5.物語の持つテーマだけではなく何から何まで作り物っぽさが漂うヴァーチャルな世界描写、現実味の無さが何とも楽しいです。要は〝現実的には見えない〟ところが面白い。天真爛漫そうな上戸彩ちゃんはとても不登校には見えない。彼女が涎もんのエロい発言をしても卑猥には見えない。純粋真面目そうな神木君はエロチャットをするようには見えない。彼の飼育する微生物は肉眼では見えない。押入れで女子高生と小学生が…という扇情的なシチュエーションがまるでイヤらしく見えない。缶ジュースがずらりと整列したコンビニのような冷蔵庫は日常生活が見えない。整い過ぎているマンションや同色の屋根の街並み、ゴミ捨て場はキレイ過ぎて現実世界には見えない。ポップに仕立て上げられた本作は陰湿でエロチックな世界に足を踏み入れているようには見えない。さらに上戸彩ちゃんのパンツも見えそうで見えない見えない見えない…。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(邦画)] 7点(2007-05-08 18:12:54) (良:2票) |
4.上戸彩はアイドルだ。それは、どうやっても解き放たれない彼女の宿命でありスタイルだと思う。多くのアイドルたちは、その肩書きに束縛され、しばしばそこからの脱却に失敗する。しかし上戸彩は違う。彼女はこの映画でそのスタイルを“崩さず”可能性を最大限に“広げて”みせた。それは勇気と力量を要するあまりに魅力的な試みだ。そこに、神木隆之介というこれまた常識を覆す子役とのコラボレーションが加わり、暗く狭い押入れの空間が(エロの世界!)が無限に広がっていく。いろんな意味でヘンな映画だけれど、同時にその“類まれな”映画世界に感動を覚えた。 【鉄腕麗人】さん 9点(2004-12-31 13:18:42) (良:2票) |
《改行表示》 3.<原作未読・映画版のみの評価> やはり女子高生という主人公である分、「あずみ」などより、上戸彩の等身大の魅力が出ている。そういう意味では正しい人選だが、それ以上に上戸彩のプロモーションビデオ的な意味合いの方が強いw。 物語のテーマ自体は、思春期に限らず、普遍的な「個」の揺らぎと不安から逃げ出した非日常の中で、現実を生きる意味を見出したり、自己の内面に向き合うと言う、よくあるもの。またその非日常の象徴として「ネット社会」を引き合いに出すという発想が、原作が書かれた時期を考慮してもすでに時代遅れ。 はっきり言って、この手の「自分探し」的なテーマは、もうこんな文学を気取った作品などより、既に日本の漫画やアニメの方が色々なアプローチで散々やり尽くしていて、今や作中で扱うごく基本的なテーマのひとつに過ぎなくなっている。 途中経過にもコレといった展開は無く、終始淡々としていて、内容らしい内容が無い。上戸彩ファンに媚びたような中途半端なエロティシズムなどウザったいだけ。ラスト付近の友人の自殺もそれまでのストーリーと何ら関わりが無く、取って付けたような印象は拭えない。唐突に重苦しいイベントを差し挟む事で、物語全体を締めようという計算が見える。 主人公と同じ悩みを持った思春期世代の中高生が見れば共感しやすい作品ではあるが、結果的に取り立てて結論らしい答えを出す事も無く、「見ているものが答えを出しなさい」という落とし方は手抜き一歩手前であり、それでいて中途半端な大人視点の説教臭さがつきまとう。 そこまでは多少ものを考えている人間なら、老若男女、誰でも辿り着く結論であり、問題はその「平凡である事の先」に、「生きていく上での活力」として、どういう哲学を導き出すのかが重要。それこそが作品の意義であり、主張すべき主体というもの。そこに言及しなければ、こんな作品をいくら作っても何も言っていないのと同じこと。 【FSS】さん [DVD(字幕)] 1点(2006-01-13 19:17:44) (良:1票) |
2.10歳の子供と一緒に観ました。だって小学生と高校生の友情を描いたコメディだと思ったんだもん。洗濯しながら横目で見ていた奥さんに、「悪の道に誘うのはやめて」と真顔で怒られた。いやいや、ちゃんとまじめに観れば、悪の道ではないということを言っているわけであって・・と抗辯するのもむなしい。「クリトリスって何?」と小学校の子供に聞かれる恐怖を味わいました。 【正義と微笑】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-07-02 12:52:46) (笑:1票) |
1.エロの話を大人の男女がすると、それはもうエロというより性行為に近い気がする。リアルでドロドロしていて、一度その世界に入ってしまうと、もう二度とそこから抜け出せなくなるような雰囲気もある。しかし子供がエロの話をすると、危なっかしさがあるけれど、現実的な危険性は感じられない。純粋な好奇心は誰にでもあり、エロの話は誰だってするし、誰だって興味を持つ。それがたまたまネット上でのエロトークなだけであって、決して実際に身体を売るわけでもなく、危険な道に進んで行こうとしているわけでもない。ただほんの一時の遊び心と興味が彼女と彼をネットの世界へ誘った。そこで得た物は、大人のドロドロとした現実世界の知識と自分は生きているんだという確信に似た喜びだった。 【ボビー】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-06-01 22:38:42) (良:1票) |