11.アン・ソンギが久々にかっこいい。それだけでも満足。最近は話題作でもほとんど助演、仮に主演級でも渋い引き立て役になっていた感のあるアン・ソンギですが、この映画のチン・リプは『於宇同』のカルメ並みにかっこいい。例えがとても古くてすみません。カルメは手裏剣の名手でしたが、チン・リプは弓の達人。この設定がまたいいです。これだけかっこいいアン・ソンギを見るのは、『永遠なる帝国』以来。また、これは物語がいいんですよ。歴史を動かした人物の話ではなく、明に流刑されて孤立した高麗の武士達が、ただ帰国するために生死をかけて戦うという、単純なストーリー。そこにあるのは、国に帰りたいという一心と、武士の尊厳だけ。ちょっと前までは韓国の大作と聞くだけで、どうせしょぼいんでしょ、っていう先入観があったものです。『ブラザーフッド』や『MUSA-武士-』で、すっかりそういう先入観はなくなってしまいました。満足。 【アクシス】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-11-26 23:02:17) (良:3票) |
10.砂また砂の中で、のた打ち回るような戦いが続く。バックが単調なせいか、ストーリーも若干単調な感が否めない。 「こんな小娘ひとりのために。。。地獄だ」元の将軍(ユー・ロングァン)のこの言葉がすべてを物語っていますな。セリフはちょっとうろおぼえだけども。 チャン・ツィイーは権力者の娘、というところに価値があるので、別に美貌である必要はないのだけれど、たくさんの男が命をかける対象としては、やはり傾国の美姫を期待するところ。きれいはきれいなんだけど、要するに「小娘」なんだよね。まあそのほうが、戦いのむなしさが強調されてよかったかもしれない。 チュ・ジンモとチョン・ウソンは演技にとくに難はないのだが、2枚目過ぎて重みにかける。美男俳優というのも、こうなるとつらいものである。ユー・ロングァンや別将役のパク・チョンハクみたいなのが、「男」の顔でしょう。 アン・ソンギの哀愁ただよう芝居に1点追加。 【yhlee】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-08-19 23:44:57) (良:1票) |
9.キャラクター達の性格にポカーンな映画。ほとんどの人たちにイライラさせられるわがままぶりがある。なんだこいつらはと・・・。全体的にアルマゲドンアジア版といった感じ。 【とま】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2006-01-08 17:58:28) (良:1票) |
8.韓国映画のたぎるような熱いドラマは、時代劇でこそ真価を発揮するようです。とにかく燃えさせられましたとも。男達がやたらカッコよすぎです。槍の猛者ヨソルのクールさはアラゴルン、隊正チン・リプの老練なシブさはガンダルフ、そしてチェ・ジョン将軍はボロミアとして見ました。ボロミアに弱い私は、やっぱりチェ・ジョン将軍にもやられてしまったのです。家柄のおかげでえらいさんなだけの彼、最初はプライドばかりのイヤミなやつで、空回りばかりしている彼ですが、追いつめられてはじめて自分の無力さや愚かさと向かい合うわけです。そしてそこから一転、彼は仲間と力を合わせ、己が憧れていた真の武士として復活するのです。これぞ男のドラマではないですか!クライマックス、獅子奮迅の活躍を見せる彼にメインテーマが被さるシーンでは、もう立ち上がりそうなくらいに興奮しましたとも。「チェ・ジョン、あんたは本物の男だ。この男の復活記念日には、とにかく斬って斬って斬りまくれ!」ってなもんですよ。しかも、演じるチュ・ジンモが木村拓哉似の男前なのです。これまたやられましたね。その他、ホビットに相当する農民キャラたちにもちゃんと個性や見せ場が与えられてるのが立派です。しかも登場人物の個性というのが、旅の過程とともに明らかになっていくんです。やっぱりこれはキャラ造詣の巧みさだと思います。典型的なハリウッド映画のように「こいつはこんなやつ、あいつはあんなやつ」と最初に個性を明かし、その上でコマのようにキャラクターを配置する方法とは根本的に違うのです。おかげで、とくにヒネリのない、先が簡単に予測できてしまうストーリーラインの弱さも全然気になりません。しかし韓国の役者は、みんないい顔してますね。目とか表情にすごく力があって、本当に男前な人達なんです。日本の役者には見られないスゴ味があるのがうらやましい限りです。そんでまた悔しいのは、韓国にはこの「MUSA」、中国には「HERO」があるのに、一方日本はハリウッドに作ってもらった「ラスト・サムライ」ですからね。日本映画界はもうちょっとシャキっとしてくれないもんでしょうか。そういえば音楽の評判がよくないようですけど、私はあの独特な響きがすごくいいと思いますよ。って思ってると、音楽を担当したのはエヴァンゲリオンの人だったんですね。どうりであんな感じだったわけです。 【ザ・チャンバラ】さん 9点(2004-11-21 23:54:46) (良:1票) |
7.ある程度、この時代の中国の歴史を知った上で見ないと、全体の展開が分かりにくい。特に今作は「使節団」の話なので、その地点での各国の関係性を理解していないと、お互いが「何を目的に」「何をやっているの」かすら分からないかも知れない。その辺の説明不足が不親切。
ただ、そんな歴史のうねりの中で必死に生きていく人間の盛衰の物語には心打たれるものがある。長い歴史の中においては、たったひとつのエピソードでしかなくても、その時代を生きた者たちの物語を確かに感じた。
とは言うものの、やはり全体的に見るとあまり質の高い作品とは言えず、本物の歴史を一部「間借り」しているからこそ出ている重厚さであり、ストーリー的にはごく平凡。もう少し、途中の展開をテンポアップして欲しかった。 【FSS】さん 5点(2004-10-24 18:30:37) (良:1票) |
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6.日本ではこういう映画を作るのは、つくづく難しいと感じてしまった映画。中国でロケしてるようですが、背景が完全に自然で、中世を舞台にした作品作りにおいて致命的な、近代的人工物が全く無い環境で映画作りができる。この差は非常に大きいと感じました。うーん、うらやましい。役者の演技も魂がこもっていて素晴らしかった。セットや小物も非常に凝っていてよかったと思います。あえて苦言を呈すれば、朝鮮(高麗)、漢族、モンゴル軍の区別が非常に分かり難い。言葉もかなりごちゃ混ぜにしていたので、物語の背景の読み取りが非常に難しかった。そうなるとやはり戦のシーンで乱戦になるとどっちがどっちだか判らなくなってしまう事が多かった。あと脚本がもう少し良ければ、かなりの大作として評価されていただろう事を思うと、やはり惜しい。 【はむじん】さん 6点(2004-09-04 03:24:13) (良:1票) |
5.期待したほどではなかった。軍律もなにもない軍隊(まぁ終始、姫のことを意識してやきもちをやいているかのようなヘタレ将軍では仕方ないか?)。自分の都合で姫を上げたり下げたりする村人たち。この時代ってこんな感じだったんですかね~。ラストの蒙古軍との戦闘にも疑問でした。あんなに味方が死んでるのに何故に勝利???っていうか蒙古軍の大将はこの戦に勝つ気があったのか非常に疑問が残る演出(脚本)だった。 【北狐】さん 6点(2004-08-29 21:59:33) (良:1票) |
4.チャンツィーさん、かわいい。。。って私にとってはそれだけだったかも・・・。中国とかの歴史のお話は好きなんですけどねー。このお話は普通だったかな。最後に少ない人数で大勝利とかだったら感動しそうですけど。(私はそういう基本的すぎな感動で十分なものですから。) あんなにいなくなっちゃったら・・・。 新作紹介で見ておもしろそうだったから見たのですが、「守らないといけないのは敵国の姫だった!!」とか言われたら、なんか期待しちゃいますよねー^^; 【mako】さん 6点(2004-08-18 14:41:49) (良:1票) |
3.皆さん書かれているとおり、戦闘シーンの迫力は真に迫ったものがあります。何もそこまでリアルに描かなくても…と一瞬引いてしまう程。でも、それが刃物を使った殺し合いの真の姿なんですから、そういう意味ではとても正直な作品だと思います。 ストーリーとしては、フィクションと割り切れば十分楽しめるのではないでしょうか。歴史背景に詳しい方がご覧になれば、きっと突っ込みどころも多いのでしょうけれど、武侠モノとして楽しむ分にはいいんじゃないかと。 それにしても、最近目に付く死に急ぐ男達のドラマ。「ラストサムライ」しかり「HERO」しかり… お国柄で描き方は違うものの、主人公達は国のため名誉のため散っていきます。ある意味、死を美化しているようでその部分は好きではありません。 |
2.ノンワイヤーノンCG(であろう)土の匂いのする殺陣がたまらなく視覚に響く。[武士]というより[男気]という方がしっくりとくるんだけど、それ以上にいや~、チェ将軍とソヨルがチョー格好いい!! 寡黙な槍の達人ソヨルのたたずまい、若い貴族であるチェ将軍のうちひしがれた姿(ちょっと一時期の木村拓哉に似てる)、もぉかなりメロメロ(≧▽≦)ノ☆ そしてソヨルを何気にかばう隊正とチェ将軍によりそう別将はいぶし銀的な格好よさで心をくすぐってくれます。 な~んて書くと、けッビジュアルだけかよといらん誤解をうけそうですが、そーではなくストーリもなかなか。華である明の姫の設定には若干ムリがあるんですが、その姫と男2人そして明の民・高麗使節団のからみは恋愛だったり嫉妬だったり憎悪だったり敬愛だったりと複雑な心の動きを見せてくれます。ラストが微妙に気に入らんものの、いや~、格好いいこと!!これはオススメ。 でも、高麗のハングル、明と元の中国語が入り混じってて、元以外は顔では区別でけまへん。 【ちっちゃいこ】さん 9点(2004-01-09 16:36:05) (良:1票) |
1.この映画は、2時間半を超える大作ですが、そのほとんどの時間を「戦い」に費やしています。元に追われる中で、張り詰めた稜線のような微妙な人間関係が、少しずつ見えてきます。戦闘においては、多くの血が流れ、首が飛ぶ、矢が貫通する、などの目を覆いたくなるバイオレンスが満載です。しかしながら、これらのバイオレンスは決して過剰なものとは思いません。人を切りつけたときには血が流れる、そんな当たり前のことを描いており、昨今のように、バイオレンスを「アクションシーン」と銘打つことで、その痛みを覆い隠して互いに戦いあう映画のほうがどうかしているのではという気にさえさせてくれます。そして、多くの人間が死にます。しかし、先ほど上げた人たちはもとい、ほとんどの明・高麗の人たちの死には確固たる「重量感」があり、どの一人の死も、バッググラウンドがあり、疎かには描かれていません。多くの「死」の中で対照に描かれる「新たなる生」の部分も実に感動的です。--◇--本作品からは、人間関係には損得感情や論理を超越した何かがあるように思えます。終盤において、明らかにチャン・ツィイーを差し出したほうが多くの人が助かるし、しかも、船や軍隊がなかったのだから敵国の姫になどもう用はないはずなのに、それでも守ってしまう高麗の戦士たち、そしてそれになぜか共感できる自分。理由がまったく付けられないのにそれでも分かる不思議さ。非常に面白いなと感じます。 【暇人】さん 10点(2003-12-26 14:08:53) (良:1票) |