5.《ネタバレ》 公開当時はベトナム後遺症ものの一つとして理解されていましたが、現在の目で見れば、本作には時代や社会に縛られない普遍性があるということがわかります。トラビスがベトナム帰りであるという点は、銃器やナイフの扱いに慣れているという便宜上の設定に過ぎず(完全な素人では、クライマックスの大殺戮が荒唐無稽になりすぎてしまう)、作品の本質には何らの関係がありません。誰にでもある心の闇、それが克明に描かれているからこそ、本作は40年近くに渡って見続けられているのだと思います。。。 トラビスを完全な基地外ではなく、多くの人にとって心当たりがある範囲内でズレた人にしたという設定は、極めて秀逸でした。人と接したいんだけど、うまく立ち振舞うことができない。シビル・シェパードをナンパする時にトラビスが着ていたジャケットの絶妙なダサさ加減が(なぜ小豆色をチョイスしたんだ、トラビス)、何とも言えない哀愁を漂わせています。さらには、初デートでもこのダサいジャケットを着てくる。トラビスにとって唯一のおしゃれ着であるという点が二度泣かせます。初デートの失敗についても、彼らの周囲にはカップルが多く座っており、完全アウトの行為ではなかったという点が哀れみを誘います。ただ初デート向きではなかっただけなのですが、トラビスにはそれが分からなかった。デート先の選定ミスは男であれば誰もが経験することですが、迷惑そうなシビル・シェパードの表情と、気まずさ漂う二人の間の空気感には、自分自身の苦い経験を思い出させられるほどのリアリティがありました。。。 いくつかの失敗を重ねたトラビスは世間との関わりを諦め、自分自身の世界に閉じこもるようになるのですが、「今のみっともない自分は、本当の自分ではない。自分は、何か大きなことを成し遂げられる人間のはずだ」という漠然とした自信や、「自分を踏みつけた人間達に、いつか目にもの見せてやる」という復讐心は、誰しもが持つものです。こうした負の感情は映像化しづらいのですが、これを見事に映画で表現できているという点が、本作を傑作たらしめている要因だと思います。。。 ラスト、ちょっとした街のヒーローになったことでトラビスの虚栄心は満たされ、職場の同僚と談笑したり、自分をフった女とも大人の会話ができるようになる。あれだけ人を殺しといてオチはこれかいという脱力感も、本作のテーマに沿っていると思いました。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-02-15 15:52:15) (良:3票) |
4.世界は自分を中心に回ってはくれないことを、大人になっても分からない人間がいる。そんなトラヴィスと同様の心理状態のまま突き進んで本当に犯罪者になってしまう人間が珍しくない時代になってしまった今、この主人公の病み具合が恐ろしくリアルに感じられる。今も昔も極端な俺様男には要注意!特にこの映画に心酔しちゃうような若者にはご用心を。 こんな繊細かつ危険な人物の危うさを一挙手一投足で、或いは表情だけでビンビンに表現してみせるデニーロの役者魂にもホレボレ。 【lady wolf】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-07-30 22:01:17) (良:1票) |
3.なんか分からんがかっこいい。トム・スコットいいね。 【kasumi】さん 7点(2004-09-10 01:00:00) (良:1票) |
2.トラヴィスがやたら自分と重なる。なんと言うか・・感情というより感性が揺さぶられた。 【ダージン】さん 7点(2004-08-18 03:45:21) (良:1票) |
1.正直に言う。アイリスの「年増顔負けのテク」が気になって仕方ない。 【ぽめ】さん 7点(2004-06-09 17:54:01) (笑:1票) |