4.《ネタバレ》 時系列をグチャグチャにした構成は、内容的に30点のものを、印象的に80点くらいにする効果がアリってことで、よろしいんではないでしょうか? とりあえず見る者の興味を最後まで引っ張ってくれるので。・・・さて、タイトルの『21g』です。これ、最後のモノローグで一言出てくるだけです。まあ、「命の重み」ということを言いたいのでしょう、制作サイドは。そして、作品自体は、実際の命の重みって何だ? 的な内容なんでしょう、多分。私は、ポールという男が嫌いです、いえ大嫌いです。移植前から彼は生きることを「投げて」いる。それはまあ良いんだが、ラストで彼は自分を撃つ! それも心臓をくれた人の妻の前で!! これって、クリスティナに対する「命の冒涜行為」じゃないか、という気がします。私なら、夫を2度殺された、と怒り狂うと思うのだが。クリスティナ自身はそのことに無頓着なのが理解不能。「臓器の移植提供を受けた者は、自分の命を自分で絶つ権利もないのか?」・・・私は「ない」と明確に答えたい。死ぬまで一生懸命生きるべし。人の死を代償に命永らえている意味を全く理解していないポールの行為は許しがたい。見たでしょ、あの臓器提供決断の現場。遺族は、悲しみと混乱の真っ只中で臓器提供か否かの決断を迫られる、究極の状態に追い込まれているのだよ。なのに、その臓器がダメになると分かったら撃つんかい? それでも生きているという現実を何だと思ってんの? こんな男のモノローグで21g云々を言われてもねえ・・・。探偵雇って提供者のこと調べまくったり、クリスティナにつきまとったりも意味不明。そのクリスティナもヤク漬けで妊娠したり(誰の子?)。この辺はかなりご都合主義な匂いが・・・。なんと言うか、ストーリーありきでテーマを後付し、命にまつわるエピソードをイロイロ詰め込んで小細工し、結果、矛盾や違和感を隠すためにあれこれヘンに凝った編集をした上で、似非感動作に仕立て上げた、ハリボテ映画っぽい。まあ、もちろん違うんでしょうけどね。これ、時系列にして編集しなおしたら、かなりクサイ話だと思うんですけど。とにかく、最後のポールの行為で、この映画は唾棄すべき映画に成り下がったと言えましょう。 【すねこすり】さん [DVD(字幕)] 4点(2009-03-02 15:31:53) (良:2票) |
《改行表示》 3.う~ん…。 前作では、まだ主人公の生(と性)と死を“再構成”するという意味において、何とか「納得」できた時系列をバラバラにするあの手法。しかし今回は、人間の「生と死」という極めて重い主題を、まるでたんなるクロスワードパズルの“パーツ”のように軽く(それこそ“21g”程度の!)扱うことになってしまったように思う。 監督は、それをショ-ン・ペン扮する今まさに死に瀕した男の「意識の流れ」として、つまり彼の脳裏に浮かぶ過去の想念を映像化したというのだろうか。 なるほど、人の意識はこういったとりとめのない、過去と現在が同時に浮かび上がってくるものではあるだろう。けれど、愛する者の死は、そして残された者の悲しみや怒り、苦悩、その果ての救済は、決してこのような小手先の才気走った展開によって“断片化”できないものじゃないか。たとえ「映画」だとはいえ、それを描くことは作り手にそういったすべてを「受けとめる」覚悟を強いるものじゃないのか。 …残念ながら、この映画の監督にはそう言った「覚悟」が決定的に欠けていると思う。さもなければ、この物語を、決してこのようには語れなかったはずだろう。 もはや神々しくさえあるベニチオ・デル・トロを筆頭に、役者たちが素晴らしかっただけに、なおさらこの作り手の「軽さ」が残念でならない。 人の「人生」とは、結局のところ、確かに「21g」ほどの重さでしかないのかもしれない。けれど、誰の人生(たとえ、映画に描かれたものであろうとも!)にしろ、それを“目的”じゃなく単なる“手段”にできるほど、軽くはあるまい。 【やましんの巻】さん 4点(2004-06-21 13:18:27) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 タブーを犯してドナーの素性を探るストーカー男。絶望感からジャンキーに成り下がり、正気に戻るなり加害者を「殺して!」と泣き叫ぶ女。信仰に目覚めながらも、事故から逃げてしまった弱い男。私から見ればだーれも同情の余地がなく感情移入できなかった。物語を切り貼りすることによって、ドラマの魅力不足を隠そうとしているとしか思えない。主役3人のファンにとってはその欲求を満たしてくれるだろうけど、役者に興味ない人にとっては「まあ役者に救われてるかな・・・」程度です。 【denny-jo】さん 4点(2004-06-13 21:35:42) (良:1票) |
1.「メメント」の構成でいっぱいいっぱいだった僕にとって、時間が交錯しまくるこの展開はどうも好きになれない。主演3人の演技が良かっただけに、それが残念でならない。ナオミ・ワッツの乳房が長々とアップだったけど、僕は別にポルノ映画を見に劇場に言った訳じゃないのだ。 |