の視点からなので、どうしても薄っぺらいんです。でもそれを否定する気もありません。この話のネタがアメリカ側にあるのだから当然なんですよ。それをヒューマニズムを捉える事の出来る部分のみ抽出したという印象がどうしても拭いきれないと思っています。 出来としては構成も演出もあまり文句言う所は無いですけど、真新しさも見えないです。これなら「コンバット」の方が素晴らしいと思うのはあたしだけでしょうか? 【奥州亭三景】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-02-21 17:40:21) (良:1票) |
2.これ、レビューに入っていたんですねえ。私はこれを見てから、某国営放送に言いたくなった。「毎年毎年、アイドル俳優を起用してネタ切れ寸前の時代劇を大河で撮り続けるなら、気合を入れた太平洋戦争物をつくってみい!」と。「150億円ぐらいかけて撮ってみろ!」と。重厚なクラシック演奏で始まるユダヤ人収容所のエピソード、衛生兵の淡い恋を描いたエピソード、好きな回が結構あって書ききれない。ドイツ軍兵士を単なる悪者に描いてない点もいい。とてもテレビ向けとは思えないクオリティにはただ脱帽。だけど…だけど、別の方が書いているように、現在のアメリカの国際社会での暴君ぶりを見ていると、「誰も疑うことなくアメリカが正義の味方であったよき時代」へのレクイエムのように見えてしまう面もあります。この作品でも描かれているユダヤ人たちはあれほど悲しい歴史を背負いながら、どうして丸腰のパレスティナ人を対戦車ミサイルでバラバラにしてしまうのか(直接関係ないけど)。鼻の奥がツーンとしそうになっても、それを考えるとすーっと感動がひいていく。しかし…だけど、こんな男たちの友情のドラマを見て胸を躍らせない人(特に男性)は少ないでしょう。特にウィンタースがいい。若いドイツ兵を射殺して苦しむ弱さがいい。不毛な偵察作戦の強要から部下を救うエピソードも良かった。どっちなんじゃい! と言われそうですが、作品の質が高いのは間違いないです。 【しまうま】さん 8点(2004-12-24 21:46:01) (良:1票) |
1.戦争の真実を忠実に描いている。 スピルバーグ&トム・ハンクスは既に「プライベート・ライアン」で、超激戦区と言われたノルマンディー上陸作戦を語った作品を作成している。「バンド・オブ~」は「プライベート~」で語り尽くせなかったドラマを「より現実的に語る」というテーマのもとに作成されたようだ。 テレビのシリーズとして作られた作品だが、制作費からも分かるように映画以上のスペクタクルである。実際にノルマンディー作戦に参加した兵士のコメントを冒頭に流すとによりリアリティーがかきたてられ、一連のドイツ攻略による軌跡が、ウインタースを初めとする勇敢な兵士とともに体験することが出来る。仲間を思いやる心と勇気、その一方では容赦なく敵を打ちのめす闘争心。兵士たちの、やり場のない矛盾した感情というものが赤裸々に描かれている。 【おはようジングル】さん 8点(2003-12-21 11:24:57) (良:1票) |