4.130分の映画がこれほど短く感じたことは珍しかったです。 画像が薄暗いセピア色で統一されていたのが幻想的な雰囲気を醸し出して非常に巧いです。ソン・ガンホの演技は初めて観ましたが、あの無能まるだしの田舎刑事役も、腹がたつと感じるよりも、なぜか親しみが持てます。もし彼以外の人間が同じ事をやったら、軽蔑や嘲笑の対象となるでしょう。 これは韓国の歴史や、韓国人の性質を知るための映画ではなく、「人間」を知るための映画だと思います。彼の顔はハンサムとはお世辞でも言えませんが、一度見たら、頭からこびりついて離れません。それだけでも俳優として才能があると思います。 それに比べて邦画の刑事映画は、宣伝ばかりに力をいれて、かんじんの作品は手抜きだらけです。 どうしようもありません。「どうして現場に血がながれるんだー」なんて言っている場合ですか! 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-04-24 21:38:44) (良:2票)(笑:1票) |
3.未解決事件を題材にしたことが、この映画の最大の価値のように感じます。 日本国内でも似たような事件で、未解決の事件が多くあり、世界各国でも同様に苦しみ、哀しみ、恐怖し、気が狂わんばかりに捜査している刑事はたくさんいると思います。 大事なのは事件を風化させないこと。すぐ近くに、普通に犯人は暮らしているだろう事実。その事を忘れ、犯人を見逃す事は、もしかしたら、その行為自体も罪になるのかもしれない...と見た後色々と考えさせられました。 見る方の受け取り方で変わるだろう内容は、とても評価が難しく、私自身は「6」としましたが、ノンフィクションが好きな方にはお勧めです。 【sirou92】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-12-05 23:15:12) (良:1票) |
2.未解決の連続暴行殺人事件がことごとく韓国の歴史の闇とリンクする。ことごとくである。そして物語構成に一切の無駄が無く全てが全てにからんでゆく。北朝鮮の侵攻に対する灯火規制と共に起こる事件。当たり前のように行われる警察の拷問と軍事政権下の国家権力に対する国民の怒り。怒りは容疑者から証人へと変わった男を警察から遠ざけ、またある時はデモ行進によって機動隊の出動を邪魔する。どちらが犯人か判別できないある事件の容疑者と被害者の兄の写真。あるいは都会刑事を犯人と間違うエピソード。刑事の自信と確信をことごとく失墜させてゆく展開はまさに何を信用すればいいのかわからない時代を写し取っている。強引なやり口を批判する都会刑事もまた闇に翻弄され自らを失ってゆく。そしてトンネルの闇に同化するように消えてゆく容疑者は時代の闇そのものだったのか。排水溝を覗くことの繰り返しは十数年という月日の流れの中で闇の時代が過ぎ去ったことを提示する。このあまりの完璧さに感心しながらも完璧であることに少々の不満も感じる。そしてこの完璧な構成を分りやすくする大袈裟で過剰な語り口がどうも苦手だ。まあでもボン・ジュノは社会派をエンターテインメントに紛れ込ませて見せるのがうまい。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-04-20 16:55:31) (良:1票) |
1.現実の未解決事件を題材にしているとあって、観終わった後の後味は良くない。最初は淡々と物語が進行して行くような感じがしたが、途中から一気に盛り上がって行くので退屈を感じることはなかった。ソウルから来た本来沈着冷静な刑事が感情を爆発させて容疑者に暴行を加えたり、田舎のダメ刑事が最後マトモな刑事になったりするというのはこの犯罪の異常さの所以だろうか。どこまで実話に基づいているのか分からないけど、あんな杜撰な捜査をしてたんだねえ。それが一番驚いたところだ。 【ばたあし】さん 6点(2004-10-30 18:16:57) (良:1票) |