9.主人公と同年代ということもあり、自分の28年前を重ねながら胸を熱くしました。 「なごり雪」というテーマにこだわり、歌詞を台詞として語らせているのは、意識的にそうしたのでしょう。不自然な言い回しが、却って心に焼きつきました。歌に綴られた情景は映画の展開とうまくかみ合い、ヒロインの名前や雪へのこだわりも作者の優しさだと思います。 青春の思い出は一生の宝もの。しかしその断片に触れることは幸福なのだろうか、それとも… 【ちくわ】さん 9点(2005-01-30 21:44:46) (良:2票) |
8.フォークソングのヒット曲「なごり雪」(伊勢正三 作詞・作曲・唄)をモチー フに、28年前のノスタルジックな風情を残す町「臼杵」を舞台に繰り広げられる 切ないラブストーリー。大林監督の生み出す独特な映像の美しさと唄のモチーフ、 がうまくミックスされ、忘れかけていた日本的良さを呼び起こしてくれる。 あまり実績が無いと目される美少女女優たちを配しながら、その表情を叙情的な 風景に 違和感なく溶け込まして映像にする大林マジックがすばらしい。 28年前のヒロインをみごとに演じる須藤温子さんの演技力も光る。 興行的にはあまり期待ができない企画でありながら、あえて挑戦的に失われたも のへの回帰を追求する大林監督にエールをおくりたい。 【サラウンダー】さん 9点(2004-01-17 22:08:33) (良:2票) |
7.《ネタバレ》 中年男のノスタルジープラスセンチメンタル妄想炸裂映画決定版!!出てくる少女たちの造形が、いかにも年かさの男性が頭で考えたような「聖少女像」って感じ。1974年という時代背景を差し引いても、その点はちょっと割引しなくてはいけません。けど、自分は昔っから大林監督が描くこういうセンチメンタリズム、嫌いじゃないんだよなあ・・・むしろ大好き(汗)同じ伊勢正三の曲をモチーフにした、ホラー調?の「22才の別れ」(4点)より、ずっとこっちの方が内容的にも見ごたえがあり、大林監督の演出や映像感覚も冴えていると思います。主人公よりも親友の方が、ずっと人間としても男としてもいいヤツなんですよね。何度か出てくる臼杵駅プラットホームのシーン、出迎えてくれる親友にいっつも当たり前のように荷物を運ばせるんですよ。この主人公って。たいして重くもなさそうな荷物なのに。普通ならわざわざ迎えに来てくれた友人に「いいよ、いいよこれ軽いしオレ持つから」って断るのが筋だと思うんだけど・・・。ここに主人公の独善的な部分というか、自分の事しか考えてないエゴイストな部分が一番巧く出せていたと思います。中年男が頭でこしらえたようなヒロイン像(歳を重ねた老いた姿を画面にみせない)、主人公にイマイチ人間的魅力に欠ける点、往年の大女優津島恵子さんをせっかく出演させているのに画面に出しているだけで殆ど見せ場を与えていない(「時かけ」では上原謙&入江たか子のご両人にちゃんと芝居をさせていた)以上、気になる三点を引いて7点。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-02-28 22:19:27) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 うわぁ~平均点低いなあ!これははっきり言って駄目な人には全く受け入られない世界だろうけど、大林宣彦監督作品が好きな人には受け入れるだけの力を持った作品だと思う。確かに皆さん、指摘の通り、台詞回しも変だし、棒読みではある。しかし、これはそんなことをああだこうだと文句を言うような作品ではないと声に出して言いたい。甘くて切ない大人のためのファンタジー映画なのだ!大林監督らしい美しい映像、昔の日本映画にある匂いとでも言うのか?作品全体に漂う甘い雰囲気、その甘さこそ大林宣彦ワールドなのだ!そして、単なる甘いだけの作品ではない。甘さの中にある緊張感、サスペンス映画のような雰囲気と狂気が入り混じった。更には大林映画を語る上で絶対に欠かすことの出来ない少女の魅力、見ている私でさえも何だか恥ずかしくなるような少女趣味、そう、その少女趣味的、何と言うのが正しいのか?大林監督のロリコン的要素がずしりと詰まった危ない雰囲気、ここにどういう訳かいつも観ていて不思議と惹かれるものがある。この映画では主人公の昔の恋人で親友の奥さんでもある雪子の若き頃を演じている新人須藤温子という女優が素晴らしい。彼女の見せる一つ一つの仕草、笑顔に涙、この映画を支えているのは間違いなく彼女(須藤温子)である。タイトルの「なごり雪」にもある「雪」がこの映画の大きなキーワードでもあり、三浦友和演じる主人公とその友人ベンガルの少年時代の回想シーンの中で二人に雪を降らせてみせるシーンはこの映画の中でも一番の名場面!同じ伊勢正三の名曲を映画化した「22才の別れ」はいまひとつ乗れなかったけど、こちらは乗れた。やはりその最大の理由はやっぱりこの映画の中の須藤温子というこの当時の新人が素晴らしいから!こんなにも素晴らしい若手の女優さんをその後、生かしきれずにいる現在の日本映画に一言、言いたい。ただ可愛いだけじゃ駄目だと!この女優さんは可愛いだけでなくきちんとした芝居を出来る素晴らしい女優だ!そういう女優を見事に抜擢して見せた大林宣彦監督はやはり素晴らしい監督さんです。誰が何と言おうとこれも私の中では大林宣彦監督の代表作として評価したい。 【青観】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-11-17 23:26:18) (良:1票) |
5.棒読みや、そこまでいかなくても硬いセリフ回しは何らかの芸術的表現手法なのだろうか。バイクの転倒事故くらいで、顔中包帯でぐるぐる巻きというのは、ミイラ男か何かのパロディなのだろうか。。。。。。。まぁ、彼女を思い出の中の存在に押し込めておくための方便なのだろうが、しかしネェ、雪子がその後も祐作に恋し続けていたなんて、ずいぶん一人よがりな空想なんじゃなかろうか。その甘ったるい感傷に浸るためには、雪子に口をきいてもらっては困るわけだ。思うに、雪子にとっても祐作は思い出の一つに過ぎなくなり、生活に埋没していったはず。(女って、男と違ってずいぶん現実的だからなぁ。) 【駆けてゆく雲】さん 5点(2005-02-09 21:58:52) (良:1票) |
4.かつてニューミュージックと呼ばれたジャンルの名曲、「なごり雪」をモチーフとした大分県臼杵市のご当地映画は、とにかく最初から最後まで目も当てられない程の酷い出来。まず、オープニング・タイトルにいきなり伊勢正三の弾き語りを持ってくるアホさ加減(これは歌を知らない人に対するサービスのつもりか?)。そして、通常の映画の5倍はあると思われる台詞とナレーションの量(「CASSHERN」以上に何でもかんでも喋って説明)。その台詞も、歌詞をそのまま引用した部分を始め、不自然この上ないものばかり。これは演技力云々以前に、こんな台詞を喋らされた俳優に同情すべき。クランク・インする前に、誰か脚本をチェックする人間はいなかったんでしょうか? 大林宣彦自身もこれで満足なんでしょうかね? 2点献上。 【sayzin】さん 2点(2005-01-19 00:16:13) (良:1票) |
3.イルカの歌った「なごり雪」は、東京で大学生活を送った女の子が故郷に戻る設定だと思っていたし、それに間違いないと思うのだが。大林監督が臼杵の風景を撮ろうとして、無理しているように思う。だいたい、この監督の作品は平明でメリハリがない。せりふも長くて、抑揚のないしゃべり方で感情移入できない。それでも、若手俳優たちはよく頑張っていたように思う。ベンガルはもっと役つくりをしないと、だめ。というか、ミスキャストだと思う。冒頭シーンの伊勢正三の声に艶がなくなっているのが、むしろこの歌が流行していた時代との時の隔たりを感じてしまった。最後に、臼杵駅の設定になっている駅。アレはどこの駅なんでしょうか。臼杵は瀬戸内海に臨む海辺の明るい町なのに、駅は山の中か。 【ジブラルタの星】さん 3点(2005-01-15 02:00:31) (良:1票) |
2.おかしなセリフ回し、芝居がかった演技、何がしたかったのか疑問を感じるばかりで物語には遂に入り込めないまま終わってしまった。 【亜流派 十五郎】さん 1点(2004-09-26 16:53:00) (良:1票) |
1.これは去年、映画館で観ました。ちょっぴり切なくて観終わってからジーンとくる、大林監督らしい良質のドラマでした。須藤温子演じるヒロインが窓から紙の雪を降らせるシーンがとても印象に残っています。三浦友和とベンガルの名優2人も哀愁漂う素晴らしい演技で、物語に一層の深みを与えていた。伊勢正三の「なごり雪」が流れるたんびに泣きそうになった。 【きのすけ】さん 8点(2004-05-01 09:09:43) (良:1票) |