5.あのお魚のラブホテルはすごい!行ってみたい。 それはともかくとして、あえて2人のセックスシーンに時間を割いたのは、恒夫は「障害者の女性」を愛したのではなくて、「女」を愛したということを伝えるためだったと思います。 恒夫は同情で障害者のジョゼを好きになったわけではなく、つまり多くの男性が「ふつうの女性」を好きになるのと同じように恒夫も、ジョゼという女性の体と心を求めていた。 とても自然なことで、すんなりと、この特殊な恋愛に入り込むことができるようになっています。 そしてジョゼの偉いところは、歩けないという事実を素直に受け入れていることだと思います。けっして愚痴を言ったり健常者に嫉妬したりしません。 それに比べ健常者の私たちは、「自分が持っていないもの」を持っている人を見ると嫉妬したり不満を感じたりします。自分よりも出世している人間や、お金を持っている人間、または自分よりも愛されている人たちをみて、「ああ、自分は何も持っていない。なんて不幸なんだ。羨ましい」と嘆いたりすることもあるのでは? ジョゼは生意気な女性ですが、あるがままの自分を受け入れて生きている。とても尊敬できる女性。 「障害者なのに、男に捨てられた」と思うのは、ある意味で健常者の驕りなのではないでしょうか。 彼女をみて「自分が持っていないもの」を悲観せずに「いま自分が持っているものだけ」を素直に喜べる姿勢に強く共感しました。 【花守湖】さん 9点(2005-03-05 01:31:48) (良:2票) |
4.きたないものや、目を背けたくなるものを、隠すわけでもなく、美化するでもなく、そのまんま描いている作品。すごく日本的なのだけれど、ヨーロッパ発のミニシアター系にあるような雰囲気を帯びていて、素晴らしい作品だと思う。こういった映画が日本で作られたことはすごいなと思うし、池脇千鶴も妻夫木聡も、自然な演技でちゃんと上手で、ああいい俳優だなと思う。 【ともとも】さん [DVD(邦画)] 9点(2009-04-05 20:35:49) (良:1票) |
3.『妻夫木の映画は糞映画』 これは僕が信じて疑わないありがたい格言だったんですけど、 まんまと格言が覆されることとなりました。 この作品は久し振りにガツンと来る良質な恋愛映画でした。 冒頭、朝食のシーンでの玉子焼きがほんとに美味しそうで、 庶民派の僕としては、これだけで充分に満足な感じだったのだけど、 ここに池脇千鶴が被せてきた台詞が圧巻だった。 『サルモネラや』 この時点で僕の格言が音を立てて崩れていくのを感じた。 後はもう名台詞のオンパレードで、 このセンスはどこからやってくるんだろうと脱帽するしかなかった。 しかも、これに対抗する上野樹里がまたいい女で、 顔と体で池脇千鶴を圧倒しているのは一目瞭然だが、 若いのに福祉に興味があるなんて性格美人の側面を併せ持つ完璧超人と来たもんだ。 これはもう勝ち目が無いはずなんだけど、そこは映画の魔法である。 見事に勝者と敗者の入れ替わるファンタジー。 現実には絶対にあり得ないけど、 もしかしたらあるかも知れないと思わせるペテンの巧さ。 ここまでやったら最後まで妄想物語を貫いて欲しかったけど、 最後には現実に突き落とす残酷さがまた良かった。 それでも、涙脆いこの僕が泣かなかったのは、 何か希望のようなものを感じるラストだったからかも知れない。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-02-02 12:46:06) (良:1票) |
2.極めてリアル、だからこそ切ない。正直な演出。田辺聖子のごく短い原作小説をふくらませて、これだけの鋭く鮮烈な物語に仕上げた脚本の渡辺あやも見事。 【NIN】さん 9点(2004-12-13 15:40:03) (良:1票) |
1.熊野で精進料理を作っていると思ったら、滝沢君とラブラブしてたり、今度は乳母車に乗ったけったいな女の子ですか。千鶴様、あんた、「ほんまもん」の女優になりはったな。 佐内氏の写真さながらの浮遊感のある映像、効果音の憎い使い方、くるりの演奏もベストマッチ。ジョゼの後頭部での演技と大根切りの音響が心に残ります。久々に爽やかな邦画にめぐり逢えました。 【つむじ風】さん 9点(2004-01-24 01:26:40) (良:1票) |