4.これはロード・オブザ・リングと同じように全巻まとめて1つになる作品なので、長いけれど通しで見るのが望ましい。やはり10時間近くかかるので体力と気力がないと見られない。それでもこれはぜひ見て欲しい日本映画の良心ともいうべき作品。私はまだそいう元気のあったかなり昔、オールナイトで鑑賞し今でも忘れられない感動を受けた。日本が満州に進出した時代、現地中国人に対しての非道な悪行や軍隊という暴力的な集団を描き、その残虐で悲惨な描写に心底恐ろしく背筋の凍る思いがした。人間性を失った軍人たちの中で一人、良心を失わず抵抗する主人公の梶の姿が尊い。涙なしには見られない傑作。 【キリコ】さん 10点(2004-01-15 17:35:12) (良:2票) |
3.小林正樹監督が五味川純平の戦争文学を映画化した6部作、上映時間の合計が9時間半という超大作の第1部。本当にこれは日本映画なのかと思うくらいに日本人による中国人捕虜に対する迫害がリアルに描かれていてビックリ。捕虜たちに対し非道な扱いをする現場監督 岡崎役の小沢栄太郎や所長役の三島雅夫の演技も憎々しく、「シンドラーのリスト」ほどではないが、それに近いものを感じてとても重苦しく辛かった。でも、普通、日本の戦争映画ではまず取り上げないような日本人の負の歴史を目を背けずに真正面から堂々と描いているところは感心させられる。下にも書いておられる方がいらっしゃるが、この第1部だけでもじゅうぶんに見ごたえがあるし、傑作だと思う。あと5作、たぶん回が進むにつれて重苦しさが増して来るんだと思うけどぜひ最後の第6部まで見てみよう。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-05-27 14:29:23) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 人間の條件というタイトル以上に日本人による日本人批判が目を引く作品。何のためらいもなく捕虜を殴る日本人を堂々と描いている。こんなシーン他ではお目にかかれないと思うのでそれだけでも評価できる。そして、タイトルでは第一部純愛篇とあり、梶の奥さんはなんて素晴らしい女性なんだと思わせてくれたのだが、やはりこのタイトル以上のものが目立っており、純愛篇と一口に言えるものではないと思う。それでも、支配と暴力、正義に嘘など戦争という状況をうまく描き、これ一本だけでも非常に見応えのある作品だと思う。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 9点(2008-02-08 23:30:34) (良:1票) |
《改行表示》 1.日本の戦争映画といえば、”悲劇”をテーマにしたものが多いように思っていました。小学校の時の戦争教育で”悲劇”をテーマにした戦争映画を多々見せられたり、テレビの戦争ドラマでも悲劇的な部分のみを扱った作品が多かったからそんなイメージが植えついたのだと思います。 しかし、この映画はいきなり日本の侵略部分を描いているではありませんか!なんといってもそこに惹きつけられました。特に第一部では、特殊工人が運ばれてくるシーンがすごかった!!粗暴な軍人たちの中で人道を貫こうとする主人公梶、かなり複雑な気持ちになりました。 もちろん、南京大虐殺のようなものは中国共産党の嘘八百のプロパガンダなんだろうけど、シナ大陸への進出や差別は間違いなく事実。個人的には「中国侵略は自存自衛」と言い張る保守論壇の言い分にはちょっと疑問があったりもします。 ただ、逆にこの映画を見た人が左翼的な「日本は侵略して悪いことをした」という安易な考えには走ってほしくないです。 【maemae】さん [DVD(字幕)] 10点(2006-09-26 02:46:30) (良:1票) |