8.《ネタバレ》 ちょいと序盤が退屈気味だけどとーっても面白い本作、ケチなコソ泥演じるダスティ・ホフマンの演技力が炸裂してますね。強気なTVキャスター役のジーナ・ディビス、心優しいホームレス役のアンディ・ガルシアとキャスティングもうまくバランスがとれていてナイス。なかなか皮肉さが効いたストーリーは、ドタバタコメディの体をしていながらも独特の人の温かみをうま~く表わしていますよね。これはこの監督さんの持ち味なのかな。しかしババーの祭られ方がすごいよね、ババー人形まで出来てたし(笑)。いまこの日本でも「嘘」がいろいろと取りざたされてますが、どの「嘘」を信じていくのか…ムズカシイところでありますなぁ。あまり知名度が高くないと思われる本作、カッコ悪い邦題wのおかげで見損なってる人多そうだなぁ~ぜひ一度ご覧になって下さい。 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-03-21 09:41:26) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 墜落した飛行機から乗客を「魔がさして」助けてしまった盗人の話。多くの乗客の命を救いながらもセコい小悪党であり続ける主人公をダスティン・ホフマンが、ヒーローを偽って名乗り出るも良心の呵責に苛まれるホームレスをアンディ・ガルシアがそれぞれ好演。2人を対比させながら物事の多面性を理解し得ないメディアや世論への皮肉と諦観が描かれていく。『靴をなくした天使』という恥ずかしい邦題を除けば、ここでの高評価に違わず非常に良い映画だと思う。最後まで真実が公にならない部分をあげつらって低評価を付けている人達がおられるが、実社会でも評価されるべき事象が時流の趨勢やメディアの黙殺によって埋もれてしまう事は多々あるはず。ラストシーンで鼓笛隊の演奏に掻き消される主人公の胡散臭い自慢話の様に、真実は時として嘘なんかよりもずっとか弱いものであったりするのだろう。コミュ能力やらプレゼン能力やらといった皮相的な処世術が持て囃される昨今、無口で不器用な真実はどんどん見過ごされて虚栄の中に埋没していってしまうに違いない。「世の中はウソだらけなんだ。だからお前は好きなウソを選んでそれを信じればいい。」息子にそう語りかける主人公のニヒルな台詞がやけに悲しかった。 【オルタナ野郎】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-20 20:38:47) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 全く期待せずに観たのに、いやー、面白かった。人間、イザと言うときは日頃の行いで判断されてしまうわけね。でも、真実を明かすことが最善とは限らないというひねりの効いた展開が面白かった。バーニーはかなり行動に矛盾があるキャラクターだけどやっぱり憎めなくて、それをダスティン・ホフマンが実に「らしく」演じてます。同じ父親役でも、一見模範的な改心を見せつつチラホラ偽善的なクレイマー・クレイマーのパパより、魔が差して人を救ってしまうこっちのダメ親父の方が私はだんぜん好き!!超ダメ親父でも、息子に対してだけは真のヒーローになれて良かったねぇとしみじみ思う。出来心の罪悪感に耐えられず自殺まで考えるやたら瞳の綺麗なホームレス、ってのをA.ガルシアが好演。おいしいよな~。 【lady wolf】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-08-12 01:25:41) (良:1票) |
5.いいことをしてるはずなのに全く報われないというと「素晴らしき哉、人生」みたいなフランク・キャプラらしい現代のおとぎ話みたいな感じで面白かったです。汚い格好をすりゃあ普通のおっさんにしか見えないダスティン・ホフマンと今でいうイケメン顔のアンディ・ガルシアをキャスティングしたのはいいですがジーナ・デイヴィスの野獣的な顔とガルシアの妙なロマンスは・・・ちときつかったです(笑)でも「ヒーローとはいったい誰か?」が全編にスタローンが「ロッキー・ザ・ファイナル」で書いた「何のために戦うのか?」張りに上手くちりばめられて楽に見れる面白い映画でした。 【M・R・サイケデリコン】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-06-04 02:25:54) (良:1票) |
4.頭が柔らかいと自負している。多くの作品を鑑賞し名作の数々に触れている。また映画は肯定的に観ようという姿勢を貫いているが久々に[鑑賞後の後味]の悪い作品であった。評価が高い故何度も観たが共鳴できない。俳優陣は好きだし持ち味を活かしている。特に苦労人D.ホフマンは円熟の域に達しており情けない男を力まずに好演しているし、A.ガルシアも役柄上、抑制の効いた演技がなかなかである。では何が駄目なのか?それは脚本が不出来だからである。粗雑なのに洒落た風を装っている。メディアによる大衆操作などは遥か昔から続いており特筆すべき事柄でもない。この脚本家の他作品「ブレード・ランナー」にはP.K.ディックの名原作があるし「12モンキーズ」にはC・マルケルの「ラ・ジュテ」という立派な元ネタがある。「許されざる者」はタカ派的で嫌いである。この作品では原案者でもある訳で質の高い脚本家とは評価し得ない。真実が明らかになって然るべき場面が多々あるのに無理矢理に真実を覆い隠す場面が目立ち、苛つく。初見時は素敵なラストへの布石かと思ったが納得のいかない後半・終盤であった。バーニーの人生哲学を肯定する方もいよう。だが御自身がバーニーであったらと置換して欲しい、是非。強く主張したいのだが自分が彼と同じ貧困な境遇にあるならば真実が虚偽に埋もれてしまうのは何としても納得し難い。ババーも極限の決意までしておきながら、(バーニーの説得・交渉があったにせよ)いとも簡単に翻心し、また「演じ続ける」。この先はもう良心の呵責にさいなまれないのだろうか?シニカルなドラマと位置づけられているが充分に練られた脚本ならば不条理な結末でもいいと思える作品は多数ある。しかし皮相的な脚本の基では後味の悪さだけが残ってしまう。“You are welcome(どういたしまして)”の一言で済む問題ではない。バーニーもババーも生き続けていくのだから。更に言えば真実を知ったゲイルは報道の何たるかが解っていない。敢えて良かったと言えるのは息子が真実を知った事だけだと思う。但し嘘ばかりの世の中だからこそ真実の尊さを諭すべきであった。斜めに社会を見る子供を育てては世の中荒廃するばかりである、絶対に。単なるブラック・コメディではないだけに、あのようなまとめ方で終わらせる映画を『粋』だとは言えない。申し訳ないが浅薄な映画である。 【心の金持ち】さん [DVD(字幕)] 2点(2007-09-02 19:16:39) (良:1票) |
3.素敵な人はホームレスでも素敵なのかしらん?しょぼいダスティン・ホフマン。力の抜け加減もいい。 【さら】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-04 12:01:58) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 なぜこんなに平均点が高いのか分からない。最後がハッピーエンドなら起承転までは不公平な話でいいっての? 「ヒーロー」を異常なまでに祭り上げる世間って一体?利己的なマスコミって一体?この映画あまりにもオーバーに作りすぎてる感があっていやだなあ。 息子にだけ正体を明かした隠れたヒーロー、バーニーの行く末だけは見守っていこうと思います。 ダスティン・ホフマンとアンディ・ガルシアの演技力は素晴らしいです。バーニーの最後のセリフ「You are welcome.」に少し救われました。両者異なった「臆病さ」を表していて見事でした。 |
1.《ネタバレ》 高校時代に感動して何度も見た。初めて泣かされた映画かも…思い出プラスで10点です。とにかくダスティン・ホフマンがいい!シンデレラのパロディーのストーリーもわかりやすいく飽きない。この映画を見て真実って何個もあるんだなぁ、と考えさせられたような気がする。 【はざま職人】さん 10点(2004-06-10 20:57:13) (良:1票) |