4.「HERO」を酷評した私としては、映像と音楽が先行し「放置プレー」のような映画を高く評価することは難しい。たしかに映像には目を見張る。しかし、このアニメをアニメと呼べるのかと自らに問いかければ多少の疑問を感じる。本来アニメとは絵が動くように見えるからこそ、実写では描く事の出来ないキャラクターやマニューバーを「映像」として表現するツールとして存在し、そのため多くの人を魅了してきたと思う。その点から思えば、このアニメのようなリアルな描写を追及する先に待ち受けるのは実写+CGの世界ではないだろうか?だからこそ、このアニメをアニメの進むべき道であると考えてはならないと思う。私には、このアニメこそ劇中で語られえていた「人を模した人形」そのものだと感じる。 また、台詞にしてもわざと難しくしているような印象を受ける。台詞を理解したうえで、映像も見ろ!と主張されるのならば、不器用な私には到底出来ない話である。そのため、せっかくの映像美を印象の薄いものにしてはいないだろうか? この映画を理解するためには映画館で何度も観た上でDVDを購入しなくてはダメという事なのか?だとすれば、なおのことアニメではなく、前衛芸術作品ということになりはしないか? 【クルイベル】さん 5点(2004-03-09 10:19:53) (良:1票) |
3.前作はそれなりに斬新でしたけど、同じテーマをまた繰り返してるだけのような 気がしました。人間と機械、現実と仮想現実の境界っていうテーマの作品が最近 多すぎやしませんかね?ひたすら登場人物が言葉遊びを繰り返すのを見続ける のは苦痛でした。同じ挿入歌が何度も何度も流れるのもしつこく感じたし。 小難しい映画は苦手です。エンターティメント性が無いと。 【あおむし】さん 5点(2004-10-13 17:49:36) (良:1票) |
2.“モノ”を創り出す上で、「凝る」ということは非常に大切だし、作品の価値が高まるほどに不可欠になるものだろう。この映画も「凝る」ということに関しては、極限まで突き詰められている。細部にいたるまでその力の入れようには圧倒される。しかし、だからと言って今作が凄い映画かと聞かれると、そうだとは言えない。これはもはや価値観の違いなのかもしれないが、凝るというその方向性自体が逸脱しているように感じてならない。膨大な専門用語や造語、加えて古文や古い諺の引用によるセリフ回しは、物語を紡ぎ出すにはあまりに混沌としすぎているし、製作者の独りよがりとも言えるのではないかと思ってしまう。描かれるテーマ自体は、濃厚ではあるが実はとてもシンプルなものだ。圧倒的な映像世界の中にもっと単純にその秀逸なテーマを描き出すだけでもこの映画は見事に完成するのではないか。 【鉄腕麗人】さん 5点(2004-10-08 14:35:39) |
1.原作にあった悲喜劇の悲劇の部分だけクローズアップし、ただひたすら重く暗い作品に仕上がっている。もちろん映画として原作のノリを正確に再現しなければいけないわけではないのだが、それがこの作品にとってプラスになっているかといえば甚だ疑問ではある、むしろ押井守という作家はそういう「喜劇」を撮ることのできる数少ない映画監督の1人だと思うので、もったいないな、というのが正直な感想。また押井作品の特徴であるセリフ遊びも今回は消化不良気味、単純に「ハッ」とするセリフが無かったような気がする、「うる星」のメガネや「パト」の後藤など、あの台詞回しはそれ自体が「芸」として成立していたものだが、今回はそれが感じられなかった。それらは一般には理解されにくい部分ではあるのだが、それこそが押井作品のキモでありファンとしては最も「観たい」部分でもあったのだが・・・(かといって一般向けになっているというわけでは決して無い) いろんな意味で「難しい」作品。 【るね】さん 5点(2004-05-22 14:04:40) (良:1票) |