6.本や手紙といった文字の力、の話。一過性の救出運動があり、しかしそれはすぐに飽きられ、でも本は漂い続けて読まれるべき読者のもとに運ばれていく。そういう意味では希望の話だが、またこれは騒いでいたときに売れた本が真の読者に出会えなかったという苦みも含んでいるわけで。そして場所も歳も離れた者の間で手紙=文字が交換されていく。撒かれた希望の種としての書物。白人への憎悪が融けていくあたりは類型的だが、再審請求が何度も却下され希望を持つこと自体を恐れるようになるあたりはグッときた。D・ワシントンだと、最初っから無実に見えてしまうのが問題。いつも思うんだけど、アメリカの監獄の自由に電話できる権利って、どうして日本では許されないのか。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-09-20 12:09:43) (良:2票) |
5.独房の中にいると人間は哲学的になる。ボクサーという肉体労働者が知的な存在に変わる。生まれに起因する差別や偏見は正義の実現を妨げる。訴訟社会のアメリカでは、法的な正義よりも技術的な勝ち負けが争われることが多い。正義とは何か?もし同じ事が我が国であったとしても、同じような正義の実現が可能であろうか?ストーリーとしては地味ではあるが、じっくり考えさせられる作品である。デンゼルは肉体改造をして見事にボクサーを演じていた。少年との出会い、そしてお互いに人間的に成長する過程も素晴らしい。無償の弁護を続けたデビッド・ペイマーとハリス・ユーリンも味があった。もちろん、最後に登場するロッド・スタイガー演じる判事の怪演も見事。ただ、背景にある巨悪に対する描き方が中途半端に終わったことが残念ながら減点。 【オオカミ】さん 8点(2004-09-12 02:14:13) (良:1票) |
4.泣いた。しかも実話。 【ベルガー】さん [DVD(字幕)] 9点(2004-08-09 12:51:50) (良:1票) |
3.黒人って白人より10倍しんどい人生やなぁ・・・ 【モチキチ】さん 7点(2004-04-16 13:02:58) (笑:1票) |
2.これ、全部実話なんですか?もう、震えてしまいました。ルービンのあまりにも酷い人生、少年やその家族との出会い、愛。関わったからにはもう他人じゃないのよ!なボランティア精神…というより「友情」かな。言われなき罪を着せられ何十年と服役したのに「釈放」のあまりにも簡単なこと(=それまでの裁判の杜撰さ)…偏見やエゴイズムが人の人生を法を掻い潜ってまで滅茶苦茶にしてしまう恐ろしさ…実際、黒人に対してこういうこと多かったんだろうと思うと、ほんとやり切れないです。事実だとしても脚色だとしても、この作品ではいろんな事を考えさせられたし、大きな感動もいただきました。いい映画に出会えたと思います。 【桃子】さん 10点(2004-02-10 16:18:25) (良:1票) |
1.点数のほとんどはD・ワシントンに。アカデミーにもっともふさわしい演技だったのに残念!天才ボクサーとして試合のシーンなど本物の素晴らしさだし、長年の刑務所暮らしで人間として自己を高め、昇華していくのを演技力で見せるがいつもより以上に凄い。ボブ・ディランまで歌を作り冤罪を訴える運動が盛り上がったのに、どこがカナダ人たちと違ったかといえば、最初の活動がシュプレヒコールだけだったのに対し、カナダ人たちのは真実を明らかにする現実的な行動をおこしたことである。法廷は何より客観的事実を第一とする。新たな証拠、証言がなければ再審は難しいのだ。3人のカナダ人と少年、ラズローのハリケーンに対する友情の深さに感動する。彼らはハリケーンをただ無罪にしただけでなく、絶望のふちにいた彼に手を差し伸べ「人を信じる心」を取り戻し「希望の光」となったのだから。これが実話であることによけい感動をおぼえる。 【キリコ】さん 9点(2003-03-07 14:20:47) (良:1票) |