4.凶悪犯ビュイッソンを追うボルニッシュ刑事の姿を描いた作品、とくればいかにも典型的な刑事モノを想像しますが、実際に観て受ける印象は、ちょっと異質。犯人側と刑事側がほぼ均等に描かれていて、とは言っても『ダーティハリー』で映画の視点がハリー側になったりスコルピオ側になったりしたのがストーリー上の要請(要するになるべく盛り上がる描き方をしたらそうなった)だったのに対し、本作では、両者を並行して描くことそのものを主眼においています。で、ボルニッシュ刑事はあくまで常識人で、普通の人間らしく様々な感情を持ちつつもそれを抑制している。演ずるアラン・ドロンも比較的抑え気味で、どちらかというと彼を取り巻く人々との関係を主体的に描きながら、ボルニッシュ刑事自身の苦悩をジワリと表現してます。その一方で、ジャン=ルイ・トランティニャン演じるビュイッソンの、トンデモない冷酷さ。この男、殺人鬼としかいいようのない容赦の無さで、しかもただの無謀な乱暴者という訳ではなく、独自の行動規範と冷静さを持った男、要するに社会一般通念から見れば、規格外の怪物。身近にこんなヤツがいたら困りますが、映画として見れば、カッコいいのはボルニッシュよりもビュイッソン。そんな常識人と非常識人が対決するクライマックス、地味だけどシビレます。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-30 23:05:40) |
3.主演のアラン・ドロンの聴取担当刑事の力演を互角以上に渡り合ったジャン・ルイ・トランティニアン。「男と女」で見せた優しさのかけらの微塵もないほどの情け容赦のない冷血犯をが好演。この男ピアフの曲が好きというところはフランス映画らしくて面白い。 【白い男】さん [地上波(字幕)] 8点(2011-08-02 12:07:34) |
2.アラン・ドロンは私にとってやっぱり特別な人。いちばん最初に覚えた海外のスターです。中年になり渋さを増したこのころのドロンは最高。これは中学の時、友だちと見に行きました。当時はジャン・ルイ・トランティニャンのことは知らなかったけれど、印象に残りましたねえ。やはり潜伏先の食堂のシーンでは盛り上がりました。ピアノを弾くクローディーヌ・オージェの横に立ち、じっと聴き入るトランティニャン。たしか何か言葉を交わしたと記憶してます。一瞬人間らしさを取り戻したようないいシーンでした。昔は民放の洋画番組で、よくアラン・ドロンの特集をやってたっけ。BSあたりでそろそろこれを放送してほしいなあ。 【envy】さん 8点(2004-09-09 00:45:26) (良:1票) |
1.今どきの映画に比べると、テンポはゆっくりだし過激な描写が無いので退屈する人もいるかも知れない。私はアランドロンのファンなので、彼が出てるというだけで高得点です。この作品では、悩める刑事役を演じているが、さすがアランドロンといった感じでかっこ良い。画面に映ってるだけで、絵が締まる。こういった俳優、もう出てこないんですかねぇ。 【べんちゃんず】さん 8点(2004-04-20 02:10:03) (良:1票) |