6.公開時にR指定が設けられていたから、あれだけグロ描写が激しかったのにR指定が無かった「ブラザーフッド」以上にドッカンバリバリグチャグチャな映像が流れるのかと観る前まで思ってたんですが、正直グロさは遥かに予想以下。どこにR指定の要素が含まれてんのかと(略) R指定に関する経緯はもうそこまでにして、映画自体のコメントをするとまず壮大で美しい自然描写が強く印象に残り圧巻でした。回想シーンと現在のシーンを巧みに絡ませ、物語の展開を分かりやすく提示した手法も良かったと思います。キャスト面では、もうレニー・ゼルウィガーが二コールを完全に喰ってましたね(笑)あれだけ圧倒的な存在感や印象が強ければ、オスカー受賞も当然かと。それなりに良い要素はたくさん揃えている本作ですが、マイナス面もそこそこ見られました。まずジュード・ロウ演じる主人公があまり脱走兵に見えなかったこと。主人公を追う備兵の描写も掘り下げが甘く、本当に逃げてるのかと思ってしまうほどでした。それと本格的なアクション(戦闘シーン)が冒頭以外に印象に残るシーンが殆ど無かった。2時間半を超える長い映画だから、もう少し見せ場を増やしても良かったと思います。それでもドラマ部分の盛り上げ方や遠距離で長い間、互いに思い続ける恋人同士の愛情の描き方などはアンソニー・ミンゲラ監督らしい見事な手腕でした。最後に1つ、何でこの映画R指定な(略)
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5.ちょっと男共を殺し過ぎだよ。それにプラトニックラブに命を賭けて最期のヒトサシで子孫を残すなんて…激流を遡って精を吐き出して朽ち果てる雄鮭みたいだな。それにしても母は強し。 【つむじ風】さん 6点(2004-05-12 03:31:00) (笑:2票) |
4.マイナス90点。怒りに手が震えるのを深呼吸で抑えながらこのレビューを書いている。私は映画を観てつまんなくても「カネ返せ」とは滅多に思わないというか、選んだ自分も悪いでしょ、と比較的穏やかに諦める方だけど、今度ばかりはおさまりません。だってこれは映画じゃないでしょ。朝のTV小説総集編でしょ。ニコール・キッドマンがデカいので、ジュード・ロウがちっとも素敵に見えません。ジュード・ロウが美しすぎて、ニコール・キッドマンがちっとも輝きません。美しさにかけては他の追随を許さないこの二人が、思いっきり共倒れてしまいました。フレームインが少なかったのがせめてもの救いですが。あらゆる点はともかく、この二人を美しく撮れなかった責任は重いです。最大の見せ場であるはずの山場のシーンで、二人のアップの醜かったことといったら、もう泣くに泣けません。フィリップ・シーモア・ホフマンにジョバンニ・リビシ、ナタリー・ポートマン、ただ話を長くするためだけに次々と登場するゲストキャラは豪華かつ大変魅力的です。だから何?戦争映画好きな私は冒頭の7、8分だけ楽しい思いをしましたが、「イングリッシュ・ペイシェント」の例を見るまでもなく戦争を題材に取ったわりには案の定全然関係ないところに帰着してしまいました。あまりのアホらしさについつい最後まで観てしまいましたが、正直二度と見たくないです。期待のレネー・ゼルヴィガーも「なんでこれがオスカー?」と首をかしげたくなるつまんない役。強いて言えば、今まで一度として演技が出来るとは思わなかったナタリー・ポートマンが非常にいい芝居をしていました。むしろ彼女に何かあげてもいいくらい。オスカー助演賞を撮る映画ってたいていハズレがないと思ってましたが(以下略)誰かアンソニー・ミンゲラに映画の撮り方教えてあげましょうよ。この人、映画見たことあるんでしょうか。ないでしょうね。「イングリッシュ・ペイシェント」とこれと、どっちか1本見れば十分です。どちらも見ないで一生済めば、ホントに幸せです。これは詐欺。 【anemone】さん 0点(2004-04-25 02:03:54) (良:2票) |
3.映像的には↓【STING大好き】様ご指摘の通りでちょっと疲れます。特にニコールとロウのツーショットにはイライラ。あと、ニコールに貫禄がありすぎて、ロウとの関係がしっくりこないんですよ。ただ、原作は「コールドマウンテン」と言う題名がピッタリな終始寒々としていながらも、凛としていて力強い、詩的な美しい小説で私は大好きなんです。なので、映画では表現しきれていない「距離」と「時間」を勝手に想像でおぎなって見てしまったので、結構ウルウルしました。大地に根をはりながら心は愛する男と旅をする女。そして故郷へ帰るべく旅をしながらも心は愛する女と大地に留まろうとする男。人間てヤツは旅人なんですね。ラストは小説を読んだ時はちょっと不満だったのですが、今回映画で見ると何故か納得できました。多分、小説ではインマンとエイダの魂の繋がりがかなり濃かったのですが、映画の方は人間も自然の一部であり、再生が可能なのだと言う事に重点がおかれていたからかもしれません。あと、私個人の今もっともせくすぃーな俳優ジュード・ロウはやっぱりステキだった(ウットリ・・)。 【黒猫クロマティ】さん 7点(2005-01-26 11:54:48) (良:1票) |
2.「銃後の守り」という言葉は平和な今の日本ではほとんど死語になっていますが、戦時下の日本では父、夫、頼りにしていた息子などが戦地に赴いた後、残された女性は男性に頼らずに家事や家業をきりもりするのが美徳とされていました。「女は弱し、されど母は強し。」なんて言葉もあって、ボーボワール流にこの言葉を解釈すれば、「女は男を魅了するためにはか弱くなくてはならないが軍国の妻や母はもちろん強くなくてはならない。」なんていう社会のご都合主義が見え隠れします。だから恋人に「帰ってきて・・・。」と手紙を書き送ったエイダを決して責めることはできないのですが・・・でもやはり、南北戦争というご時世に、特に太平洋戦争と違って地続きの場所で戦っている男にこんな手紙を送るなんて非常識で身勝手もいいところです。女も母も適度に強いのが普通という平和な社会に生まれ育った私としては「こんな時代に生まれなくて良かった・・・。」というのが一番ぴったりな感想です。結末はエイダの弱さに対する決定的な天罰だと私は受け取りました。インマンはどうころんでも脱走兵(=重罪人)としてエイダと幸せに暮らすことなどままならないはずなのに、エイダは「結婚」という甘い夢に最後までしがみつきます。「社会の変動期にどんな人間が生き延び、どんな人間が淘汰されていくのかを描きたかった。」と優雅な生活を捨てられないメラニー/アシュレー夫妻と逞しいスカーレット・オハラ/抜け目ないレット・バトラーを対照的に描いたマーガレット・ミッチェルの小説「風と共に去りぬ」と、本作品のテーマは同じながら、スカーレットの二つの面を分けたようなエイダとルビー、とりわけルビーに触発されたエイダの成長ぶり、そして美しい風景が印象的で2時間40分を長いと感じませんでした。 【かわまり】さん 10点(2004-05-30 10:13:10) (良:1票) |
1.ラブストーリーがメインかと思ったら、これは抑えた描き方でしかもからみの描写部分が少ないので激しい恋情というほどのものは薄い気はする。が、畑仕事をするインマンにエイダが馬車の上でピアノを弾いたりするところなどで抑制された情熱を描く。それより戦場内外での悲惨な描写や、愛する人恋しさにインマンがたどる過酷な帰郷へのエピソードの中に戦争の虚しさ、残酷さ、悲しみなど様々なメッセージを感じる。ルビーは戦争を雨に例えて直裁に愚かしさを語っているし、未亡人は「銃やナイフの金物は社会を悪くするだけ」と言っている。その彼女でも憎しみから兵士を撃ち殺してるし、味方が脱走兵や家族へ加える残酷な仕打ちも愚かしい。舞台の南北戦争は唯一アメリカが戦場になりアメリカ人同士が戦った戦争だけれども、込められたメッセージには今の戦争への思いに通じるものがある。、、ということで私はこちらのインパクトのほうが強かった。実際じっくり見せる脱走の紆余曲折やエイダとルビーの話に比べ再会やラストはあっさりした感じで恋愛への感情移入は薄い。それより迫力ある戦闘シーンやメッセージ性、何気に出てくる豪華なゲスト出演者、性格のはっきりしたメインキャストが良かった。
【キリコ】さん 7点(2004-05-03 20:17:47) (良:1票) |