13.本や手紙といった文字の力、の話。一過性の救出運動があり、しかしそれはすぐに飽きられ、でも本は漂い続けて読まれるべき読者のもとに運ばれていく。そういう意味では希望の話だが、またこれは騒いでいたときに売れた本が真の読者に出会えなかったという苦みも含んでいるわけで。そして場所も歳も離れた者の間で手紙=文字が交換されていく。撒かれた希望の種としての書物。白人への憎悪が融けていくあたりは類型的だが、再審請求が何度も却下され希望を持つこと自体を恐れるようになるあたりはグッときた。D・ワシントンだと、最初っから無実に見えてしまうのが問題。いつも思うんだけど、アメリカの監獄の自由に電話できる権利って、どうして日本では許されないのか。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-09-20 12:09:43) (良:2票) |
《改行表示》 12.《ネタバレ》 最初の90分くらいが理不尽すぎて、ひきつけられながらも、フラストレーションが溜まります。後半までに尺を使いすぎたためか、ラストはかなりあっさり終わっちゃうのですね。実際の裁判なんてそんなものかもしれませんが、これは実話をもとにしていても『映画作品』。16年ですよ、16年。その重みをラストでもう一度感じるエピソードが欲しいものです。 なぜリサ・サム・テリー、そしてレズラ達は、今までの支援者達と違う結果を出すことができたのか。もしかすると、16年という歳月が、アメリカという社会が成長するために必要だったのかもしれませんね。そこに偶然居合わせたのが、その4人であった可能性はあると思います。 まあなんにせよ、ここまで理不尽な目に合わされ続けてきた人にとっては、希望を抱かさせることさえ残酷なことだと知りました。今回のケースは冤罪を晴らすことができたからまだ良かったが、もし連邦政府に提出した新証拠が認められなかったらと思うとゾッとします。 彼が希望を捨てるシーン。それは、妻に離婚を告げるシーンであり、レズラ達に面会・手紙の拒否を告げるシーン。それぞれに目頭が熱くなりました。 この事件を利用して出世した方々。デラ・ペスカ刑事だったり、当時の検事だったり、判事だったり。そもそも最初の裁判で陪審員が全員白人ってのも作為的なものを感じます。無実やアリバイを証明できる人たちは、劇中で明言こそされていませんが殺されている可能性すらあります。そういった病巣に対する社会的な責任の言及、罰が無い限り、本当の意味でのカタルシスを本作から得ることは難しいかもしれないです。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-03-23 01:32:48) (良:1票) |
11.《ネタバレ》 演出がうまいですねー。関心しました。序盤でルービンの話とレズラの話を交互に見せて、中盤で線と線を自然な形でつなげ、終盤の展開に持っていく。どっちにも感情移入できるし、しかも客観視まで容易にできるようにしてて、すげー。物語はノンフィクションですけど、人種差別と冤罪をごっちゃにしたらこうなるよね、って感じ。でも、獄中のルービンの姿には感情を揺さぶられまくりましたね。ずっと見ていたいと思うくらい。デンゼル・ワシントンすげー。一番すごいと思ったのは、終盤へ差し掛かる、ルービンが希望を取り戻すシーン。ガウン一枚であそこまで盛り上げるとは、すげー。すげー3つで星3つ。 【カニばさみ】さん [DVD(吹替)] 7点(2014-07-18 00:16:54) (良:1票) |
《改行表示》 10.《ネタバレ》 実話モノ。ということですが、 正直、嘘でしょ?と言いたくなるぐらいの人種差別の冤罪で22年も投獄されるハリケーン。 何年か前に、日本でも冤罪で、ずーーーーーーっと刑務所に入れられてたというケースもありましたが、 でっちあげで人の人生を狂わすなんざ、下衆の極み。しかも、たいてい冤罪に持ち込む奴らの言い訳ときたら、「もう後戻りできない」だのメンツがどうのとか、 本当に小さな理由で、よくも、まぁ、それを「裁き」と呼んだもんだ。 今作のハリケーンに出てくる田舎刑事の人種差別野郎が、この後どう失脚したのか、も描いて欲しいくらいの胸糞の悪さでした。 と、珍しく平常心を崩されるくらいのストーリーでした。 多少の脚色はあるんだろうけど、それにしても理不尽な目にあわされ過ぎ(苦笑 【バニーボーイ】さん [地上波(吹替)] 7点(2013-04-29 21:20:50) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 ボクシングの黒人チャンピオンが殺人の冤罪を受けて22年間の投獄生活。彼の無実を証明するためカナダ人たちが奔走。その熱い友情が実を結び、ブルドッグ顔のロッド・スタイガー演じる裁判長から無罪釈放を言い渡される場面は清々しいです。有り得ないような実話に基づいたドラマ、根深い黒人差別がその根底にあります。鍛え上げた彫刻のような肉体、苦悩の日々をデンゼル・ワシントン好演。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 6点(2013-04-06 23:29:44) (良:1票) |
《改行表示》 8.《ネタバレ》 冤罪事件そのものよりも、それを出世の手段にしてしまう人間の存在や根底に潜んでいる人種差別の姿に恐ろしさを感じてしまいましたね。そんな絶望的な状況の中でも鋼のような精神力で無罪を勝ち取った主人公の姿には感銘を受けましたし、そういった理不尽な状況を見過ごさずに彼を支援し続けた人たちの存在があったことは「まだまだ世の中捨てたものじゃない」という希望を持たせてもらいました。 ただ、たまたま主人公は救われましたけど、ひっそりと抹殺されかけている多くの「ハリケーン」達がまだまだこの世の中には多く存在しているのかと思うとぞっとします・・・・・。 【TM】さん [地上波(吹替)] 8点(2008-12-20 20:09:08) (良:1票) |
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7.《ネタバレ》 やはりハリケーンが捕まる前の話よりも、捕まってからの話の方にしっかり重点を置くべきだった。そうすれば、もっと良い作品になったと思う。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-02-08 21:29:12) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 エンターテインメントとしてのカタルシスは弱いし、ストーリー前半に時間を割き過ぎ。 カナダ人達の動機の描き方も希薄。 偽証や隠蔽工作を暴いていく過程も蛋白すぎるとは思う。 けれど、やはり実話である。 そして、正々堂々と戦って正義を勝ち取ることに意味があるのだと思う。 「冤罪で投獄された刑務所内でひたすら処世術を駆使し最後には脱獄して本当の犯罪者に落ちる」という某人気映画がもたらす感動がいかに軽々しいものであるか実感できる。 再三に渡る再審却下の憂き目に折れそうになる心を奮い立たせ、何度も立ち上がる男の姿。 物語はひたすら淡々と進むけれど、無罪の者が無罪を晴らす、これを本当のカタルシスというのだと思う。 【とっすぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2006-09-04 22:50:14) (良:1票) |
5.独房の中にいると人間は哲学的になる。ボクサーという肉体労働者が知的な存在に変わる。生まれに起因する差別や偏見は正義の実現を妨げる。訴訟社会のアメリカでは、法的な正義よりも技術的な勝ち負けが争われることが多い。正義とは何か?もし同じ事が我が国であったとしても、同じような正義の実現が可能であろうか?ストーリーとしては地味ではあるが、じっくり考えさせられる作品である。デンゼルは肉体改造をして見事にボクサーを演じていた。少年との出会い、そしてお互いに人間的に成長する過程も素晴らしい。無償の弁護を続けたデビッド・ペイマーとハリス・ユーリンも味があった。もちろん、最後に登場するロッド・スタイガー演じる判事の怪演も見事。ただ、背景にある巨悪に対する描き方が中途半端に終わったことが残念ながら減点。 【オオカミ】さん 8点(2004-09-12 02:14:13) (良:1票) |
4.泣いた。しかも実話。 【ベルガー】さん [DVD(字幕)] 9点(2004-08-09 12:51:50) (良:1票) |
3.黒人って白人より10倍しんどい人生やなぁ・・・ 【モチキチ】さん 7点(2004-04-16 13:02:58) (笑:1票) |
2.これ、全部実話なんですか?もう、震えてしまいました。ルービンのあまりにも酷い人生、少年やその家族との出会い、愛。関わったからにはもう他人じゃないのよ!なボランティア精神…というより「友情」かな。言われなき罪を着せられ何十年と服役したのに「釈放」のあまりにも簡単なこと(=それまでの裁判の杜撰さ)…偏見やエゴイズムが人の人生を法を掻い潜ってまで滅茶苦茶にしてしまう恐ろしさ…実際、黒人に対してこういうこと多かったんだろうと思うと、ほんとやり切れないです。事実だとしても脚色だとしても、この作品ではいろんな事を考えさせられたし、大きな感動もいただきました。いい映画に出会えたと思います。 【桃子】さん 10点(2004-02-10 16:18:25) (良:1票) |
1.点数のほとんどはD・ワシントンに。アカデミーにもっともふさわしい演技だったのに残念!天才ボクサーとして試合のシーンなど本物の素晴らしさだし、長年の刑務所暮らしで人間として自己を高め、昇華していくのを演技力で見せるがいつもより以上に凄い。ボブ・ディランまで歌を作り冤罪を訴える運動が盛り上がったのに、どこがカナダ人たちと違ったかといえば、最初の活動がシュプレヒコールだけだったのに対し、カナダ人たちのは真実を明らかにする現実的な行動をおこしたことである。法廷は何より客観的事実を第一とする。新たな証拠、証言がなければ再審は難しいのだ。3人のカナダ人と少年、ラズローのハリケーンに対する友情の深さに感動する。彼らはハリケーンをただ無罪にしただけでなく、絶望のふちにいた彼に手を差し伸べ「人を信じる心」を取り戻し「希望の光」となったのだから。これが実話であることによけい感動をおぼえる。 【キリコ】さん 9点(2003-03-07 14:20:47) (良:1票) |