8.遺憾ながら、前評判とは全く裏腹にごく普通の地味なサスペンス映画でしかなかった。映像は重厚、演技陣は優秀、シナリオも良く練り込まれていて何一つ問題はないのだが、美しすぎる映像と音楽、演技者達の演技の素晴らしさにストーリーが全然追い付いていない違和感が大きい。これだけの重厚感で盛り上げておきながら、あのオチはないだろう、というのが率直な感想。のっけからショーン・ペンの絶叫する「She's my daughter!」に涙を絞り取られ、予告編で何度も観たはずのティム・ロビンスの苦悩に振り回され、マーシャ・ゲイ・ハーデンの混乱に翻弄され、実に役者の存在感が際立つ作品なのであるが、後に残されるのは人生観もへったくれもないベタベタのミステリー。要するに偶然が巻き起こす運命のいたずらについて、過去を仮定法で回顧する形で「誰の身にも起こり得たこと」として描きたかった意図はわからなくもないが、物語のたどり着く結論が結局人生を変え得るのは教育でしかないという言われ尽くしたメッセージであることの不毛さに脱力した。前半の展開の速さに、「スリーパーズ」の失敗をここで是正しようとしているのかな、という妙な納得はあったが、「スリーパーズ」で児童虐待に励んでいたケビン・ベーコンに、大学教育によって低所得層からの脱出を果たした「勝ち組」を割り振ったのは冗談としか考えられない。クリント・イーストウッド御大は既に1作1作を遺作のつもりで撮っているのに違いないし、それだけの気迫の込められた作品ではある。限りなく良い評価をされる可能性の高い作品だし、おそらく賞レースでも沢山の賞を手にするだろうが、御大と呼ばれるほどの巨匠になってから傑作をモノにする監督が極めて少ないのもまた事実である。イーストウッドよ、誰もあなたに厳しいことが言えない状況は理解できる。でもあなたは決してハリウッドを一括している場合ではないと思うよ。私はあなたのファンです。 【anemone】さん 6点(2004-01-13 06:44:41) (良:4票) |
《改行表示》 7.ショーンの奥さんとのやり取りは完全にいらない、ただでさえ主人公3人が子供時代から面影のない顔立ちに成長してて 登場人物の把握にもたついてるってのに、いらん設定ぶちこまないでほしい。 そもそも上映時間が2時間強と長すぎるから、意外と地上波なんかでテレビサイズに短縮すれば逆に面白くなるかも もちろん最後のパレードはいらないし、ショーンの奥さんにいたってはこの際だから全カットして存在を抹消してしまおう。 【勾玉】さん [インターネット(字幕)] 6点(2020-03-13 20:32:12) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 本作ほどのエスカレートしたものではないでしょうが、誰しも長く生きていれば、一度は経験する怒りと不審の負の連鎖。私は、あの時のことは、後悔という重りを乗せて、心に封じてあります。そのことをチクチク突かれているようで、話が進むたびに、とても重く切ない気持ちになりました。できれば出会わなかった方がよかったとさえ思えるほど、良くできた作品と思います。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-02-11 10:51:39) (良:1票) |
5.《ネタバレ》 派手さはないし、ドキドキする訳でもないけど、見ごたえがあった。じっくりと深いところを描こうとしているということなのだろう。マーシャ・ゲイ・ハーデンが何も知らずに取り残された。その芝居が一番残っている。 【アンドレ・タカシ】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-09-12 02:12:42) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 出演者はみんな素晴らしい演技だった。特にティム・ロビンスとマーシャ・ゲイ・ハーデンの演技が印象深いが、ケビン・ベーコンの久々にこういった演技が見れてよかったし、エミー・ロッサムも父に愛される娘として好演していたと思う。ただ、子供の頃に襲った不幸な出来事がそれぞれの人生(特にティム・ロビンスが演じた「デイヴ」)に、その後に与えた影響がこれほどまでに大きいのであれば、もっとその描写をきっちりと出して欲しかった。虐待そのもののシーンは確かになくてもいいかもしれないが、汚れたり、ボロボロになった衣服や身体でもなく森の中を逃げるシーンや、近所の人たちの「暴行されたんだって」の一言で済ましてしまうのであれば、物語の根底を為すにしては、感情移入するには物足りない。残された二人も友人としてそれなりに傷を抱えたのかもしれないが、一向にそれが感じられなかった。極めつけは、最後のショーン・ペン演じる「ジミー」の奥さんのローラ・リニー演じる「アナベス」の言葉・・・。「自分の主人を・・・」の件はわたしも多少そう思ったが、仮にも自分のいとこの夫が娘の件では無実であったにもかかわらず、自分の夫に殺害されたというのに、自分たちだけ幸せであればよいという『王様』発言には、衝撃を受けた。この奥さんのような考えの人とは絶対に知り合いにもなりたくない。 【チャコ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2005-05-16 15:42:42) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 いや~冒頭、3人の少年時代から引き付けられて最後まで夢中で見ましたよ。「真相はどうなんだあ~」ってね。これって映画には大切なことですよね。世の中にはつまらないと途中で見るのやめる人だっているんだから。でもね、あの最後はいけませんよ。ジミーもショーンもそれでいいんか?デイブの末路になんの意味があるんだ?まったくラストで台無しの作品でありました。 【カズゥー柔術】さん 6点(2004-11-03 00:40:30) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 子供の頃に受けた性的虐待は、その人の人生を一生奴隷にしちゃうんだな。 それにしても犯人は意外だったね。デイブ(ティムロビンス)ではなく 売春している子供二人だったとは・・・しかも殺人の理由が、銃で遊んでる ところを見られたので口封じの為とかしょうもない理由だったしwww ジミー(ショーンペン)の演技最高だった、親分肌役上手みたいだからアルパチーノ とかやらせれば絶品かもね。 でも 『I am Sam』のサムと同じ俳優さんだと 知って 今めっちゃ驚いてます ギャップ激し過ぎw^^; 【アキト】さん 6点(2004-08-31 16:12:40) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 ジミーの奥さんの最期の言葉に「お前は死ね」と思った。ジミーにも思った。強さって?弱さじゃん。私、ちょっと怒ってるみたい。実は途中うとうとしちゃったんだけど、怒りで目が覚めた。ジミーの首のクロスの入れ墨、デイブをさらった男の指輪と同じだった。 デイブは25年前に車に乗って連れ去られ、25年後にまた連れ去られてしまった。 この映画は伏線で成り立っている。それは監督の「どうだ!」と云う自己満足。なのにそれにのってしまった。 |