8.母親はサマンサモートンが演じました。これがまたしっかりしている母親なだけに、父親の情けなさがよけいに目立ちました。 国を捨て、必死の思いでアメリカにやってきたのに、俳優という夢を追いかけている父親のために、幽霊屋敷に住まされ、クーラーもない。 私はこの母親が子供と一緒に、いつ家を飛び出すのかと思ってみていたら、じつは非常に結束力の強い家族でした。 それと、子供を失ったことを、いつまでも引きずって生きている夫婦に違和感を覚える人が多いようです。しかし実際にそれを永遠に忘れずにその悲しみを背負って生きていく人も大勢います。 うちのおばあちゃんは、何人も子供を生んだ人ですが1人だけ子供を病気で亡くしました。 そのおばあちゃんは、自分が亡くなる瞬間まで、失った子供のことで泣いている姿を何度か見たことがあります。この映画の夫婦は、子供を失ったことを認めたくなかった。しかし最後でようやく「死んだ」という事実を認めました。だからといって、これから楽しく生きていけるという意味ではなく、一生年老いて死ぬまで、死んだ子供のことで涙を流して生きていくのだと思います。 家族とは楽しみだけを共有しあうのではなく、悲しみも共有しあう。そういうことが分かった映画でした。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-04-01 22:57:09) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 万国共通の悲しみであり エンターテイメント。 異星人のぬいぐるみに全ての生活資金を投げ打つシーンの緊迫感とその経過。 一つ目、二つ目の願いごとに救われ、そして最後、ここに取って置いたとばかりに三つ目の願いごとが投じられた瞬間、鬱が取り払われてしまった爽快感。 〝イン・アメリカ〟 アメリカ映画でありながら アメリカ人だけが独り占めして楽しむべきではない作品。 万国共通、ベストファミリームービーであると思います。 姉のクリスティと妹のアリエルは実の姉妹。今後を見届けたく思います。 またいつの日かどこかで共演してくれることがあるなら嬉しく思う きっとそんな日が訪れることを願いたい それまでちょっとのお別れ。ここで使ってしまおう 私のたった一つの小さな願いごと。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-01-04 12:30:07) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 命の危険を賭してまで子を産む選択をする母親。賢明な選択とは思えません。自分が父親でもやはり止めます。しかし、これも家族が選んだ道。正しいかどうかは誰にも分かりません。生まれる命もあれば、消えようとする命もあります。エイズに侵された黒人のマテオ。孤独に病と闘う男。彼にとってこの家族との出会いは、残された人生に潤いを与える、かけがえのないものだったはずです。赤ちゃんが助かったのは、神様のおかげかどうかは分かりません。しかし家族とマテオの出会いに意味があったこと、親の祈り、家族の祈り、命を愛する死にゆく男の祈りが、尊いものであったことは間違いありません。そして赤ちゃんは与えてくれました。涙を流すことを拒絶した父に涙を。弟の死に心を縛られた姉に、自ら心を解き放とうとする意思の力を。心の傷は消えなくても、大切な人の死を受け止める力を与えてくれました。これからも、この家族には厳しい現実が待っているでしょう。しかし、苦しい生活の中でも楽しみを見つけられるこの家族に、少しでも光の当たる人生が待っていることを願わずにはいられません。それがマンハッタンの夜空に浮かぶ月が照らすような、ほのかな光でも。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-06-09 17:40:43) (良:1票) |
5.とてもいいじゃないですか!子どもを失った悲しみ、仕事が見つからずまともな生活ができない苦しみ(本人たちはそこまで気にしていなかったけど、個人的にはこっちのほうが大問題だと思う)のくらーい雰囲気の中で、2人の娘のなんと活き活きとしていること!個々のエピソードがとても印象的で、おとぎ話チックでとても素敵で、しかも監督の実体験に基づいているとのことで、いろいろな懐かしいもの、昔輝いていたものを集めてぎゅっと小さな箱に収めたような映画だと思いました。私的には息子の死というのは結構どうでもよくって(だって今生きていて生活していかなきゃいけない自分と家族がいるんだ からもっとしっかりせえ!って思う)、なにか大きなトラウマを家族みんなで乗り越えるちょっといいお話だと思っている。でも3つの願い事が素敵だったので、この設定はとても意味があると思います。ジム・シェリダン、今のところ裏切られていません。 【るいるい】さん 9点(2004-12-23 21:28:52) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 この映画は、「絵に描いたような、理想的な家族」を描写したものだと思います。そして、それを、かなり達成出来ていると思います。父親は、今ひとつ社会的に成功しないタイプで、情けないところはあるけれど、家族をとても思いやっている……自分の苦難を、決して家族に当たったりしない人間。母親は、そんな父親と娘達を、しっかりと優しく包み込むことができる人。娘のうちの妹は、ひたすらに愛らしい。そして、主人公である姉は、そんな家族を客観的に、でもとても暖かい視線で捉えて、視聴者に紹介していると思います。「3つの願い事」をかなえた亡き弟・フランキーは、そんな家族がもった共通の傷であり、彼の死を克服していく過程を示すことで、この映画はより「理想的な家族像」を表現することに成功したのではないでしょうか。何にせよ、「家族愛」というテーマで、心暖まりたくなりたい人に、心からお勧めできる映画です。 【IKEKO】さん 7点(2004-07-20 00:47:21) (良:1票) |
3.なんか、上手くは説明できないけど、最後の場面、ブロンクスの貧しい街角からみえるマンハッタンの夜景と満月をみながら、「アメリカっていい国だな」ってしみじみ思いました。ストーリは、ほんと、アメリカならではの映画(日本にはまず無い話し)。マテオのエイズの話にしてもアメリカの社会問題だけど、必死に生きていこうとする姿が印象的だった。そうした人間模様を社会問題や病気の話し(エイズ、Rh不適合妊娠、小児脳腫瘍)をおりまぜながら展開していっているところがなかなかよかった。もちろん子供達の笑顔は忘れられない。3万ドルのお金の支払い方法についていろいろ議論あるようだけど、マテオがたとえ持っていたとしても天国にはもっていけないからね。お金じゃないところに価値を見出していることを強く印象付ける良いエピソードだと思う。(たとえ、彼らが払えなくっても、実際には病院側が自腹を切ることになるというのがよくある話。)それにしても、長女がRh(-)で、次女はどうやらRh(+)、で、Frankieのときは大丈夫だったのか?FrankieはRh(-)?で、今回がRh(+)か???それにしても、はじめのTimes Sqのシーンでながれていた曲、"Do you believe in magic?"が最後まで頭に流れてました。ミラクル!マジック!信じよう!! 追伸:日本語副題「三つの小さな願いごと」は蛇足。それが主題ではないから。 【あまね】さん 7点(2004-07-03 13:53:16) (良:1票) |
2.アイルランドからの不法移民一家が過去と決別し、ニューヨークという大都会の底辺で未来に希望を見出していくようになるまでを描いた、長女の一人称の視点で語られていく物語。私の心が荒みきっている所為か、珍しくもないエピソードを繋ぎ合わせただけの話を延々と観せられた所為か、ちっとも感動できなかった。(また書きますけど)大体、今が生きるか死ぬかという時に、全然地に足を着けようとせず、おまけに過去に縛られてばかりいるこの夫婦には全っ然共感できない。娘にしても愛らしさの前に、この歳で独善性を匂わせてしまっては魅力も半減。という訳で、5点献上。 【sayzin】さん 5点(2004-05-05 00:05:01) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 二人の姉妹はとても自然な可愛らしさでほほえましいし、胡散臭い住人ばかりの汚いボロアパートで階下の黒人マテオとの交流は麗しい。しかしETベースのようないい話も「都合よすぎる」部分に違和感がある。(莫大な入院費支払い方法には脱力)。家族皆がいつまでも亡くした坊やに囚われていて不安定な妻の態度や、貧乏なのにゲームに有り金はたく父親、最後のハッピーにまとめたラストシーンなどあちこちで演出過剰な気がするし粗漏や甘さが気になってしまう。おいしそうなケーキにさらに砂糖を振り掛けて甘すぎる感じ(身内話で甘くなったんでしょうか)。期待してただけに残念。おまけにベリーショートのモートンはプリコグみたいだし、、結局2人の姉妹の愛らしさが一番印象的だったのだが最後の姉の言葉は興ざめ。 【キリコ】さん 6点(2004-01-15 17:16:53) (良:1票) |