11.《ネタバレ》 海洋学校を舞台とした青春ドラマ、嵐による遭難、船長の責任を問う裁判と、大まかに分けて三つのパートで構成されている本作。
何やら詰め込み過ぎな印象も受けますが、配分としては「青春ドラマ」が主である為、落ち付いて観賞出来ましたね。 確認してみたところ、映画が始まって九十分以上経過してから、ようやく嵐に遭遇し、残り三十分程で完結する形となっており、作り手としてもメインに据えたのは「嵐に遭遇する前の日々」である事が伝わってきます。
自分としては、海洋学校のパートは楽しかったし、嵐のパートも迫力や悲壮感があって良かったと思うのですが、ラストの裁判に関しては、ちょっと納得いかないものがありましたね。 無言で鐘を鳴らすというメッセージ、生徒側の弁護、船長の毅然とした態度など、きちんと見せ場は用意されているのですが、結論が「免許取り消しは保留された」「だが、船長が海へ戻る日は来るだろうか?」なんていう、実に曖昧な代物だったので、どうにも反応に困ってしまいます。 ハッピーエンドの爽快感も無いし、バッドエンドの重く沈む気持ちも味わえないし、何だか観ているこちらの心も宙ぶらりん。 この辺りは、実話ネタならではの歯痒さでしょうか。
その他、意地悪な見方かも知れませんが「自分が米国人だったら、もっと感情移入出来たかもなぁ……」と感じさせる描写も多かったですね。 宇宙開発やら冷戦やらについてのラジオ放送が、劇中で頻繁に流れる演出なのは、作中の時代背景を伝えるという以上に、米国人のノスタルジーに訴える効果を狙っていそう。 それと、イルカを殺した件をあんなにも重大事のように扱う辺りも(確かに可哀想だ)と思う一方で(外国の人達って、本当にイルカが好きだよな)なんて考えが浮かんだりもして、ちょっと作中人物に距離を感じてしまった気がします。 前述の冷戦やら何やらの放送にて「アメリカの正義」を主張されていたせいか、途中で「キューバの魔の手から、毅然とした態度で少年達を守るアメリカの船長」なんて場面がある事にも、少々鼻白むものがありましたね。
序盤にて「船からの飛び込み」という適度な山場を用意し、観客を映画の世界に招き入れる巧みさなんかは、流石リドリー・スコット監督という感じだし、あんまり褒められた事じゃないだろう「飲酒」「買春」などのパートを爽やかに描いて「これも少年達の成長に繋がる、青春の一ページ」と感じさせてくれる辺りは、良かったと思います。
タイトルに反し、嵐に出会う前の、主人公達が生き生きとした姿を見せてくれる場面の方が面白く感じられた一品でした。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 6点(2017-02-27 06:06:27) (良:1票) |
10.《ネタバレ》 ノンフィクションが題材になっていますので、極力脚色を控えているのはわかります。ただ、あまりにエピソードを盛り込みすぎたために、若干間延びしてしまった感があるのが大変もったいないと思うので、そっちのほうは何とかしてほしかったです。女子学生の一団とのエピソードや、みんなで1ドルずつ出し合ってのシーンなんかは、もっと短くするか、まるまるカットしちゃっても差し支えなかった気がしますよ。 また、肝心のホワイトスコールに遭遇したラストシーンは、なんかすごくわかりにくいです。物語の中心人物っぽい4人の生徒のうち、フランクは戦線離脱していましたが、ギルはお兄さんの写真を取りに戻ったせいで船室から出られなくなってそのまま海底に、ちょい不良のディーンは救命艇を救出するも自身は縄がからまり海底に沈んだってことなんですか?で、確かシェフ担当の先生はどうなったかもわからないまま死んだことになったような・・できればこの一連のシークエンスにこそもっと力を注いでもらって、もう少しだけわかりやすい演出にしてほしかったです。 そうえいば、救出後、チャックが試着室の中に入った途端、まるで荒波の中にいるかのような錯覚に陥るシーンがもの凄く恐ろしかったです。そんで、この辺りからラストまで、個人的にはかなり良かったと思っています。裁判は確かに残された時間で無理やりまとめた感はありましたが、この作品の場合本質はそこではなさそうなので、特に問題はないかなと思いました。 チャックの船長を弁護する魂の演説は、お約束のようなフレーズが並んではいますが、やっぱり感動しちゃいますね。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 6点(2014-04-22 03:15:43) (良:1票) |
9.団結と少年たちの成長がテーマのヒューマンドラマ。青春ものと群像劇、 アドベンチャーをミックスしたような作り。よくある実話の映画化ということで、 目新しさはまったく感じないが、安定感はそれなりに感じさせる。登場人物が多いせいか、 状況設定と少年たちの人物描写はいかんとも説明不足だが、そこは想像力で補完。 終盤からラストにかけて、青臭い演出あり。小細工のないストレートなドラマでした。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-07-14 05:53:31) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 説明不足というか、描き方が不親切です。殆どの人が知識を持たない「帆船訓練の海洋学校」の基本的な紹介ができてない。何の目的で、どれくらいの期間で、正規の学校なのか、何かの資格が関係するのか、はっきりしないですね。高校の単位はとれず、大学へはいけないことは描かれています。主人公は17歳ですが、15歳もいれば、2度目の生徒もいる。一等航海士なのにプロではない。不良を矯正する学校でもなさそう。何月に訓練が始まって、何月に出発して、何月に嵐に遭ったのか、航海のデータもない。仮に8月に始まって5月が遭難だとすると9ケ月も航海していることになりますが。また実際には5人か6人が亡くなっているのに4人に変更されている。どうして?事実に基づいていると冒頭にあるのに。こんな調子だから生徒の区別がなかなかつかないグダグダ演出になっている。誰が死んだかよくわからないのは致命的でしょう。メインは訓練を通じで生徒達が友情と団結を育み海の男として成長していく物語。残念なのは「いい話」が少ない事。不良生徒に勉強を教えてやる、高所恐怖症の生徒がマストで友情の鐘を鳴らす、裁判で下船生徒が団結の鐘を鳴らす、裁判で生徒と船長がハグ泣きする、くらいかな。逆は多い。高所恐怖症で小便もらす、売春婦を買う、酒を飲む、煙草を吸う、女子学生とのH、船長と妻のH、性病、出港時間に遅れて置いてきぼり、キューバ船に砲撃される、イルカ殺して強制下船、喧嘩、照明器具を割って暴れる、干渉過多な父親との確執、厳しすぎる船長への憎しみ、嵐に遭難して死亡。 ◆生徒同士で絆を深め友情を育む横糸と船長や両親の大人達と信頼関係を築く縦糸がうまく絡み合って感動作になる。それがうまく機能していません。どちらも中途半端に終わります。 ◆事故の原因は簡単で、嵐に遭っているのに、帆を畳まないからです。「落雷の危険があった」では言い訳になりません。裁判で事故の責任問題や船長の資格はく奪がどうなったのか、結審を敢えて描かない意図は何?裁判に生き残った大人が出頭しないのは何故?◆海の美しさは十分堪能でき、クライマックスの海難シーンは迫力満点です。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-09-21 16:48:47) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 「希望を持ってすすめ」‥‥‥それぞれの家庭環境から脱し、様々な事情をかかえた少年達が次第にお互いを理解しあい、助け合い、成長を遂げてゆくその姿は見ていて清々しい。子供達への教育という視点から見ても、とても良くできたドラマではないか。だからこそ、あの悲劇はやるせない気持ちにさせる。しかしなぜだろうか、あの悲劇以後の物語はそれほど印象に残っていない。私にとってあの映画のクライマックスは、映画のタイトルである悲しい「白い嵐」のシーンではなく、そこに至るまでの心躍る物語なのだ。鮮烈に印象に残っているのは、無人島の尾根を元気一杯に駆ける少年達と、勉強を皆の協力で克服して及第点を取り、答案用紙を日暮れの海に丸めて放る少年達の姿。言わば物語の折り返し、楽しい旅の最高潮に達するシーンだ。しかしそれが過ぎた時、これから旅が終わりに向かってゆくという何とも言えない寂しさの予感がする。確か少年の一人が「この旅から帰りたくない」という言葉を口にしたと思うが、映画を観ながらきっと私も同じ気持ちだったのだと思う。私にとってのこの映画の印象的なクライマックスも感動も、この言葉で終わりを告げた。うまく言葉にできないが、だからこの映画のエンディングはそれほど印象に残っていないのだと思う。私は「旅の帰り道」が嫌だったのだ。リドリー・スコット監督らしくダイナミックな映像も大変美しい。大きな帆船で友と大洋を巡る‥‥‥私もたった一度でもいい、少年時代にあんな航海にでてみたかったなぁ。 あー、でも船酔いには滅法弱いからやっぱりムリかなぁ‥‥‥。 【six-coin】さん 7点(2004-10-23 02:17:50) (良:1票) |
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6.《ネタバレ》 雄大な自然と、その中に配された若者たちのドラマに感動させられます。前半は美しく切ない青春ドラマ。船が波の影に隠されるショットに暗示されたように、後半、突如襲う天災によって、一瞬にして悲劇を描いた映画になります。ところがこの部分で、一体、生徒達のうち誰が犠牲になったのか、いまいちよく判らず。最後まで、結局誰死んじゃったの?状態。そこまでのキャラの描き分けがイマイチだったんじゃない? それとも自分の記憶能力に問題があるのかなぁ? そんな状態なので、いちばん感動的なハズのラストがモヤモヤして終わってしまったのが残念でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 7点(2003-12-07 14:34:10) (良:1票) |
5.この作品のテーマは災害を通した少年達の成長物語なのだろう。実際嵐までは良くも悪くも普通の青春映画だった。けれど、どちらかといえば嵐はパニック映画的な要素が強いので、「青春+災害」のためにテーマが少しぼやけてしまったと思う(実際近所のレンタル屋でも「パニック物」のコーナーにあったと記憶している)。また、冒頭に生還後の船長や主人公の心の葛藤場面などを入れておけば、終盤の場面がより生きてきたと思う。それにしてもエンドロールのときに出てくる少年たちの写真の笑顔がとても切ない…。 【プミポン】さん 4点(2003-05-13 01:44:35) (良:1票) |
4.この映画は最高!!唯一泣いた映画やで~ 【ユウ】さん 10点(2001-06-09 21:40:31) (良:1票) |
3.青春、感動もの好きの私にはかなりきました。非常にあったかい、いい映画でした。 【たつや】さん 8点(2001-05-05 02:05:07) (良:1票) |
2.最後が泣けた! 最初は仲がわるい子供だち いろんな事で成長していく よくある話だが少年たちの成長に感動しました 【とまそうく】さん 7点(2000-09-14 15:26:58) (良:1票) |
1.爽やかでいい映画。いろんな要素がつまってるし、なぜか何度みてもいいと思える。めちゃくちゃ売れたとか、すっごく衝撃的とかいうのではないけれど、私はとても好きです。 【オスカー】さん 8点(2000-07-26 12:52:51) (良:1票) |