7.鑑賞後、沈思黙考・・。やはり恒夫がジョゼと付き合ったのは、多分に不遇な生活への同情や興味にあったのは否めないと思います。しかしその生活を共にするのは並大抵なことではなかった。女性に困らない恒夫がジョゼと離れてしまうのは自然の成り行きといえばそうだったと思います。そしてジョゼには楽しい思いをさせた後にまた突き落としてしまうことになる。恒夫のように、人は成長過程で自分で気付かなかったタテマエを剥がされ,本当の心と対峙しショックを受けることが少なからずあると思います。自分の発見です。そこで泣き崩れたのであると思います。この話は残酷だが、ジョゼには芯の強さやまた新しい彼が見つかるのではと想像できるくらいの魅力がある。そこが救いとなっている。余談だが、和食(特に質素な)を料理する女性の姿は美しい。 【チューン】さん 8点(2004-10-14 02:02:06) |
6.ジョゼを捨てた恒夫を酷いと思いつつも妙にリアルで切なくてやりきれない気持ちになりました。でも後味は悪くないです。道端で号泣した恒夫も、車椅子で颯爽と街を走り抜けるジョゼも人間としてひとまわり大きくなったと思います。妻夫木君は共感できる大学生を、池脇千鶴は難しい役どころを体当たりで演じていてすばらしかった! 【ジョナサン★】さん 8点(2004-10-09 16:51:08) |
5.恋愛という場において、男性が時として陥る本能と理性の葛藤を妻夫木が、女性が持つ芯の強さと時折顔を出す弱さを池脇が共に好演していて、鑑賞後に何とも言えない余韻に浸らせてくれる。 恒夫が最終的にジョゼではなく香苗を選んだことによって、お涙頂戴の、ただ綺麗事を押し付けがましく並べただけの作品にならなくて、個人的には良かったと思う。 しかし、犬童監督はこの難しく複雑なテーマ(健常者と身障者以外にもう一つ…)によくぞ挑んでくれた、と感心した。 【なおてぃー】さん 8点(2004-09-22 02:37:36) |
4.ラストの恒夫の号泣、あれがどうにもいただけない。原作と比較するのはあまり好きじゃないけど、やはり監督が男性ってことで、ああいう描写になったのかなあ。ジョゼと別れる事になってもやはりジョゼの事は好きなのだ、だから泣いたのだ、ってことなのか?恒夫を酷い男に思わせないための言い訳のように思えるな。と、まず先に文句を書いてしまったけど、その他についてはすごくいい。特に池脇千鶴は本当にいい演技をしたと思う。話自体はフツーのラブストーリーだけど、主役の2人と、その他の濃ゆい共演者らのおかげで、恋愛物が基本的に苦手な私でも十分に楽しめた。蛇足だが、SMについて執拗に出てくるけど、やっぱり何かの伏線だろうか?恒夫はジョゼに言葉で詰られているのを楽しんでいたように見えるからMってこと?それとも立場の弱い女性に惹かれるようなのでちょっとSの気があるのか?そこらへんハッキリして欲しい。 【ばたあし】さん 8点(2004-08-30 16:15:38) |
3.《ネタバレ》 最後、別れに至る2人のシーンはほとんど描かれず、セリフに暗示されるだけになっている。「僕が逃げた」。観終わった時は一番重要なところが描かれてないやんけ!と思ったのだけれど、後から考えると、この部分はこれで良かったような気もしてくる。 かなり胸の痛い映画。甘酸っぱさというより、かなりのしょっぱさ。恋愛ってきっとそういう物なんだろう。多くの人が、この映画を観て恋愛を振り返るのだろう。 恒夫のキャラはイマドキの男とはいえ、あまり共感できない。これは女性もそうなのでは?なんて言ってるうちは私もまだコドモなのか・・。 ジョゼを演じた池脇千鶴の好演。心地よい大阪弁も良かった。ただ、脱がなくて良かったのに・・と思ってしまう。セミヌードでいいじゃん。あのシーン、意味あったのだろうか? 【ムレネコ】さん 8点(2004-02-21 14:01:54) |
2.アイドル映画だと思ってブッキー目当てに劇場へ出かけて・・・参りました。悪意すら感じるシビアな設定(ヒロインのハンディと環境)と、抑制の効いた絵と音楽に乗せてしっとりと展開するロマンス。結末も地に足が着いていてあれでよかったと思います。掘り出し物です! 【足利桜子】さん 8点(2004-02-20 08:04:26) |
1.《ネタバレ》 見終わった直後は,割といい映画だったとは思ったもののどこか釈然としないものがあった。それは,やはり二人の恋愛の結末。 しかし,この映画は,また前の恋人とよりを戻した恒夫の行動の是非を問う映画ではもちろんない。「野生の王国」のように撮ってもらうよう監督にお願いしたという脚本家の言葉から分かるように,恒夫の行動がいいとか悪いとか,そういうことではなく,かつてそういうものとして存在してしまった、人生の中のひとつの季節を描きたかったと思うのだ。発想が少し飛躍するが,人は少年から青年になるとき,かつて遊んでいた公園などの場所を訪れるものだという。別れを惜しむということとはちょっと違う,かつて確かにそこに存在していた時間への思いともうそこには決して戻ることはできないという諦念。・・・そういう意味ではラストの恒夫の号泣にはすごく納得がいった。こんなにリアルで残酷な恋愛映画はあまりない。 【のり】さん 8点(2004-02-05 09:54:57) |