4.これも公開当時見たきりだがこの原田芳雄の竜馬は強烈な印象がある。これ以降いろんな人の竜馬を見てもやはり彼が私のイメージする竜馬に一番近い。型破りで男臭いが、司馬遼太郎の本によると笑顔がなんともいえず魅力的で人を惹きつけずにはおかないとあり、これが加わればほぼ完璧な竜馬像だった。(これは上川隆也か長身の中村雅俊をイメージ)竜馬ファンとしては殺されるのが残念でならないが使命を負って遣わされた特別な人だったかもしれないと思えば仕方ない。使命を果たし全力疾走で駆け抜けた人生がドラマティックで感動的。映画は斬新でエネルギッシュで若々しい感じのする異色の青春時代劇だったと思う。 【キリコ】さん 7点(2004-05-14 23:48:44) (良:2票) |
3.坂本竜馬を描いた作品というと、まだ小学生だった15年くらい前にNHKで放送されていたアニメ「おーい!竜馬」の印象が未だに強く、竜馬本人のイメージも爽やかな青年という印象だが、そのイメージを覆すようにこの映画の竜馬はアブラギッシュで汗臭く、濃いキャラクターに描かれていてなおかつ演じる原田芳雄がそのキャラクターに非常にマッチしていて新鮮に感じた。相棒・中岡慎太郎を演じるのが石橋蓮司。この16年後に作られた同じ黒木和雄監督の「浪人街」を先に見ているものだからまたこの二人の濃いキャラクターが黒木監督の映画で見られたのが良かった。(時系列にいくと本作が先なのでこういう書き方は少し変なのだが。)70年代の映画にもかかわらず、それ以前に作られた映画のようなざらついた白黒の映像、そして時代劇にもかかわらず、70年代の時代の雰囲気が伝わってくるような演出も効果的だった。ラストの「ええじゃないか」の踊りの中に消えていく中川梨絵が印象的で見終わったあと余韻が残るのもいいし、テーマ音楽も良かった。しかし、少し時間が長く感じたのがちょっと残念だった。まあ、見ている時の自分が少し疲れていたせいもあったかもしれないが。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-20 17:07:41) (良:1票) |
2.雨振る中を駆け抜ける半ケツの竜馬で映画は幕を開ける。そしてカメラはそのたぷたぷ揺れる尻に肉薄していく。冒頭の描写からしてこの映画は只者ではない雰囲気があった。竜馬と中岡が互いの革命論を交わらせるシーンなどはこちらも武者震い。幕末の動乱期、「時代は変わる」の時代に生きた英雄たちの情熱に思わず引き込まれる。友情の描かれ方もいい。時折それらの緊張を弛緩させるように挿入されるコミカルなシーンも効果的。「ええじゃないか」が対照的に映すラストは余韻が残る。竜馬の生き様のごとく映画も失速することなく(特に中盤)駆け抜けてくれればもっとよかったのだが。 【kozi】さん 8点(2004-07-03 11:31:39) (良:1票) |
1.古めかしいモノクロームの映像世界に幕末の英雄、坂本竜馬の最期の生き様が鮮烈に映し出される。何よりも、飄々と男臭い独特の坂本竜馬像を体現した原田芳雄の存在感が光る。独特ではあるが、このキャラクターこそ坂本竜馬本人の人物像にもっとも近いのではと思わせる説得力とインパクトに溢れていた。石橋蓮司、松田優作、桃井かおりと脇を固める俳優陣も揃って曲者揃いで、印象的な映画世界に見事に息づいている。その先見性も含めて動乱の時代をあまりに早く走りすぎた英雄の喜怒哀楽に溢れた最期の3日間を描いた傑作。 【鉄腕麗人】さん 10点(2004-02-29 03:46:42) (良:1票) |