8.《ネタバレ》 すごく『男の子』で、すごく『母』だなと思った。息子がそれはそれは一生懸命についている嘘。それが嘘と判った上で『素晴らしいわ』と言える母。これは本当に愛しあっている家族だからこそ出来る技でしょう。人間も動物だから、本能としての肉親愛は備わっているけれど、そこから一歩踏み出した家族愛は、結構むずかしい。相手の幸福を想う事。感情に押し流されない事。自分よりも相手の心地良さを優先する事。これって、簡単なようでいてとてもむずかしい。この母子は、それが出来るからこんなにもあたたかい。あたたかいから、かなり毒舌なユーモアも、嫌味なく見られる。ベルリンの壁崩壊のニュースを観た時、わたしはまだ子どもだったけれど、ブラウン管を通して伝わってくる人間のパワーを凄いなと感じた。この映画も、もっと規模は小さいけれど、ひたひたと余韻を残して、あの時と同じように人間のパワーは凄いと感じさせてくれる。 【ともとも】さん 8点(2004-11-04 23:05:23) (良:3票) |
7.《ネタバレ》 今までに見たことがあるドイツ映画の中では、一番面白いと思いました。東西ドイツの統一によって、人々の生活や社会環境がどのように変化していったのかがよくわかる映画です。えてしてそのような映画はエンターテイメント性を犠牲にすることもあるのですが、この映画については多くの人が楽しめるようにコメディ色の強い演出も頻繁に出てきます。また、登場人物たちそれぞれに魅力があり、ヒューマンドラマとしても完成度の高い作品だと思います。僕の場合は、母親の命を助けるためとはいえ、ずっと嘘をつき続けることが果たして正しいことなのか、ということを深く考えさせられました。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-07-10 04:35:02) (良:2票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 『ベルリンの壁崩壊』を扱った映画が(自分の中では)あまりない上に本作は「東側」の視点から描いたものだ。正直世界史の授業では「西ドイツと東ドイツが一つになって民主化されていきました、めでたしめでたし」みたいに教えられたから、『ベルリンの壁崩壊』に対するイメージはそれしかなかった。だが、「東側」からの視点で観てみると、必ずしも彼ら全員にとってはハッピーエンドではではないことが分かった。自分が今まで信じてきた教義がある日を境に反転してしまって、いきなりマクドナルドとかが進出してくる、・・・ってなったら実際「ポカ~ン(゜ρ゜)」でしょ笑 お母さんに嘘をつき続けることを貫徹する息子。やっぱ観てる側としては正直「本当のこと教えようよ・・・」って心苦しくなってしまう。だけどそんなこときっとお母さんは分かってたんだろうな。分かってても息子が自分のために嘘をついてくれることに親孝行を感じたんだろう。そう信じたいものだ。 【たいがー】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-07-16 16:18:56) (良:1票) |
5.昨年、観た外国映画の中でこれは拾い物の1本!ドイツの国柄をきちんと描いた内容で、単なる政治ドラマでもないし、けしてお堅い映画ではありません。コメディタッチな要素も上手く取り入れて良質の映画になってます。この映画に出てくる俳優、誰一人として知ってる人はいなかったけど、映画って撮り方によっては一人も知ってる人がいなくても十分楽しめるんだということを教えてくれるそんな作品です。とにかくこの映画に出てくる人達みんながとても良い人達で温かい気持ちにさせられる。ララ、私も可愛いと思いました。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-26 19:26:26) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 ラスト近く、皆で嘘ニュース番組を観てるシーン。満足げな主人公。笑いを隠せない恋人とお姉ちゃん。何とも優しく息子に視線を送るお母さん。それぞれの表情に泣いてしまった。母親の、全てを知った上での「素晴らしいわ」は本当に良い。登場人物が皆優しくて良いやつで、それもまた泣ける。観た後、色々勉強したくなった。 【みち】さん 8点(2004-12-11 00:39:30) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 最期の「素晴らしいわ」にはやられた。ビデオの内容にではなく、ビデオを製作する過程に対して贈られた一言。 『ベルリンの壁崩壊』なんて、ドイツから何時間も時差のある私たちには一つのニュースとしてしか伝えられてこなかったけれど、この作品を通して東側の戸惑いなど当事者の様子が少しは分かった気がする。今までに見たドイツ映画に違わず、国民性そのままに生真面目に作られたこのドイツ製コメディは、ハリウッドのアホ臭いコメディ映画では絶対に醸し出す事の出来ない物悲しい余韻を、観客の心に残してくれた良作だったように思う。 【wood】さん 8点(2004-10-23 23:00:17) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 なんともハートフルな映画ですねぇー。全編アレックスの嘘なんですけど、私はこの手の嘘って好きです。自分以外の為の全身全霊の嘘って素敵じゃないですか。「嘘も方便」って奴ですね。その全身全霊の嘘に快く協力する街の人々も素敵です。特にロバート・カーライルになんとなく似てたアレックスの友人が良いっすねー。自分の趣味全開で(笑)(監督はキューブリックファンなんでしょうかねー。アレックスって名前もあれからとか?)で、キーパーソンとなる、アレックスの彼女のララ。この映画ってずっとアレックスの視野で展開するんで、母上は事実を知らないままって感じなんですけど、確実にララは伝えてますね。まぁー彼女自身母へ演技を続けているのが茶番って感じてた節もありますし。で、それをあえてしりつつも、息子の愛の篭った嘘をずっと付かれ続けている振りをしている最後のシーンもジーンときますよ。テレビじゃなく、アレックスをじっと優しく見続けるシーンが何か救われた気がします。重いテーマになりそうなところを実に軽快にテンポよく撮った監督なかなかなもんですね。あとこのタイトルにもなったレーニンが吊るされてるシーン凄いっすね。あれを見た母はどう感じ取ったんでしょうか。。 |
1.《ネタバレ》 あの“素晴らしいわ”には泣けたなあ。東西冷戦も、社会主義の崩壊も、ドイツ統一も、ましてや人の一生も、宇宙から見ればすべてちっぽけなこと。でもそんなちっぽけな人生にもこんな“素晴らしい”ものはあったんだよね。おもしろうてちょっと切ないよい映画。 【馬飼庄蔵】さん 8点(2004-05-03 15:09:46) (良:1票) |