252.女性心理を繊細に描く作品は多々あるけれど、これはプライドの生き物である男性の心理を丁寧に描いた作品。職場の先輩に「俺たちのような負け犬に何ができる」と諭される場面はなかなか痛い。社会的な敗者になることへの強い恐怖は多くの男性が理解できるだろうと思う。そしてそれに妥協して生きていくだけの強さ(?)を持ち合わせておらず、たまりにたまったフラストレーションを上手く発散させることができない場合は、危険ですらある。暴力という最悪の手段をもって自己実現を図ることがあるからだ。
美しいが、あくまで硬質で冷たいニューヨークの街並みは『グロリア』を思わせる。なんともいえない寂しい雰囲気とともに、鮮烈に脳裏に焼きついた。 【no one】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-04-12 08:56:33) |
251.もう何回観ただろう。観る度毎に深まっていく。初めてこの映画を観た若い時よりも歳を重ねた分だけ「どうにもならない」現実に何かがえぐられていく。達観できるほどに枯れてしまえればいいのだろうけれど、中途半端にくすぶる自分の中の若さがそれを許さない。無論、この自分の中にある焦燥感とも片付かない感情は若さだけが成せるものでは無い事など重々承知はしているはずなのに。。。やがて中年から世でいう壮年、熟年…老境に足を踏み入れた時にまた観たとして一体何を感じとる事になるのだろう。その時にこそ最高の評価を与える事になるのだろうか。それとも過ぎ去った感情への惜別の意を込めて見遣る事になるのだろうか。精神の根本をこの主人公と同一視するでもなく、理解するでもなくまして共感などとはおよそ遠いところで自分の何がえぐられるのか。一体、何を果たせばこの飢餓感は終熄を迎える事ができるのだろう。。。。。 【GUSUTAV03】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-03-29 09:03:59) |
250.孤独なトラビスに めっちゃ共感してしまった僕って一体・・・。トタビスが寂しさのあまりTVを蹴落としたシーンに めっちゃ共感してしまった僕って一体・・・。 【ケンジ】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-03-14 20:01:13) |
249.なんつーか、めちゃめちゃおもしろいですよねこれ。ニュー・シネマ最後の作品と言われてますが、最後を飾るにふさわしい素晴らしい作品です。娼婦になってる少女を助けたとはいえ、何人も人殺したのに英雄扱いされちゃうんだもんな。。。 音楽も完璧。 【アンダルシア】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-01-29 13:34:37) |
248.随分と長い間、食わず嫌いで見ていなかったのですが割りと淡々と流れていく作品で した。皆さんの評価は高いのですが、自分的には至って普通の映画でした。特別に何 が起きるということではないんですね。テロでも起こすのかとおもいきや。普通の人 の普通の日常ってああいう風になることもあるかもしれないかなって思います。 【たかちゃん】さん [DVD(字幕)] 5点(2006-01-27 22:06:42) |
247.こんなに熱い作品はめったにお目にかかれませんよ!孤独で危ういデニーロの視線、それを追うカメラワーク、そしてニューヨークの街をより一層官能的にする音楽がたまりません!乾いた感じといい、危うい感じといい、何かものすごいオーラを持っている作品だと思います。この頃のスコセッシだからできる力業なのでしょうか。とにかくテンポが悪いし主人公の行動は到底理解できない次元のものであるのに、見終わった後凄まじい感慨に襲われます。それも、ニューヨークの街の荒廃と戦争の後遺症の傷跡の深さを描いている映画だからとかそういったものへの感慨ではなく、この映画の作品としての迫力に対する感慨です。とにかく凄いとしか言いようがありません。10点! 【ジャザガダ~ン】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-12-27 00:01:45) |
246.残念ながら、私にはこの映画のよさがよく理解できませんでした・・・^^; 【H.S】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2005-12-25 23:26:55) |
245.何度観ても,何年経って観ても,この映画への評価は変わらない。名作,傑作,もしくは怪作…突然脈絡なしに“故きを温ねて新しきを知る”が脳裏に浮かぶ。観るたびに新たな発見,新しい解釈が生まれてくるのは,アメリカ社会の退廃の構図があらゆる角度からデッサンされているからだろうか。現実と狂気の極めて細い境界に立つ男の目に,この世界はどう映るのかという問いかけに対して,マーティン・スコセッシは一つの解答を用意した。それがこの「タクシードライバー」である。HotでCoolな演出は,戦争神経症にあえぐトラヴィスという男の中に潜む虚無と破壊衝動,寡黙と自己顕示等,常に相反するものを否応がなしに見せつける。全ての映画ファンは一度は観るべきと,あえて言い切ってしまう。ところで激しい銃撃戦の後,死に損じたトラヴィスには,世界は相変わらず巨大なクソのようにしか見えていないのだろうか。たぶん,そうだろう。 【Roxy】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2005-12-18 08:52:02) |
244.内向的な、どこにもいけないもどかしさ、けれども、どうにかしたいというようなことをストレートに表現しないまま描くこういう映画は割と好き。でも、あまり楽しめない。 【思込百遍】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-11-30 12:41:44) |
243.トラヴィスが自分を語ることはないのに彼の心情が彼の微妙なしぐさや行動で伝わってくる。まさに孤独とはこういうものなのでしょう。皆さんが既にレビューされていますがレオンに似ている様な気がしますね。 【MINI1000】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-11-27 14:28:44) |
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242.社会への「毒」が注ぎ込まれた芸術であり、これぞ、R-25からのバイブルと言えよう。というのも、主人公のトラヴィスは26歳であり、あまり若年期の多感な時期に見る映画でもない。なぜなら、テーマへの共感と主人公への同化は、この映画においては安易になされるべきものではない。それは、少なくとも狂人賛美の映画ではないからである。人生の辛酸をある程度、味わってからの方が、この映画は、より楽しめる。見る人にとどまらず、おそらくは見る年代によっても、見方が変わる映画であり、それは、年を追うごとに、自分の社会に対する見方や考えが変わるように、この映画に対する評価も変わるのである。だから、見る人を選ぶ映画だとも言える。とは言え、たとえ主人公に共感しなくても、楽しめる要素は充実している。たとえば、男性理解の一助としてもこの映画は有効であろう。女性から見たトラヴィスは、お世辞にも感情移入できる対象ではないだろう。彼の内面にひそむニヒルな孤独と、ヒーロー願望的な自己顕示欲と、直情的な不器用さというものは、まぎれもなく男性的な性の側面である。多かれ少なかれ、男性にはこうした性質がある。トラヴィスはその性質がどぎついだけである。また、作品の持つ独特の雰囲気(映像美あるいは音響美)が、理屈抜きの面白さを演出している。魅惑的なミュージック・クリップとして、見る者の心を打つ作品としても、希少価値は高い。反社会的な映画を生み出すことに消極的な、現代のハリウッド系映画とは一線を画し、現実社会に潜むダークサイドなひとつのリアリティを、包み隠さず描き出そうと努力する挑戦的な姿勢が、見る者の心を、揺さぶらずにはおかない映画であることは疑いない。社会に対して悪徳、不条理を感じとって、目に余る思いをしている人にとって、実に、問いかけられるものがある。事なかれ主義に憤りを覚え、社会への不満をぶちまけたくなるフラストレーションを、この映画は代弁し、なだめ、すかしてくれる。小説で言えば、さしずめ、太宰治の『東京八景』を読んで、「自分は太宰ほど狂人でもない」と安堵する感覚である。トラヴィスの正義感は、手放しで誉められるものではないが、これが単に訳の分からぬ狂気にしか思えないとなれば、この映画はある意味、淡々とした退屈な映画として、受けとられてしまうのかもしれない。 【yuua】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-19 12:58:48) (良:3票) |
241.なんともいえない世界観!その後のスコッセシ作品を見るときもこれのイーメージが常に付きまとってきます。 【maemae】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-07 23:00:02) |
240.デ・ニーロのイカれた眼がいい。都会に蔓延る狂気と犯罪。退廃的雰囲気さえ漂うNYの街並みが彼を孤独にさせていく。トラヴィスが犯罪へ駆り立てられるのはもはや必然なのかもしれない。 【CPA】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-10-30 06:32:41) |
239.デ・ニーロのこぼれるような笑顔に尽きる。こんな無垢で愛らしい、まるで天使のような、それでいて底なしの寂しさと虚無を抱えた笑顔があるだろうか?果たしてこれは演技なんだろうか?演技だということを忘れさせてくれるのが良い役者だとするなら、デ・ニーロは間違いなく名優だ。そして『タクシー・ドライバー』は彼の代表作だ。それが僕のこの映画に対する評価の全てかも知れない。 【トマシーノ】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-09-23 02:35:45) |
238.主人公の英雄願望が狂気になっていく過程をデニーロが見事なまでに無気味に演じてました。彼の役者根性が怖かった。あとびっくりしたのがジョディ・フォスター。「ダウンタウン物語」でも相当びっくりさせられたけど余裕がありすぎてかわいくないところが凄い。最も印象に残ったのはこの2人の迫力演技ですが、2人の演技を引き出した監督の技量も評価すべきではないかと思います。しかし構成など映画全体を楽しむものとしてはもう少し工夫が欲しかったかも。ちょっと平凡に見えたし物足りない印象です。 【クリロ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2005-09-21 23:40:07) |
237.うーん、世の中の“悪”に対する怒りであるとか、ぼんやりとした“自分への不安”ってのは解ります。ついでに言えば、そこから“殺人”となるのも解ります。しかし、対象が大統領候であれ、ポン引き連中であれ、「なにもそこまでせんでも」から出られませんでした。“狂気”ということと思いますが、その悪に対しても、救ってあげたい者に対しても、また自分に対しても、そこまでのものを私は感じられなかった。極論として、たとえば最後の銃撃の後、銃に弾が残っていたら、また違っていたとは思いますが……。 【まつもとしんや】さん [DVD(字幕)] 4点(2005-09-15 21:55:09) |
236.社会に対し根拠の無い故に解消もできない怒りを覚えた若者が犯罪に走り民衆もそれを支持してしまうといういわゆるアメリカンニューシネマ。実際にこの映画に触発された精神病患者がレーガン暗殺未遂事件を起こすのだが…今となっては映画というより思想自体が古臭く世代が違う自分にははっきり言って理解しようがない。社会も病んでいるのかもしれないが、それが犯罪を、それも殺人を犯す理由にはならない。病んでいるのは犯人である。見所はデニーロと、当時13歳というジョディ・フォスター、二人の天才役者の演技くらいか 【Arufu】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2005-08-28 07:42:08) (良:2票) |
235.都会の中にうずもれるトラヴィスの言い知れぬ燻り、憤り。そういった感情の鬱積、せめぎ合いが大統領候補の暗殺を失敗してポン引きを殺す結末に至る。最後の血が滴る手で銃を形作りバーンと呟く表情にシビレました。 【HIGEニズム】さん [映画館(字幕)] 7点(2005-08-26 23:38:47) |
234.カイテルがビルの入り口で無意味にニヤニヤしながらハンカチで口の周りを拭いまくってるシーンがあるのだがああいう仕草って僕真似したくなっちゃうんですよねぇ。カッコイイなぁ真似したいなぁ、何処でしようかなぁ・・・・・・よし決めた、近所の駅ビルの入り口付近でやろう。ずっとやってるから見かけたら声かけてよね。 【膝小僧】さん [DVD(吹替)] 8点(2005-07-31 08:31:15) |
233.マーティン・スコセッシとロバート・デニーロのコンビによる最高傑作!スコセッシの力強い演出とロバート・デニーロの物凄い演技、2人にとってこの作品を超える作品はないと言ってもいいぐらいの大傑作!この映画の主人公、トラビスにとっては殺す相手は誰でも良かったと思います。英雄と犯罪者とが紙一重で同居するアメリカ社会に対する物凄い強烈な批判を描いているこの映画の物凄くパンチの効いた不気味なまでの人間ドラマに物凄い衝撃を受けました。あのジャズの音楽も映像と共に見事に作品にマッチしている大傑作映画として忘れることは出来ません。 【青観】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-07-31 08:21:51) (良:1票) |