8.私はID4の荒唐無稽さが大好きだった。映画だから許される無茶苦茶さ、それはタコ型宇宙人という絵空事でしかない存在を相手にしているからこそ、それこそ絵に描いた餅のような対抗手段であってもおおらかな気持ちで受け入れられることが出来たのである。現実ではないからこその自由な発想を評価していたのである。さて今作品であるが、そういう意味では地球規模の環境破壊という問題は、エメリッヒにとってはいささかリアルすぎる問題であったかもしれない。ID4の敵が宇宙人であれば、今回の「敵」は地球そのものであったわけだが(もっとも人間の業の積み重ねともいえる結果ではあるのだが)、母なる星地球に敗北を喫させる訳にはいかないのだろう、これまでのパニック映画で乱発されていた核による変化の抑止をせず(これは私は評価している)、特にこれといった対抗手段を打ち出せず、人間ドラマに重きを置くことを選択せざるをえなかっただろう。しかしそのことが、エメリッヒならではの自由な発想力を束縛する結果に繋がってしまったのではないか。確かにデニス・クエイドは好演していたし公立図書館に残った人々の描写も力強さがあったものの、ID4で見られた胸のすくような逆転の発想は最後まで出てくることはなかった。そういう意味では残念ではあったが、ID4との共通点と言うかエメリッヒらしい部分は随所に見て取れる。ID4をよく見ている人ならば、端役に至るまで登場人物で誰が生き残り誰が死ぬか予測できたと思うし実際そのとおりであった(印象的だったのは、1500ドルのコートがどうこう言っていたビジネスマンと、回送中なのに彼から200ドル受け取って乗せたバス運転手が死んだこと)。映画の中では彼の嫌いなタイプ(と思われる)人物には容赦ない。また大統領に対する考え方も一貫していて、自分の命をかけてでも国民を守ろうとする、かなり美化された理想の大統領を見ることができる。ID4の話が多くなったが、比較した上で見るとなかなか興味深い映画である。ただしラストの演説は、イラク戦争は間違いなのではないかと気付き始めた今のアメリカを思うと、もはや手放しではアメリカ万歳とは言えなくなったことの表れなのかもしれない。・・・と。真面目に書いたがやはり一言ツッコみたい。「千代田区って、あれじゃあ『思いで横丁』じゃねーか!!???」 (知らない方へ。「思いで横丁」は新宿駅前、もちろん新宿区です) |
7.映像が、寒い(←誉め言葉)。 ドラマも、寒い(・・・^^;)。 【Jimmy.B】さん 7点(2004-06-13 13:34:26) |
6.SFにもスペクタクルものにも特に思い入れのない私ですが、なぜいち早く映画館で、と思ったかといえば、ひとえにキャスティングです。デニス・クエイドはマッチョだけど暑苦しくないところが高好感度で、メグと別れて以来快進撃だから今度はどこまでやってくれるか!?という期待大でした。ジェイク・ギレンホールもかなり好きなんですが、まだ私の好みの作品がない、というそれぞれの期待感が募り、同世代の2人を誘って見てきました。みんなに好評。1人の「こういうのは映画館じゃないとねー!」に一同うなずく。ここしばらく映画鑑賞はたいてい一人だった私ですが、共感度の高い仲間と見に行くのはまたなかなか楽しいものですね。映像の緻密さ、迫力はもちろんのこと、自然をあなどっていると大きなしっぺ返しが来る、というわかりやすいメッセージと、パニックものなのに脅かしが過ぎない、超人的なヒーローがいるわけではなくみんな身近な人のためにこそ心をくだいている、というあたりがよかったですね。注目の2人はそれぞれよかったけど、親子というリアリティーがいまいちだったかな。スペクタクルものでもできたらそういうとこにも神経つかってよ、というのは望みすぎ? ジェイクは少し大人っぽさも出てきて、やっぱり今後ますます期待できそう。楽しみです。作品の話に戻ると、中国にしか見えない日本の光景とたどたどしいセリフに笑ってしまいましたが、邦画でもきっと似たようなことをしているに違いないわけですから、文句は言いますまい。スタッフにいかに日本人が進出できていないかの証しでもあるわけだから、スタッフ志望の日本人も、渡辺謙に負けじとがんばっておくれよー!! 【おばちゃん】さん 7点(2004-06-09 20:18:40) |
5.さすがはハリウッドきっての直球王ローランド・エメリッヒである。小細工なしのど真ん中ストレートを投げさせたら、今の大作娯楽映画界に彼の右に出るものはいないだろう。もちろん、直球しか投げられないと言ってしまえばそれまでだが、娯楽映画に必要なのはまさにその豪快さである。CGによる映像技術が進歩したといっても、これほどまで地球が滅亡していく様をまざまざと見せつけたものはなかった。その映像世界に対する絶大な圧倒感だけで、この映画は存在する。まさに豪快。まさに娯楽。ただ残念なのは、人間描写にエメリッヒ監督ならではのカッコよさがなかったこと。デニス・クエイドが主役という時点でキャスティングの弱さは致し方ないが、「ID4」「ゴジラ」にあったような脇のキャラクターの小気味よさをもう少し見せてほしかったと思う。妙に男前な大統領や犬連れの浮浪者にその期待をしたのだが、不完全燃焼に終わってしまった。まあ、自然の驚異、地球環境の悲鳴に対する人間の無力さというものを考えれば、人間の動きが弱いのも納得できなくはないが。ラストの宇宙飛行士の言葉にあるように、地球には、人間には、「浄化」が必要なのかもしれない。 【鉄腕麗人】さん 7点(2004-06-07 11:39:54) |
4.エメリッヒのパニックものと言えばそれまでイカ型の宇宙人が地球を征服しにやってくるとか、イグアナが核のせいででっかくなっちゃってニューヨークを壊しまくるとか、荒唐無稽な題材ばっかりだったけど、これは今タイムリーな温暖化がテーマですから、そういう点ではそれまでのばか騒ぎなだけのノリとはちょっと違いますね。いや勿論、現実的に検証したらこれもおかしなところはいっぱいあるんでしょうが、、、、。でも僕も温暖化に対するアメリカの一国主義政策には嫌気がさしてたとこだったんです。だからそこんとこ評価します。竜巻や津波のシーンも、盛り上げ方がうまいですね。CGの進歩を改めて確認できたように思います。そういえばこれをテーマにした映画ってちょっと記憶に無いし、温暖化って話が大きいだけに一個人としてはいまいちピンとこないところがあるから、そういう意味では映画の製作も意義あるものだったのかな。でも温暖化で地球が冷えちゃうなんて初めて聞いたな。金星みたいに灼熱地獄になるんだろうと思ってたんですが、、、、今から30年ほど前は地球は冷えていくって言われてましたよね。80年代に入ってからだな、温暖化が叫ばれるようになったのは、、、、。要するに、いまだに温暖化のことってよくわかってないんですね。無知であることが一番怖いことなのかもしれない、、、。 【あろえりーな】さん 7点(2004-06-06 00:52:41) |
3.前(映画館の前から3列目)のほうでみたからパニックシーンはかなり迫力あったね。街に大波が押し寄せてくるシーンなんか、自分も巻き込まれるような感覚が今も忘れられない。というわけでCGの技術には圧巻。途中で狼がでてきたときはかなり意表つかれたね。まあこの手の映画にはお決まりの家族愛はちょっと・・・ってのはあるけど、それなりに楽しくみれました。映画館でみる価値のある作品だね 【rainbow】さん 7点(2004-06-05 17:35:27) |
2.深く考えないで、観ているだけで楽しめる映画。迫力をあじわうために、劇場の大スクリーンで観て欲しい映画かな。氷河期が再びやってきたっちゅうはなしで、主役の息子の名前が「サム」。観終わった後に「サムが寒がってた」と言いたくなった。 |
1.CGの完成度と迫力はさすが。手に汗握って鑑賞しました。しかし、ストーリーに関してはつっこみたいところも沢山あります。オオカミはいらなかったんじゃないの!?とか、あの日本の描写はいかがなものかしら!?とか、大統領の死は意味のない展開だったのでは!?等々。。。しかし私、この映画を観た後、夢で何度も雪山にて遭難してます。それだけインパクトがあったのでしょう。いつかこんな未来がおとずれてもおかしくないのかも。。。と不安にさせられたことだけでも、この映画の存在意義が十二分にあるような気がします。 【ぷっきぃ】さん 7点(2004-05-31 01:37:46) |