9.《ネタバレ》 現在においても憎しみの連鎖が途絶えない世相ではあるが、それを断ち切ろうとしたトロイ王はアキレスの言葉を借りずとも「よき王」であろう。しかし、ギリシア悲劇の要素として、そうしたよき為政者であっても勝者にはならないというところが悲哀を滲ませている。それから、今作では神話性を排除しているが、それがクライマックスのパリスの放った矢がパリス自身の努力・技能によるものになっていて、某三部作に被りまくってしまったのが残念。>神話では太陽神アポロンの介添えがあって、アキレスを射抜いていたはず しかし、大筋では安心してみていられるいかにも大作系な大作です。それにしても、羊飼いパリスの3女神を選ぶところがないと、パリスが単なる軽薄男に見えてしまいますね。女神との約束でヘレンを妻とした経緯が判れば話もすっきりするんでしょうが、そうすると排除したはずの神話が顔を覗かせてしまいますし、難しいところですね。 【もっちー】さん 7点(2004-05-28 01:49:45) |
8.正直、それほど賭けてたワケではない期待と、作品の出来とが上手く噛み合って、ほどほどにお値ごろ感のある作品でした。要は大した作品じゃぁないな、ってことなんですけど。古き良き時代のハリウッドお家芸的歴史物超大作の流れとして見れば、今の技術でもう1度これをやってくれるというのは楽しいことではある。原作が書かれたのが3000年近く前ということで、ストーリーがあまりにも陳腐なのは仕方がないし、それを敢えてベタベタのまんまやっちゃったペーターゼン監督の無欲さに感涙。やっぱりこの人、壮大なスケール感だけで食べているだけのことはあって、それなりに壮大なスケール感だけはある。つまるところ、当代きっての色男であるブラピが、ハンサムなだけじゃなくてカラダも素晴らしく運動神経も抜群であるぞ、というだけの映画なんだけど、しっかりアキレス腱を射ぬかれるシーンなんかもうギャグとしか思えずすっかり爆笑してしまった。冴えていたのはヘクトル役を演じたエリック・バナ。「ブラックホーク・ダウン」でも一人輝いていたが、彼のいかにも知的な風貌に違和感すら感じられるマッチョな肉体のアンビバレンスは今後、かなりの需要が見込まれる。残念ながらトロイのヘレンにもう一つ華が足りないとか、中盤までの大戦争スペクタクルに比べて肝心のクライマックスがイマイチ地味だったりとか、言い出したらキリがないけどまあまあ楽しめる普通のアクション史劇だったのではないかと思う。心配していたブラピの(カン高い)声も、本編ではちゃんとイコライザー+リバーヴ処理されており、さほどの違和感はなかったです。あと、エリック・バナとサフロン・バローズの夫婦役って、あまりにも似合いすぎてて洒落んなってないと思いました。戦争映画好きにはまあまあ楽しめる作品だったと思います。 【anemone】さん 7点(2004-05-28 00:29:49) |
7.この戦争最大の要因であるパリス王子とヘレンの愛に、いまいち説得力を感じなかったのが残念だった。なぜヘレンがパリス王子を好きになり、亡命するまでに至ったのか、その辺をもうちっとドラマチックに描くべきではなかっただろうか。全然2人の心理状況が伝わってきませんでした。ラブシーンもないし(笑) 実際もあんな感じだったのなら仕方ないけど・・・。 【きのすけ】さん 7点(2004-05-27 09:49:52) |
6.弟って弱虫で浅はかなくせに我が強い。馬鹿な奴とわかってても憎めないから家族は必死で守る。ちゃっかり屋なのは、いつの時代も同じなんだと実感。 【mimi】さん 7点(2004-05-26 22:46:22) |
5.《ネタバレ》 もう50年前の「トロイのヘレン」も大作でしたが、これも負けないスペクタクルものになっています。原作の「イーリアス」はアキレスがプリセウスをアガメムノンに取り上げられて参戦を拒否するところからトロイ王の懇願を容れてヘクトールの遺体を返還するところまでなのだけれど、それでは木馬の出番がないので陥落のところまでになるのでしょう。アキレスとヘクトールを生身の人間として描いているところは先の映画とは随分違っています。「イーリアス」ではアキレスの死までは記述がないし、アキレス腱はヘクトールの踝に孔を開けて縄を通して引きずったのが由来だそうです。この映画ではヘレンの元夫のメネラウスは死んでしまうけれど、多くの物語ではヘレンと共に国に帰っているようです。でも城壁の上から元夫と現夫の争うのを見物する女性はやはり絵になりますね。 【たいほう】さん 7点(2004-05-25 17:28:27) |
4.《ネタバレ》 パリスは浅はかな奴だったけども、略奪したから戦争になったというのはきっかけであって、あの王様なら遅かれ早かれ戦争したような気もする。 ひとまず、スケールはでかかった。僕は指輪物語シリーズよりも好きだな。それはあまりCGが目立たなくて、人間の力を最大限に引き出して撮影されていたから。 ところで、あまり神は信じないほうが良いのでしょうかね。(Tジョイ大泉にて 5/23) 【こじ老】さん 7点(2004-05-23 22:11:43) |
3.大作って感じの映画でした。チケット代分は充分楽しめると思います。印象に残っているのは大群衆の戦闘場面と、アキレスとヘクトルのタイマン。これはスクリーンならではの醍醐味が味わえたと思います。女性陣の心情描写が薄かったのは、この物語が男同士の闘いの話なので、仕方ないのかもしれません。個人的には、誰にも感情移入する事無く、客観的に映画自体を楽しめた作品だったと云えます。 【n@omi】さん 7点(2004-05-22 04:10:20) |
2.《ネタバレ》 面白いですが・・・同じく戦争スタイルが中世の「ロードオブザリング・二つの塔」と比べると、どうしてもただの中世の戦争映画にしか見えません。「伝説の再現」が売りなのに・・・。ロードオブザリングに勝っているのはアキレスとヘクトルのガチンコと男優陣の見事な肉体美(笑)でしょうか。 【Я】さん 7点(2004-05-21 10:33:03) |
1.器と食材はとても豪勢なのに食してみるとファミレスの味がした――良きにつけ悪しきにつけ、いわゆるハリウッド大作としての面目を保った作品(笑)盛大に血しぶきが飛び、人と人が殺しあっているのに、「悲劇」に見えないのは、戦争のキッカケがあまりに馬鹿馬鹿しいからだろうか。いくら「愛のため」と言われても、戦争に駆り出された両軍兵士もトロイの民衆もいい迷惑、オーリは好きでもパリスとヘレンはただの阿呆にしか見えません。もっとも私の鑑賞目的は「ミニスカショーンを見る」だったので、その目的は当初予想を上回り満足。ブラピとバナの一騎打ちシーンもお見事!一見の価値ありです。 【HIDUKI】さん 7点(2004-05-15 23:35:37) |