4.残念ながら、暑苦しいだけのドタバタ劇。アダマやイワセにはそれなりの葛藤や成長が見られるのに、主人公はまったく心の動きが見えず、ただその場の流れに流されて行き当たりばったりに生きているようにしか見えない。そういう生き方がある時代、あるいはある年代だけにはカッコよく見えるのかもしれないが、それならばしかるべき時代にしかるべき年代をターゲットに映画を作ればよく、2004年という時代に形だけ真っ当な青春映画として作られてしまったがゆえに、ただの奇妙な映画にになってしまった。村上龍の本を読んだことのない人がこの映画を見たら、村上龍はただのバカだと思うだろう。 【ぽん太】さん [DVD(字幕)] 2点(2005-08-16 20:29:22) (良:2票) |
3.底抜けな明るさ、底抜けな情けなさ、そして底抜けなエネルギー。ある種想像のつかない何か。これこそ青春というものだと思う。僕は1969年には生きていないが、主人公たちが持つ精神は時代など関係なく「その時」を生きるすべての若者が持つべき本能だ。体制への反発・闘争、そんなものは、行動するためのただ一片の理由の装飾に過ぎない。「退屈だから」「楽しいから」「カワイイあの子に好かれたいから」それらこそ、揺るぎない本当の理由であり、よっぽど説得力がある。とにもかくにも、自分の欲望のために力の限り突っ走るそんな彼らの姿に笑いと興奮が止まらない。 【鉄腕麗人】さん 9点(2004-07-19 23:13:54) (良:2票) |
2.村上龍の本の中で最も好きなのが「69」なんで、クドカン流ではあっても楽しめる。九州のスミっこで自由を叫ぶ高校生、安田講堂も陥落し安保も全共闘も、もう流行らない。自己批判や総括なんて糞食らえ、面白ければバリ封だっていいじゃん、思想なんてないよ、女とヤリたいだけだもん。っていう全共闘世代の本音が気持ちいいんですよ。いつの時代も高校生の頭ん中は女とヤリたいしかないんだから。そのためにモテようと必死に何かに取り組むんだから。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2004-07-16 16:42:08) (良:2票) |
1.エロだったり、下ネタ・汚ネタだったりは、はるか昔に読んだ村上龍の原作でもそんな印象が残ってたんで、そんなに嫌悪感を感じることもなかったけど、「笑い」まで達せず「苦笑」で終わるネタ多数。たしかに、妻夫木聡が走るシーンとか、佐世保の海と山の光景とか、印象的なシーンも多かった。けれど、爽快感がウリの映画なのに、テンポが悪い。「盛り上がりどころ」で肩すかし風の演出は狙いなのか?? なんだかスッキリしない映画だった。そのモヤモヤ感の極みは、エンドクレジットのケミストリー。ここだけ何でケミストリー? タイアップとか関係あるのかもしれないけど、そういうウラの存在を感じさせた時点でダメでしょう。こういうところで商業主義が出てくるんだったら、映画のなかでもエンターテインメントに徹して、徹底して観客を楽しませてほしかった。あ、でも、もしウラもなく、演出上の理由があってケミストリーだったのなら、もっとダメだけど。 【ころりさん】さん 4点(2005-03-20 09:37:03) (良:1票) |