8.《ネタバレ》 「誰か君と同じくらい愛せる女性がいたらすばらしいと思わないかい?」とモーリスから離れたクライヴだが、妻のアンを心から愛せたのだろうか。ラストのクライヴを悲しそうに見つめるアンの表情が気になります。一方、モーリス、みなさんのレビューのように、彼は本当の「愛」を見つけたのだろうか、スカダーとの関係は「愛」や「恋」とは少し違った、自暴自棄にも似た関係のように思えるが、スカダーが乗船しなかったことに対してもらした微笑は安堵からだろうか、しかし、「スカダーと関係を持つことにした」とクライヴに報告に行きます、あてつけもあるのではないかと推測しました。風景が美しいほど切なさが増します。ところで、本作は〇タヤでは廃盤になるそうで、レンタルがままなりませぬ、BSで見られて本当によかったです。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2012-07-02 11:32:31) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 ケンブリッジの青春。 E・M・フォースター×アイヴォリー第2作。 死後出版されたフォースターの小説の同性愛と階級意識に主眼を置き、異性より同性に惹かれるモーリスの二つの関係、それぞれ三つの違う階級に属する青年たちの思いを描く。 ジェームズ・ウィルビーが上流のクライヴとプラトニックな関係を結ぶ中産階級のモーリス、彼を取り込みながら保身のため女性に心変わりするクライヴはヒュー・グラント。 主演ウィルビーの演技がやや不安定なのは気になるが、モーリスの焦燥とも受けとれる。 第三の男スカダーのルパート・グレイヴスが、前作「眺めのいい部屋」とは階級の異なる役で主人公を翻弄するのが妙味であり、同じ俳優を使いまわすアイヴォリー。 身分違いの自分への愛を信じきれず脅してみせるスカダーの心中が哀れで、彼との関係は二重の「壁越え」を意味し、クライヴを失った空虚さをスカダーで埋めようとするモーリスと、妻を娶り今では友人として接するクライヴの思いは二度と結び合うことがないのを予感させ、映画は野心に吹き消される情熱と青春の儚さを憂えているようである。 ヘレナ・ボナム=カーターがエキストラ。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-05-17 07:00:02) (良:1票) |
6.冒頭の海辺のシーンは素敵。イギリスの田園風景やお屋敷・庭も美しく、眺めていて愉しい。ただ、同性愛に偏見はないが、それを美しい物としてみせようと作られている場合、個人の好みが大きく作品評価に影響するのは致し方ないかと。ファンの方には申し訳ないが、個人的に主演2人に異性として魅力を感じない為、最後まで見るのは結構苦痛だった。例えば戦メリの頃のD.ボウイが主演だったら激しく萌え~だった可能性あり(笑) 【lady wolf】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-04-30 16:05:49) (笑:1票) |
5.《ネタバレ》 西欧文化圏において同性愛とは常に「神との関係」で語られるものであり、この作品もちゃんとその枠内で語られています。まっ日本人にはいまいちピンと来ないのはそのせいだしある程度仕方のないことですよね。 なんたって人体は「神の宿る神殿」なんですから、なんと美しい表現なのかと感動しますけれども、そういうことがピンとこなければ「モーリス」を見てもなんだかなあ、というふうになります。 私だってそうなんですけど、まー、そんな自分でも「神」との関係でこの二人が散々悩んでいることは知れます。「彼らにとっての神」とは日本人には理解しがたいものですきっと。 さて、最初に火がついたほうのクライヴは「燃えやすく冷めやす」かったわけで始末が良かったのですが、「後から火をつけられた」ほうのモーリスのほうが、「燃えたら最後」冷めない状態になってしまったわけです。皮肉な感じです。 そしてあまりにもわかりやすい展開でもって「身分も性別も越えて」スカダーと結ばれるのですが、私はいつも男性の同性愛関係について思うんですけど「それは〝愛〟なの?」。 男どうしの同性愛って、「性欲」とどう違うのか?セットというより、イコールじゃないのか?中には例外もあるでしょうが、愛=セックスというよりセックス=愛、というふうに私には見えてしまう。そしてモーリスとスカダーもまさにその例ですよね。 彼らはこれからフランスかイタリアにでも行って、しばらくは仲良く暮らすのでしょうが、二人には「社会に対するカップルとしての居場所も責任」もなく「子供の育雛」を共同で行う目的もなく、「共に神に仕える仲間」でもないわけです。そんな中で関係を保ち続けるほど、普通の人間は賢くも強くもなくて、だから頭のいい誰かが用意して推進したキリスト教の神はかの地で「機能」し続けているわけで、クライヴはそのことに気がついたわけです。私は二人の先行きは見えていると思います。 なので、この時点で物語が終わってしまうことはある意味ズル…と私は言いたい。 あと、難を言えばウィルビーのようにまつ毛まで金髪の色素の薄い俳優って、情感に欠けて見えるところがソンですね。お人形感があるので、こういう情感重視の作品の重要な役柄には向かないかも。 ちなみに、この日のシネフィルイマジカチャンネルの予定は「モーリス」の次が「ブロークバックマウンテン」。…。わかりやすいプログラムだよね。 【パブロン中毒】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-11-14 16:00:31) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 耽美的なイギリスのクィア映画。退屈にもなりそうですが、渡る世間は枷ばかりであり、面白くなる要素は満載です。社会的秘密、宗教、身分の差、親への良心、法律、結婚、自分との葛藤など、周りのほとんどが恋の障害となるものばかり。それを乗り超えて、対処していく過程をみせてくれるので、必然的に面白く見れました。ちょっと展開が足早な気も・・・。美しいイングランドの風景も良いですね。生理的嫌悪のある人向けに、どう主人公を魅力的に描くかもポイントなんだろうなあ。自分はすんなり入れましたが。 【Nujabest】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-06-24 17:19:22) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 若かりし学生服のヒュー様を拝見したくて+ゲイネタ。っと言うことで鑑賞しましたが…。うーん。うーん。まだ切ない。ラスト、ヒュー様が窓際に立って思い出のモーリスを回想する絵。切なかった、私は結局ヒューが最後モーリスのことをどう思っているのか解りませんでした。。愛故にモーリスを捨てたのでしょうか、それとも一番安穏な生活を選んだのでしょうか…それが正しいことだから。個人的に、ヒューから告白して開花しちゃったんだから(時間の問題だったけど)ちゃんと責任とりなよっバカっ(笑)っと一言いってやりたいです*ヒューとモーリスがプラトニックだったのに対して後半の狩番人との恋は欲情の方が強いようにしか見えませんっ!欲情という名の愛ですか!?ね、モーリス!!ヒューの代わりである以外の何者でもない感がしてなりません。。にしてもヒューのきれいなヒゲ!!英国紳士に乾杯。 【美穂】さん 6点(2005-02-25 20:50:25) (良:1票) |
2.実はこの作品で初めてヒュー・グラントが出演しているのを観ました。特に気持ち悪いということもなく芸術映画って感じで観ましたね。これもまたひとつの美学でしょう・・・とか言ってる自分は「ヘドウィグ~」や「イン&アウト」とか観ても特に”気持ち悪い”と感じないのは常識的価値観から見るとちょっとヤバイんかなとも思いますが、ひとつの価値観(ゲイの世界)を否定したら人生の”面白み”が減るような気がするのでこういう人達を否定はしません。なんて言ってる私はもしかしてこういう潜在的なものが備わっているかもしれませんね。そうただそれを発揮する”きっかけ”が今までに無かっただけかもしれません。まったく何を語っているのだろうか 【tetsu78】さん 7点(2004-06-04 22:45:43) (笑:1票) |
1.愛している事を他人に隠さなければならない苦しみは同性愛だけに限らず切ない。自分にとって何が一番大切か、モーリスとクライブはそれぞれ選んだ道を進んでいった。正しかったのはどちらかという答えはないと感じた。 |