4.《ネタバレ》 ベルトルッチ最高の作品!!少年時代の忌まわしい体験から、周りから切り離された疎外感を感じる主人公。だからこそ、大衆に支持されるファシストに足を突っ込み、自分の疎外感を振り払おうとするが、やはりファシストにも成り切れず、一人車の中で身じろぎも出来ない。体制崩壊後にファシストの先導者に詰め寄る場面でも、大衆の行列が過ぎ去ると、先導者は意図せず流れの一部になるのに対し、主人公は一人取り残される事になる。自分の拠り所を確保するため、組織の一員であろうとするが、誰とも分かり合えない孤独な映画だと思います。 【ヨシオ】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2013-08-31 01:08:38) |
3.《ネタバレ》 青、青、青、青。真っ赤な鮮血が流れるはずのシーンですら、ほとんど赤は登場しない(クアトリ教授の暗殺シーン)。アンナは不自然なほど顔中が血だらけになった。この違いはなにか。冒頭の明滅する赤い光はなにか。ラスト、炎に赤く照らされた主人公の顔。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 10点(2013-08-23 22:27:14) |
2.《ネタバレ》 初めて観る作品で三日続けて三回観ました。普通に生きたい、皆と一緒でありたいと願うマルチェロですが、体制に、権力の中に身を置き、傍観者として自分の意志を持たず、日々流されていくのが普通なんでしょうか。保身のために、友、恩人、愛する人を裏切り見殺しにする生き方を大なり小なり誰もがしていると監督は言いたいのでしょうか。生気の失せた妻の姿、トラウマの源が生きていた事に驚愕するマルチェロの姿は、こんな生き方は普通ではないが、この生き方しかできないというどうしようもないやりきれなさを感じました。そして、この作品のワンシーンの何処をとっても絵画として観賞できるハッとする美しさ、全編に漂う妖艶さ、役にピタリとはまるトランティニャン。一回目より二回目、二回目より三回目と観れば観るほど惹きこまれました。映画は芸術でもある事を実感させてもらいました。 |
1.主人公マルチェロの孤独感を、青を基調とした完璧な映像美で表現されている。時代に流されることしかできない男、それに翻弄される者達、サスペンスに芸術性が伴った傑作。ラストの仲間をファシスト呼ばわりし、保全を第一に考えるマルチェロの姿に痛烈な社会批判を感じる。 【ゆたKING】さん 10点(2002-12-11 23:59:08) |