6.《ネタバレ》 内容を超えて“その映画の持つ意味”で語られる作品が存在するワケですが、間違いなく『リング』もソレですね。“貞子”というビュジュアルの発明(正確に言えば日本古来の「幽霊」のスーパーバージョンアップ)、“不吉”という感覚を見事に映像化した「呪いのビデオ」の完成度など、まさに後にハリウッドにまで殴り込みをかけた“Jホラームーブメント”の起爆剤と言ってイイでしょう。
個人的に最高にイヤな場面(イイ意味で)は、ビデオを見た後にかかってきた電話の“受話器の向こう側に感じる凄くヤバい空気”の表現。ハリウッド版が「セブンデ~イ」なんてコトをやっちまってるのを見るにつけ「やっぱアメリカ人には、ソコんトコが分かンねえのかなぁ~」と思うのですよ…。
ちなみに…俺はテレビから出てくるシーンは実は全然怖いと思わなかったンです。“怖さ”が急にハッキリ&クッキリしちゃったカンジで。それまでの“よく分かんないけど怖い”感覚の方が「恐怖の心霊写真集世代」の俺には怖かったなぁ… 【幻覚@蛇プニョ】さん [DVD(邦画)] 8点(2012-08-16 09:19:43) (良:4票) |
5.友達と平日のレディースデイに観に行ったら、見事に貸切でした。テレビのみならず、スクリーンからも貞子出てきちゃうんじゃないかと思った。テーマソング、始まる前に流れてた時は意味解らなかったけど、終わったあと聞いたらマジで泣きそうでした。♪きっと来る~・・・って・・(泣)・・・っていうか、アレって、テレビが高い台の上とか置いてあったら、貞子大変だよな・・・。学校の教室のテレビだったら、貞子急直下だよ(笑) 【plala*】さん 8点(2003-12-28 00:08:10) (笑:3票) |
4.原作とのギャップがかなりあるので、原作=映画で考えると ちょっと残念感は否めませんが
この映画「怖くない」そんな意見も多いけれど 私は邦画ホラーでナンバーワン怖かった!
ミスキャストとかは、もうどうでもいいです。
ディティールが怖い。 高山竜司が布をかぶってテレビにちょびっと映るとか 一瞬のこと、みたいのが怖い。
下を向いていたら、足だけ視界に入ってくるとか。
貞子シーンはやりすぎてて、ひえ~とはなんないけれど 全体的な色めとか、暗い感じとか 最初のシーンで夏の夜を感じさせる音の演出とか テレビから聞こえる野球の声とか
そういう普通のシーンが何かイヤ~な感じで感じられる。
そういうとこが怖かったです。 【umeno】さん [映画館(邦画)] 8点(2011-01-01 15:47:56) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 あれから18年。すっかりこちらのテレビも薄くなっているわけで、どうにも埋めがたい気持ちの隔たりと、ちょっとした申し訳なさを感じないわけにはいかない。映画の印象もずいぶん変わった。貞子の服やパーマ、こんなにきれいだったかなあ?子供時代に感じた、お化け屋敷な印象はきれいさっぱりなくなった。ホラーらしくない落ち着いた映像と趣味の良い美術、素朴な演技などは今だからこそ共感できる部分も多い。
思えば、テレビは一家だんらんの明るい象徴だった。それが核家族化により一家に一台からひとりに一台へ、お茶の間から個室へと移り変わる。ちょうど当時としてはテレビの存在が、暗闇を映す鏡のような異世界へのチャンネルとしての魔術性を帯び始めた頃合いだったのかもしれない。
「呪いのビデオを見ると一週間後に死ぬ」ホラーの題材としては一見子供っぽく感じる。しかし観客の気持ちをしっかりとつかんで離さない重厚な雰囲気づくりは見事だ。
私たちは、これ以上深入りしてはいけないような禁忌と、それでいて行かなければならないような使命感の狭間に揺れる。聞こえるのは深い井戸に眠る貞子の呼び声だろうか。貞子の登場は最後だけなのに、ずっと画面に気配が感じられるのはそのせいなのかもしれない。
ビデオの呪いを解くために手がかりを探る主人公たち。彼らはその過程で博士と志津子の悲しい関係を知る。まったく無関係な二組の夫婦だが、共鳴し、引き寄せ合うように、彼らの記憶は少しずつ重なりあっていく。
過去と現在。ふたつを結ぶトンネルの最も奥深くに彼女はいた。髪は抜け肉はドロドロに腐り落ちている。しかし不思議とそこには「恐怖」がない。玲子をここまで突き動かしてきたのは「呪いを解きたい」「まだ死にたくない」という、いわば自分勝手な動機だった。だがもはや玲子の表情に恐怖や焦りの色はない。大切な何かを思い出したかのような安堵が広がっているだけである。
まったく見ず知らずの間柄だった玲子と貞子。「他人なのに他人じゃない」今はそれがはっきりわかる。ずっと探し求めてきた貞子の亡骸を愛おしそうに抱きよせるシーンは、まるで赤ちゃんの出産場面を見ているかのようで感動した。 【月の】さん [地上波(邦画)] 8点(2016-08-27 21:04:41) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 約8年の歳月が経った今でも『貞子』の名前は多くの人の記憶に残っている。これってスゴいことです。 ホラー映画って、興行収入や制作費などの『記録』ではなく、いかに『記憶』に残るかが名作としての絶対条件だと思うのです。
8年前に初めて「リング」を見た時、私の心は恐怖と感動でいっぱいでした。 若かったからかもしれないですけど、これほどの緊張感と恐怖心で支配されたジャパニーズホラーは、その時の私には初めての経験だったのです。だからこそ、恐怖を超越してある種の感動を覚えてしてしまったのです。
で・・・でも、やっぱり貞子こえぇ~っす(泣) 鑑賞後の夜、お風呂から出てきた時に独りぼっち&部屋が真っ暗だと怖いから、パパンに起きて待っててもらったのは良い思い出です(夜中の2時)。
<2020年10月:点数を7点→8点へ修正> たまたま見る機会があり10数年ぶりに鑑賞しましたが、これは本当に名作ですね。よく出来てるなぁ…と改めて嘆息が出ました。 ジャパニーズ・ホラーの原点って、やはり「水」なのかな?と思ったりしています。 水というか、ジメジメヌメヌメした梅雨時のような、あの肌にまとわりつくようなベッタリした不快感です。汗なのか湿度なのか判らない、あの不快指数100%のようなじっとりした肌感覚です。その言い知れぬ不快感が「リング」からは常に漂っていて、見ているうちにいつの間にかしかめっ面になってしまうんですよ。 しかしこうした不快感を恐怖として変換・認識できるのも、日本という海に囲まれた島国で育った日本人特有の感覚なのかもしれません。土着信仰も大いに影響しているように思います。
かつては幽霊と言えば「お岩さん」を思い浮かべる日本人が大多数だったにもかかわらず、今日では「貞子」がその地位を取って代わり、確固たるものとしています。この作品がジャパニーズ・ホラーの代名詞として一つの文化を作り上げたのは、紛れもない事実でしょう。 ところどころに粗はあるものの、封切りから20年以上経っても色褪せない良い作品だと思います。 【港のリョーコ横浜横須賀】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-08-16 10:02:53) (良:1票) |
1.ミステリー(?)みたいに一つ一つ謎を解きながら進んでいく原作が好きだったので、映画版の諸々の改変があまり好きでは無かったです。が、最近になって映画全体の雰囲気を考えると、これでよかったのかなと思うようになりましたが。さらに最近になって、ようやく思った事(遅すぎる?)。この映画、ビックリするくらい「ベタなネタ」だけで構成されてますね。脱帽です。大ネタがまず「不幸の手紙」なのは言うに及ばず。黒髪の美しい女の呪いだとか、女子高生たちのうわさ話(それがなんと本当なんだよ!)とか、若者たちがイタズラ心半分で足を突っ込んだおかげで大変な目に遭ったり、その現場は昔いわくつきの井戸があったり、幽霊から無言電話がかかってきたりと、ビックリするくらい典型的な怪談ネタばかりです。原作では、主人公がタクシーの運転手から偶然話を聞くことで物語が動き始めます。タ、タ、タクシー運転手って!「タクシーの運ちゃんから聞いたんだけどさぁ・・・」そんな話だれが怖がるかよ!・・・・・・なのにこの映画、大のオトナも夜トイレにいけなくなるくらい怖がらせた凄い作品になってしまいました(逆に怖くないという人の評価も分かる)。原作そのものの持つ力だけではなく、映像全体の演出がすばらしいからこそ出来たのでしょう。貞子なんてちっとも出てこない日常の場面でも、「人を不安な気持ちにさせる”なにか”」が常にどこかに紛れ込んでいます。映画を見ているのに、こちらが”見られている”ような気までさせられます。なんだかんだで大絶賛です。チクショー。 【ゆうろう】さん [DVD(邦画)] 8点(2001-08-30 09:48:14) (良:1票) |