《改行表示》 4.《ネタバレ》 友人の死をきっかけに人生を見つめなおすショーン。砂浜で偶然手にした1冊の小説に深い感銘を受け、作家になる夢を抱きます。その夢のため、小説の作者が教鞭をとるスタンフォード大学への入学を目指すのがおおまかなストーリー。 つまりは、希望に満ちた青春ストーリーになるはずなんですが、なにせ主人公以外にまともな人がいないオレンジカウンティ。コメディに力を入れすぎて、あまりにありえない展開が多すぎるのは好き嫌いが別れるところでしょう。 なかでも酷いのが進路指導員と兄ランス。 大学入学のため必死に勉強を頑張ってきた生徒の成績表を他の人の成績表と取り違えて大学に願書提出するなんて、あってはならんことです。兄ランスはクスリと放火で完全にアウト。 この二人の行為は犯罪。コメディ、フィクションを免罪符に何でもOK、笑って許しての展開にはあきれます。 そのような度を越えた逸脱行為を除けば、後は笑って許せる範囲。なにせ家族、友人に加え学校の先生までもが『あっぱっぱー』で超適当な人たちばかり。大笑いできる場面はありませんが、小ネタ満載なのがこの作品の魅力の一つです。 そして、その環境の中、健気に夢の実現のため頑張り続ける主人公の姿が泣けます(笑)。 また、最初のうちは頭空っぽにしか見えなかったショーンの彼女が、物語が進むにつれ、次第に可愛く、良い彼女に見えてくるのも見所の一つでしょう。 最初は許せなかったオレンジカウンティの人々が、映画を見終わる頃には、不思議と主人公にとって大切な存在に映ります。それが、この作品の一番伝えたかったメッセージかもしれません。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-03-24 08:45:32) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 鑑賞後、何が最も強烈に印象に残ったかと言えば、勢いだけは誰にも負けないバカ兄貴を演じたジャック・ブラック。 主人公は作家志望の弟ですが、オイシイところはジャックに持っていかれているような感じはあります。 でも主人公である弟のキャラクターにしっかり魅力がある。 故郷オレンジカウンティの人々もそれぞれに問題はあるけど許せる、愛すべきキャラクターに描かれています。 両親に、サーフィン仲間に、特に兄貴は無茶苦茶ですが、 何より弟思いであるところがしっかりと出ている点は重要なポイントです。 もう1人、弟の彼女の存在が効いていて、演じた女優さんのもつ雰囲気もとても良かった。 あれほど問題だらけだった彼の周りにあるものが、一瞬のうちに解決するラストも好きです。 兄貴の放火はお咎めなしなのか?と思いますが、まあいいんじゃないでしょうか。 悪友の「ざまあみろ!スタンフォード!」の台詞も良かったですね。 いい大学に入ることが全てではないし、人生、もっと大切なこともあるんじゃないかな。 ジャック・ブラックの濃い兄貴と比較すると地味なキャラクターですが、弟を演じたコリン・ハンクスも好演。 あのハリウッドの超大物を父に持つサラブレッドですが、 育ちの良さを感じさせる風貌と本作のキャラクターがとてもよく似合っていました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-08-10 20:11:03) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 これは拾い物でした。劇中、作家志望の主人公(高校生)が「オレンジカウンティ」というこの映画と同じタイトルの小説を書きます。で、それがそのまま映画化されたのがこの作品、ともいえるような構造になっています。こういう形式って何ていうのでしょう。入れ子構造でいいのかな?他にネバーエンディングストーリー、デストラップなんかがそうですね。そして、その小説を主人公憧れの作家が評論するのですが、「結末が弱い」「結末を探しなさい」と言われてしまいます。そうなんです。実際この映画、結末が弱いんです。あまりにもベタで月並みでありがちで、まるで高校生が考えたストーリーみたい。というわけで映画はみごとに自己完結していてちょっと驚いてしまいました。こんな手があったんですね~。このメタな感じは初めて味わうもので妙な快感がありました。ちりばめられたギャグの数々は大胆で意外性のあるものばかり。ドタバタもラリ公の描き方も的を射ていて実に楽しい。そこらへんが冴えまくっているので、終わりがやけに投げやりで予定調和的なのがむしろ意外なくらいです。とりあえず終わらせただけに見えますが、確かに青春物に “これだ” なんていう結末は必要無いような気がします。監督はたいへんな策士とお見受けしました。 【皮マン】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-23 00:22:07) (良:1票) |
《改行表示》 1.リリー・トムリン(進路指導員)、キャサリン・オハラ(主人公の母)、ジョン・リスゴー(父)、ケヴィン・クライン(あこがれの小説家/大学教授)など、助演陣がとにかく豪華。リリー・トムリンって、60をはるかに超えているはずだが、むかしからこういう骨ばった感じだったから、年取ってもそんなに印象がかわらないよな。フットワークの軽さはさすが。 ジャック・ブラックの怪演に拍手、といいたいのだが、ロクデナシぶりがあまりに真に迫っていて、笑えなかった。とにかく、パンツ一丁でうろうろするのはやめてー、という感じ。 ストーリーは「青い鳥 青春編」といってしまえば終わりなのだが、コリン・ハンクスの希望を次々と打ち砕く家族のとっぴな行動の数々に、次はなにをするやら、と、げんなり。スタンフォードに舞台を移した後半に比べて、前半はもたもたしていた印象。 スカイラー・フィスクは、度の超えた動物好きの描写があっても、全体に誠実な印象が消えず、好演だったと思う。 【yhlee】さん [DVD(字幕)] 5点(2007-07-27 18:36:53) (良:1票) |