4.母親はサマンサモートンが演じました。これがまたしっかりしている母親なだけに、父親の情けなさがよけいに目立ちました。 国を捨て、必死の思いでアメリカにやってきたのに、俳優という夢を追いかけている父親のために、幽霊屋敷に住まされ、クーラーもない。 私はこの母親が子供と一緒に、いつ家を飛び出すのかと思ってみていたら、じつは非常に結束力の強い家族でした。 それと、子供を失ったことを、いつまでも引きずって生きている夫婦に違和感を覚える人が多いようです。しかし実際にそれを永遠に忘れずにその悲しみを背負って生きていく人も大勢います。 うちのおばあちゃんは、何人も子供を生んだ人ですが1人だけ子供を病気で亡くしました。 そのおばあちゃんは、自分が亡くなる瞬間まで、失った子供のことで泣いている姿を何度か見たことがあります。この映画の夫婦は、子供を失ったことを認めたくなかった。しかし最後でようやく「死んだ」という事実を認めました。だからといって、これから楽しく生きていけるという意味ではなく、一生年老いて死ぬまで、死んだ子供のことで涙を流して生きていくのだと思います。 家族とは楽しみだけを共有しあうのではなく、悲しみも共有しあう。そういうことが分かった映画でした。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-04-01 22:57:09) (良:2票) |
《改行表示》 3.とてもいいじゃないですか!子どもを失った悲しみ、仕事が見つからずまともな生活ができない苦しみ(本人たちはそこまで気にしていなかったけど、個人的にはこっちのほうが大問題だと思う)のくらーい雰囲気の中で、2人の娘のなんと活き活きとしていること!個々のエピソードがとても印象的で、おとぎ話チックでとても素敵で、しかも監督の実体験に基づいているとのことで、いろいろな懐かしいもの、昔輝いていたものを集めてぎゅっと小さな箱に収めたような映画だと思いました。私的には息子の死というのは結構どうでもよくって(だって今生きていて生活していかなきゃいけない自分と家族がいるんだ からもっとしっかりせえ!って思う)、なにか大きなトラウマを家族みんなで乗り越えるちょっといいお話だと思っている。でも3つの願い事が素敵だったので、この設定はとても意味があると思います。ジム・シェリダン、今のところ裏切られていません。 【るいるい】さん 9点(2004-12-23 21:28:52) (良:1票) |
2.なんか、上手くは説明できないけど、最後の場面、ブロンクスの貧しい街角からみえるマンハッタンの夜景と満月をみながら、「アメリカっていい国だな」ってしみじみ思いました。ストーリは、ほんと、アメリカならではの映画(日本にはまず無い話し)。マテオのエイズの話にしてもアメリカの社会問題だけど、必死に生きていこうとする姿が印象的だった。そうした人間模様を社会問題や病気の話し(エイズ、Rh不適合妊娠、小児脳腫瘍)をおりまぜながら展開していっているところがなかなかよかった。もちろん子供達の笑顔は忘れられない。3万ドルのお金の支払い方法についていろいろ議論あるようだけど、マテオがたとえ持っていたとしても天国にはもっていけないからね。お金じゃないところに価値を見出していることを強く印象付ける良いエピソードだと思う。(たとえ、彼らが払えなくっても、実際には病院側が自腹を切ることになるというのがよくある話。)それにしても、長女がRh(-)で、次女はどうやらRh(+)、で、Frankieのときは大丈夫だったのか?FrankieはRh(-)?で、今回がRh(+)か???それにしても、はじめのTimes Sqのシーンでながれていた曲、"Do you believe in magic?"が最後まで頭に流れてました。ミラクル!マジック!信じよう!! 追伸:日本語副題「三つの小さな願いごと」は蛇足。それが主題ではないから。 【あまね】さん 7点(2004-07-03 13:53:16) (良:1票) |
1.アイルランドからの不法移民一家が過去と決別し、ニューヨークという大都会の底辺で未来に希望を見出していくようになるまでを描いた、長女の一人称の視点で語られていく物語。私の心が荒みきっている所為か、珍しくもないエピソードを繋ぎ合わせただけの話を延々と観せられた所為か、ちっとも感動できなかった。(また書きますけど)大体、今が生きるか死ぬかという時に、全然地に足を着けようとせず、おまけに過去に縛られてばかりいるこの夫婦には全っ然共感できない。娘にしても愛らしさの前に、この歳で独善性を匂わせてしまっては魅力も半減。という訳で、5点献上。 【sayzin】さん 5点(2004-05-05 00:05:01) (良:1票) |