10.《ネタバレ》 サスペンス的に言えば、『火サス』とあんま変わらない。ですがそこに出てくる人間の描き方がエグイい。 子供の頃に一人だけ誘拐。性的虐待を4日間にわたって受け、そのトラウマが元で精神不安定に。小児性愛者を偶然見つけ、突発的に幼少期の自分と重ねてしまい殺害。妻にそのことを告白。だけど運悪くケイティ殺しの日と重なったため、妻はケイティ殺しを疑う。結果、ケイティの父であり幼友達でもあるジミーから報復されてしまう。救いの無い話。デイブが悲惨すぎて、後味は悪いです。 ジミー、デイブ、ショーン。自分が誰と重ねあってしまうかで評価が分かれてしまいそうな本作。私はデイブ。だから良い映画だったとは言い難いです。 それにしてもショーン(ケヴィン・ベーコン)と奥さんのエピソード、これって必要だったんでしょうか。ショーンが奥さんからの電話を受けるたび、いちいちストーリーが止まる感じがします。で、その奥さんが事件や過去のエピソードとつながってくるわけでもありません。メインのストーリーが完璧なだけに、無言電話がジャマで仕方がなかったです。 また、事件の犯人は映画だから許されるような人物で、意外性があるのですが、動機が突発的なものっていうのは、オチとしていささか弱い気がします。いや、銃社会としてリアリティを感じさせるようなオチではありますが・・・ この作品は子供の頃から立場が違う3人の物語がメイン。その一方でミステリー要素が強く、犯人も全然わからないので、サスペンスとしても面白い。デイブのミスリードが効いていて、映画の緊迫感を増しています。ドラマとしても刑事サスペンスとしても緊張感のある良作。ですがオチが弱いのと後味が悪すぎるのがちょっと残念ですね。 映画としては◎ですが、好みとしては△といったところでしょう。評価しづらい作品です。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2017-11-12 13:04:42) (良:3票) |
9.オープニングとエンディングのピアノの音色がいいです。事件以来3人は棘を残しながら、時が止まったままの者、法の正義を信じる者、力こそ全てと信じる者へと別れて行く。3人の妻達の存在が、25年間のそれぞれの生き方を語っている。抜けていない棘は、25年間心の中に膿を溜めこみ、それぞれのヤリ方で噴出する。これは偶然起こった出来事ではなく、起こるべくして起こった事件なのだろう。本編とは全く関係無いがジミーの考え方、生き方=米国なんでしょうか。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2004-01-13 22:30:10) (良:3票) |
8.なんて評価の難しい作品なのでしょう。既に大勢の方々がレビューしておられるので、今更書き加えることなどありません。ただただ、現実の恐ろしさ、そこに潜む不条理、そんなことを付き付けられ思い知らされる作品ですね。俳優陣の迫真の演技は、文句の付けようもありません。映像、音楽、全てが素晴らしく纏まっています。でも、あまりに重いテーマ。救いようのない現実。こういう作品も絶対に必要と思いつつ、私は映画には夢を求めたいのです。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-10-02 01:21:56) (良:2票) |
7.人間は独りで生きていけない…だから寄り添い、家族、集落、都市、国家を創る。それって分かり合うための「何か」なのに…。 でも、この物語には結局のところ「自分を救済して欲しい」人間しか存在しない。 そう、「誰かのために」などの想いなど微塵も無い、残酷なほどキモチワルイ物語だった…。 残酷な野生と何一つ変わらず、自我を剥き出しにしているだけの世界なのに、宗教や人の習慣、奇麗事などを社会的繋がりでコーティングしている、この醜悪な人間関係よ。 そして、そんな自分も、この唾棄すべき野獣と同じイキモノだと、嫌が応でも自覚させられる…吐き気を催すほど「純な人間を描いた」物語だった。 この先…春夏秋冬幾千層、素晴らしき祝福の日差しが彼らに降り注ぐ事があったとしても…決して救いなどない。 川の底は今も光は届かず…仄暗く澱んでるのだから…。 【映画の奴隷】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-02-11 06:46:00) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 影の多い画で描かれる、負の連鎖の物語。話の暗さを物語る影が登場人物たちにいつも覆い被さっている。少年時代の事件に囚われ、脱出できない悲しい男たち。ジミーはこれからも自分に金メッキを塗りたくって虚勢を張って生きていくのでしょう。ズブズブとぬかるみの中を突き進むのでしょう。あの悲しげなチンピラの風体はショーン・ペンの当たり役ですね。少女を殺した少年も、少女の恋人も、あのジミーの嫁でさえも負のサイクルに囚われたまま行くのでしょう。ケイティとデイブ以外の人生は、まだこれからも様々に形を変えて続いていく、という印象をあのパレードのシーンで感じました。確かに人とはあんな生きものかもしれない。けれど私は、重たいまま終わるこの話からは、心に刺さる何かでなく鈍痛しか感じられなかったです。映画界のヒーローである監督の暗部なんでしょうか。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-08-17 02:11:51) (良:1票) |
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5.この手の映画を久々に見ましたが、重厚で楽しめました。ただ、色々考えさせられて疲れました。ただ、内容自体は非常にわかりやすく描かれています。このあたりはさすがクリントイーストウッドです。一番わかりにくかったのが、ケビンベーコンがショーンで、ショーンペンがジミーなこと(笑) 【february8】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-05-08 21:34:45) (笑:1票) |
4.《ネタバレ》 原作はは2001年の「このミス」では10位、「ベスミス」では2位に選ばれている作品なので、ミステリーファンは期待したと思う。私はショーン・ペンが苦手なので長らく敬遠してたんだけど。映画全体の印象は良く磨き込まれた古い家具のようで、イーストウッドの趣味の良さを感じる。何故デイブは妻にさえ真実を打ち明けられなかったのか?それはデイブが少年に欲望を感じたから。なんと言う業の深さだろう。でも幼い頃性的虐待を受けると得てしてある事らしい。彼は目の前の幼児性愛者に自分を見て、自分が少年をレイプする日が訪れる予感が恐ろしくて、自分自身を殺したのだ、25年前地下室に残してきた「少年(誘拐される前の自分)」と一緒に。小説にはそう書いてある。読んでいると溺れて息が出来なくなるような気がする登場人物達の心理描写が売りの小説なのだけど、映画からはそこまでは伝わって来ない。かなり原作に忠実なだけにそれでも良い作品なのか?イマイチ判断できない。ただ、私は自分をコケにした人間の事は許したりできない。ただ忘れるだけだと思ってる。なのでお腹の中には澱みたいなものが残る。あるいは心に受けた傷や大きな悲しみは、時がたてばそれは薄れはするが決して消える事は無い。この小説で一番共感する所はその部分で、それは映画からも感じられた。 【黒猫クロマティ】さん 7点(2005-01-27 12:34:34) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 ミスティック・リバーの川底で、デイブは何を思うだろう?25年前の事件への恨みか、それともジミーへの怒りか、もしかするとショーンへの嫉妬かもしれない。僕には到底理解出来ない。デイブは、妻にさえ信じてもらえなかった可愛そうな男。彼の人生は、残酷な運命に導かれるようにして、今でもミスティック・リバーの川底で眠り続けている。 【ボビー】さん 7点(2005-01-05 16:34:12) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 点をつけるのがとても難しい。映画の出来で言えば8点以上でもいい。でも内容でいえばラストが納得も共感もできなかったので7点以下。3人の少年たちの過去のいきさつ、25年後の彼らの暮らしや家族、娘の殺人事件をめぐる展開など、丁寧な脚本と演出はとてもいい。最初のいたずらをするところだけで3人のそれぞれの性格を見せてしまうなんていうのはすごい。共感できなかったのはラストのほうの部分。ジミーの妻が「家族を愛し守るあなたは正しい」などという言葉。あの行為の後こんな利己的な独りよがりは納得できない。まるで今のアメリカに重なって見えてしまう。監督がこれを肯定的に言っているのか、皮肉で言っているのか真意が分からないので確信がないが、どうも前者のような気がする。私はとても理解できないしデイブが哀れすぎる。ショーンの最後にとった行動も疑問だし、娘が殺された理由も他にもっと説得力のあるものがあると思う。こういうマイナス感情を除けば俳優はそれぞれ見ごたえがあり(特にT・ロビンス、M・ゲイ・ハーデンなど)、因果報応的プロットや前述したあれこれも良くできている。総合で7.5といったところだが、ラストの後味の悪さからあえて辛く7点。 【キリコ】さん 7点(2004-01-19 15:52:09) (良:1票) |
1.静かに、重く、そして切ない。ちょっとでも触れると破裂しそうな緊張感の中、3人の主人公の物語が進行していく。過去の"事件"も相まって、ラスト近くになると見ているこちらまで緊張感に包まれる。ただ、ちょっと難しいかな。 【Andy17】さん 7点(2004-01-10 20:10:48) (良:1票) |