5.どういうオハナシかというと、健さんが居酒屋のオヤジをやっている、という、それだけなんですけどね。 居酒屋の客がなかなかに豪華メンバーで、田中邦衛がこういう場面にいるのは当然だとしても、ひとり静かに飲む池部良がいて、言動がヘンなら髪型もヘンな伊丹十三がいて、お笑い芸人にしか見えない細野晴臣がいて、誰も呼んでないのに気がついたらこういう場所にはきっと出没する武田鉄矢がいて。おや、山藤章二さんもいるじゃないですか、ではもう一人のいかにも原作者ですと言わんばかりの顔をした人は誰だろう、と思ったら、原作の山口瞳さんなのでした。 居酒屋のおかみさん、よく見かける女優さんのような気がするけど、アレ、このヒト誰だっけ、と思ってたら、本職の女優さんではなくって加藤登紀子さん。目立つことなく目立ってしまう、見事な存在感です。 で、とりとめなく様々なエピソードが綴られるのですが、映画の軸にあるのが、健さんと大原麗子、結ばれることなく別々の道を歩いてきてしまった二人の男女。映画の軸といいながら、実際にはもう終わってしまった、過去の話でもあるんですね。だから二人の人生は直接に交わることはなく、最後の残り香が消え去っていく姿がこの映画で描かれる。 人生とは様々なものを失っていく過程であって、健さんも含めてここに集う人々は、おそらくはすでに多くの物を失ってきたであろう人々(ただし、大滝秀治は除くことにしよう)。そしてまた、人々は日々、新たに何かを失っていく。そんな映画。 ユーモラスに哀しみを演じてみせる小松政夫が、絶妙のキャスティングでした。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2019-12-15 11:45:25) (良:1票) |
4.兆治とさよのキャラクターにリアルさが感じられない映画でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-09-08 21:11:23) (良:1票) |
3.高倉健、相変わらず渋い。そんな高倉健に対してやりたい放題の伊丹十三、その他出演者の顔ぶれを観ると大滝秀治に田中邦衛に小松政夫って何だか「北の国から」みたいなキャストだ。作品そのものは特別面白いとは感じないし、どらかというと苦手な感じの暗さが漂う。それでも普通に観れてしまうのはこれはやはり高倉健の魅力あればこその作品で感じでして、そうそう、大原麗子も出てたよなあ!何だかとても幸せとは無縁の感じの女を演じていたけど、大原麗子という女優というよりも一人の女性の人生を見ているようで辛い。 【青観】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-10-11 15:04:14) (良:1票) |
2.大原麗子さんの役柄が、彼女の人生とダブって見えてしまい、悲しくてたまらないです。綺麗だからと言って、幸せな人生を送ってるとは限らないんだな・・・。 【ケンジ】さん [ブルーレイ(邦画)] 7点(2006-07-05 21:29:13) (良:1票) |
1.健さん、加藤登紀子から大原麗子までなんて顔面ストライクゾーン広過ぎだろっ!!おっ動いてるちあきなおみ初めて見たよ!ちなみにうちのかぁちゃんの十八番は「喝采」です。俺が、お昼寝する時に枕元で子守唄がわりにいつも歌っていました(←どんな親だ)。なんておふざけはここまでにしまして、う~んいい映画ですよね。健さんは相変わらず不器用で正直な男だし大原麗子は幸薄い美しい女性を熱演しています。個人的には、マンガ「人間交差点」に近いものがあるかなと思いました。うらぶれた居酒屋で起こる人間の優しさと愛、そして悲劇が見た人に深い感動を与えてくれるのではないかなと思います。ラストに流れる健さんが歌う「時代おくれの酒場」は横に動く珍しいエンドロールと共に必聴&必見ですよ!! 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-05-26 01:50:59) (良:1票) |