9.観る人を極端に選ぶ映画。テーマがすごく精神の内面に向いたものであり、観る人の性格や人生経験、観るときの精神状態、周囲の状況等が感じ方にかなり影響するはずで、とてもセンシティブな映画ではないかと思います。一見するとイタリア映画特有の荒削りな展開のようでいて、しかし、ラストシーンに向かってストーリーの全てが凝縮していき、最後の瞬間、とてもとても深い虚空に不意に放り出されたような感覚に陥り、それまでのストーリーがすべて夢を見ていたかのように突然意味をなくしてしまう。この作品は、映画というメディアで文学的な表現がどこまで可能かという大きなテーマに正面から答えた傑作の一つだと思います。こんなの計算して作れる作品ではないので、映画製作という共同作業によって生まれたというのはちょっと奇跡に近いかも。 【あおやん】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-02-12 06:15:09) (良:2票) |
《改行表示》 8.《ネタバレ》 自分の世界でしか生きれない「男」の不器用さとそんな男を愛してしまった「女」の哀しさが見事に描かれた作品。 確かに、男という生き物は同時に二つのモノを手に入れることはできない不器用な生き物なのではないかと改めて思う。 そして、この映画ではきちんと一方のかけがえのない存在である「愛」を捨ててまでも得たいと思う世界が美しすぎるぐらいに描かれていた。なぜ海に潜るのか、特に説明もないし、そんな理屈などいらない。「そこに山があれば登るように」男たちは海に潜り続ける。そんな理屈では言い表せられない姿が非常に美しかった。また、同じ世界に生き、そして同じ世界を見ることが許された二人のライバルの「友情」も美しかった。 マイヨールがエンゾを海へ葬るシーンとマイヨールがイルカと共に海へ消えていくラストも脳裏から離れることができないほど美しすぎた。 さらに個人的に大好きなシーンは、女の一大事である妊娠をマイヨールに告げようとする際に、ちゃんと聞いてもらおうと思いあえてマイヨールのフィールドである海をその舞台に選んだにもかかわらず、しゃべる前にマイヨールがどこかに泳いでいってしまう姿が非常に興味深かった。二人の生き様の違いが見事に表現されていたシーンであり、あの場面でこの映画は傑作だと思った。 また、最後の深夜の海で発射するロープのようなものをジョアンナに渡し、ジョアンナが「私の愛をみてきて」と言うやり取りをみると、マイヨールも不器用ながらジョアンナを愛していたし、海へと送り出したジョアンナの愛の強さもうかがいしれた。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-06 03:33:19) (良:2票) |
7.日本チームはダチョウ倶楽部のノリでした。 【くまさん】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-05-17 03:47:21) (笑:1票) |
6.《ネタバレ》 母に捨てられ、父を目前で海に奪われ、自分の“居場所”を失ったまま大人になった“孤高の男”ジャックと大家族を持ち、家族の愛情を説く“俗人”エンゾのベタベタするだけではない友情が良い。その唯一心の許せた友人の最期(涙)を見届け、自分は“陸”では生きることのできないことを悟ったジャックは海へ・・・。『私(家族)はここ(陸)にいるのよ!』と必死に止めようとするジョアンナに海への引き金(?)を託すジャック。これは愛。『行って私の愛を見て来い』と引き金を引くジョアンナ。これも愛だ。この2つの愛の形で締めたエンディングが心に染みる。音楽も最高。唯一、長すぎるのが-1点。ああ、このころのベッソンは一体どこへ? 【いわぞー】さん 9点(2004-07-18 13:11:46) (良:1票) |
5.トイレにテレビが付いてたらいつも映像を流してたいですね。雑音も無いし映像もキレイだしなんとなくお洒落だしとなんか自分が排泄行為をしてることを忘れそうです。 【tetsu78】さん 8点(2004-07-04 04:00:46) (笑:1票) |
《改行表示》 4.これは、恋の物語。その対象は『海』。2人の男は『海』に恋をする。愛ではない、愛は分かち合えるが恋は違う...恋は支配される事。彼らは心を奪われ、精神の大部分を『海』に支配される。正に恋そのもの。 どんなに『人』に愛されようと、彼らの心は人魚に魅せられ、迎えてくれる事を夢見る。青い闇に親友を見送るジャックは更にその羨望を募らせる。精神を支配された彼の心を恋人は繋ぎとめることは出来ない。ただ、許してやることしか…。イルカに誘われて消えてゆくジャックの姿は神々しかった。 【MAZE】さん 9点(2004-06-14 00:14:33) (良:1票) |
3.人に凄いいいからと薦められて見た。何かよく分からなかった。けど、こういう男性を好きになる女の人の気持ちは何となく分かる気がする。でも絶対旦那向きじゃないよね。恋愛するならいいけれど。 【しずく】さん 5点(2004-03-15 19:40:49) (笑:1票) |
2.《ネタバレ》 主人公は人間の格好をしたサカナ。心はもう全く海に捧げている。陸のサカナはポツンとした存在で、海が恋しくて、狂おしいほど恋しくて、友が海で逝ってしまったのがまたやるせなくて、最後はとうとう海に消えていく。これを見た後の切なさはたまらなかった。魚や海になりきれない人間の「生」、そして彼がただ一人心のそばに置いた女性が、普通に泣いたり笑ったりするありふれた人間だったのも切ない。だけど「行って、私の愛を見てきなさい」と主人公を送り出す彼女はすごい。あの一瞬で聖母になった。あの方法で彼を解放した深い想いと迫力に、同じ女として脱帽した。書いていてまた切なくなってきた。 【のはら】さん 8点(2004-02-10 20:15:58) (良:1票) |
1.追悼ジャック・マイヨール。美しかったですが理解しがたくもあります。もう一度見てみたい気がします。寝室の場面で、初めは彼女におまかせだったジャックが、後半では積極的になっていた部分に成長を感じました。ちょっと不真面目発言?? 【junko】さん 7点(2002-03-18 16:39:10) (笑:1票) |