6.取り返しがつかない過去、如何様にもなる未来。この二つの分岐点に立つ今を生きるという事にどういう意味があり、どれだけの価値があるのか?この作品は善悪というカテゴリを超越した慈愛に満ちた視線で、それらを問いただす。説教臭くもなく、である。スパイク・リーの事は、ただのソウルブラザー野郎だと失礼にも食わず嫌いな評価をしていました。何たるうかつ。わしの負けよ!スパイク! 【aksweet】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-12-04 20:31:58) |
5.主人公に感情移入できない、モンティは自業自得、僕たちはすぐ安易に考えちゃいますが、善悪とか因果応報で観てはいけない。スパイク・リーに何を期待してるんでしょう?モンティが自分の愚かさに気付いてダークヒーローにでもなり、悪を叩いたりすれば納得するんでしょうか。この作品はリーの"怒りのファンタジィ"であり、彼流"怒りのメタファー(c)"です。映画というのは観客がどう観ようと自由・・・というほど、この映画は自由ではありません。その不自由さがリーの良いところであり、受け入れられない理由でもあります。 【takeseagull】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-01 14:35:16) (良:1票) |
4.自業自得と言えばそれまでなんだけどさ 【NIN】さん 8点(2004-11-25 15:09:41) |
3.刑務所収監直前の男の一日のストーリーを最近、ぱっとしなっかった巨匠スパイク・リーの貫禄十分な演出で最後までドキドキしながら観れました。かけがえのない人たちと対峙することによって中途半端な絶望が徹底的な絶望を味わうことになり、今まで憎悪の対象でしかなかったあらゆる人種が収監直前に主人公の目にはかけがいのない存在に映ってしまうこの奇蹟!!人間賛歌としてすばらしいアメリカ映画と思いました。 【シュンペーター】さん 8点(2004-09-17 10:31:39) |
2.10年前から道を反れたモンティを親友も父親も恋人も本気で忠告したり救おうとしなかった。収監を目前にしてそれを悔やむ彼ら。もちろん自業自得ではある当人も。この場に及んで悔やんでも苦しんでも誰も過ぎたこの年月をやり直すことは出来ない。最後にもし西へ行ったら、、と語られる家族に囲まれた幸せなもう一つの人生。もしかして彼にはやってこないかもしれないこのくだりが切なく胸に迫って泣ける。地道に誠実に平穏に生き、家族を増やしつつ年を取っていく平凡でささやかな人生。「人生を無駄に生きるな」こんなメッセージがずっとリフレインしてます。黒猫さんはじめ皆さんの素晴らしいコメントに共感したりいろいろ教えられました。それ以上うまく表現もできないのですが、とにかくいろんな感慨をおこす作品でした。
【キリコ】さん 8点(2004-05-15 16:33:24) (良:1票) |
1.誰にとっても人生は一度きりだ。昨今簡単に「自爆テロ」とまるで新しい爆弾の一種かなにかのように言われるが、自爆する人にとってもたった一度の人生。その決意は並々ならぬものがあったろうし、彼らにその決意をさせたのは「神」ではなく「人間」なのだと言うことを理解しなければ問題の解決とは程遠い。なので【veryautumn】さんの意見は全くもっともで、私も9.11について語られる時いつも気にかかることだ。しかしこの映画については【?すぺるま代表取締役社長】さんの「社会派ではなく1本の映画として完成度が高い」と言う意見に同意する。これはニューヨークを舞台に描かれたベニオフの原作にスパイク・リーが非常に個人的な感情を織り交ぜて作った映画だと思う。他人をヤク中にした金でゴージャスな暮らしをしてきたモンティ、その金で高価な買い物をするナチュレル、分かっていながら傍観者でしかなかったジェイコブとフランク。モンティと彼にまつわる人々の一度きりの人生が失われた原因は、彼ら自身にあるのだという真実をスパイク・リーは提示し続ける。その上での圧倒的な喪失感、そして再生への希望。ビート詩人がポエトリー・リーディングをしているかのようなこの映画での「スパイク・リーの復活」を素直に喜びたい。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2004-02-16 12:02:32) (良:3票) |