12.《ネタバレ》 夢で再現される彼女との思い出は、ただの電子信号です。でも実際に体験した記憶。それを消去するということは、自分の人生の一部を消去することと同じ。大切なのは未来。そのためには過去を捨てよう。その理屈も分かります。実際、捨てなければ生きていられないような辛い記憶もある。未来志向は否定しません。でも未来だけが尊いとも思わない。未来と同等に過去にも価値があります。今自分が在るのは、過去の自分があるから。良い経験もあれば、そうでない経験もある。嬉しい楽しい思い出と一緒に、辛くて悲しい記憶もある。その総てで自分は出来ています。どれが大切で、どれが不要かは分からない。どの経験も大切な心のピースです。心にトゲが刺さったら痛い。最悪、それが元で死ぬこともあります。でもトゲごと包み込んで自分の血肉に換えれば大丈夫。トゲも自分の一部です。主人公と彼女は、もう一度やり直す決心をしました。再び辛い目に合うのは承知の上です。どんなにマイナスが多くても、プラスの魅力には勝てないということ。棘を恐れて薔薇を避けるのは、その美しさを知った人間には出来ないことです。だから経験は何ものにも代え難い。苦味や渋みも旨みのうち。捨てるのは、やっぱりもったいない。嬉しさ半分、苦しさ半分で上等。2人の選択に胸が熱くなるのは、人生を肯定してくれているからだと思います。 【目隠シスト】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-06 18:26:07) (良:3票) |
11.アメリカでの評判が非常に高かったが、期待にそぐわぬ良作だった。なにより美しい。もしも記憶を消せるなら、この映画を観たことを忘れ、もう一度この感動を味わいたい。 【紅蓮天国】さん 8点(2005-03-22 16:31:43) (良:3票) |
10.《ネタバレ》 主役ふたりの自然な雰囲気が良い。いかにもお似合いのカップルではないし、何故ふたりが惹かれ合ったのか特別な理由付けが描かれないところも自然で良かった。何故恋に落ちたのか、タイプが違うと判っていても何故離れたくないのか、たぶん理由はない。だからこそラストの「また同じ事で喧嘩するかも知れない」と判っていながら躊躇や理屈を投げ出して抱き合うふたりに涙。いずれ本当の別れが来るのかどうかは別の話。恋する気持ちって、こういうものだと思う。 ふたりが一緒に過ごした記憶の中を逃げるシーンはどれも秀逸。中でも、実際には言葉を交わさずに別れた夜の海辺での「せめてサヨナラぐらい言った事にしましょ」のひと言が切な過ぎる。普段荒っぽい性格のヒロインが、寂しげにポツリ呟くから余計に切なさが滲む。 ラクーナ社側の三角関係は蛇足?とも思えたけれど、おかげで映画全体が主役限定のお話に終わらせず、割り切れない、苦い恋の記憶を巡る普遍的なストーリーになっていたとも思う(それでも、描き込みが中途半端なのは確かに残念)。 主役に感情移入して酔いしれるタイプの恋愛映画ではないかも知れないけれど、恋した時の甘く、苦い記憶を痛いほど突いてくる映画だった。音楽も素晴らしい。 【i-loop】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-04-30 03:44:00) (良:2票) |
9.《ネタバレ》 詩的な映像と音楽がツボにはまり、最期まで夢中になって観ることができた。崩壊していく記憶のなかでの追いかけっこのシーンは美しく、ファンタジックで、それでいて身を引きちぎられるように切ない。幼年時代の記憶に紛れ込んで、ジョエルは「子供の頃に君と出会いたかった」という。愚かしい夢だけど、誰しも似たようなことを考えたことがあるんじゃないだろうか。クレメンタインが昔は自分をブスだと思っていたと話して泣き、ジョエルが抱きしめるシーンも好きだ。氷上に寝っころがった夜、転げて笑いあった雪の日、シーツごしの日差しのなかで抱き合った時間。美しい記憶の結晶が生み出した万華鏡。壊してしまって初めて価値に気づくなんて、ちょっと間抜けが過ぎる。二人で過ごした日々はお互いの心に深く深くくい込んでいて、記憶が消えたときには自分自身の一部をも失っている。失くした破片を捜して最後に再会したことは奇跡のようでいて、ある意味では必然だった。あまりにもきれい過ぎる恋愛物語は鼻につくのが通例だが、ここまで素敵な作品を差し出されては文句は言えない。斬新な脚本と洗練された映像で、『人を愛することの素晴らしさ』という普遍的過ぎてほとんど陳腐になりつつあるテーマを見事に現代的に描いてみせた。素晴らしい手腕に、素直に拍手。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-07 11:26:35) (良:2票) |
8.なかなか良いのでは無いでしょうか。サスペンスと言うよりは、恋愛ファンタジーと表現するべきでは無いでしょうか?所々中だるみするのですが、最近のハリウッド映画に無い、意表をついた新鮮さがありました。 【お好み焼きは広島風】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-09-25 22:05:50) (良:1票) |
7.《ネタバレ》 恋愛映画なのにサスペンスっぽい展開。この手の映画を、「恋愛映画」として作り上げたことが新鮮。記憶を消しても、運命の2人はめぐり合う。ベタベタですが、夢があっていいと思います。ラクーナ社の三角関係のやり取りに関して、不要だと思われた方の気持ちはよくわかりますが、僕はとても重要なシーンだと思っています。あのシーンを観て、「もしかしたら、自分も記憶を消したのかも…それを覚えていないだけかも…」と思った方はいるはず。また、人は記憶を消してもジョエル同様、同じ人に惹かれてしまう…という儚さも暗に描かれていると思います。パトリックも必死でクレメンタインを口説き落とそうとするが、結局上手くいかず。同じ言葉を発しても、やはり言う人によって違うということですね。 【グングニル】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-11 18:44:10) (良:1票) |
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6.《ネタバレ》 ぼくはこの映画好きなんだけどなー。アイディアも映像も面白いしこういうショボーンなジムキャリーも可愛らしいじゃん(変な意味でなく笑)ケイトウィンスレットも確かに一見「何なんだ、このBI*CHはっ!」みたいな女性ではあったけど、彼女の髪の色みたいに無責任で衝動的な気まぐれも少なからず理解できるからあまり嫌に感じられないんだよね。二人の出会いが(記憶の中での)最後のお別れになってしまうのは美しくもどことなく悲しくもある。 【たいがー】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-11-19 16:30:54) (良:1票) |
5.とにかくこれは幻想的だ。普通の人とは異なった価値観、視点を持っていたカウフマンとゴードンだったからこの作品ができたのかもしれない。俺はごく普通の価値観しかもっていないから、この作品はレビューし難い。それが非常に惜しい。 【ばっじお】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-01-05 01:05:18) (良:1票) |
4.誰もが自分のストーリーにすりかえられる。技術がどうだとかいう気が起きない。 【k】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-01-04 22:57:13) (良:1票) |
3.この映画、地味なようで実はまともな登場人物は一人もいません。派手な壊れっぷりのクレメンタインに隠れるようにして、みんなどこかここか壊れてます。そこがまたいい。オチを探るタイプの作品ではないと思います。ただただ「痛い人」たちの中に、自分のアイタタタ...を重ねてみては?(特に、パトリック(イライジャ・ウッド)とメアリー(キルスティン・ダンスト)の痛さ加減がたまらなくいいです。) 北米ではこの映画がわかる/わからないで感性の物差しみたいに言われていたそうです。つまり、わからない人は「いけてない人」って(それって、ちょっと嫌味ぃ~だと思いませんかぁ)。でもこの映画自体は、きっと多くの人が(それぞれ感じるツボは違うかもしれませんが)ある種の共感を持って自己投影でき、「救い」のある作品だと思います。誰もパーフェクトなんかじゃない、やり直してもまた同じ失敗をしてしまうかも知れない。それでも「OK」、人間なんてそんなもんだよ、って。 【OKKO】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-12-31 20:03:28) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 脚本と演出が見事!特に記憶を消す途中の展開は予測不能で、ちょうど浅い夢を見ている時のような感じです。(場面がころころ変わったり、記憶の断片がデタラメにくっついてたり)エンディング後の二人の関係を想像すると結局煮詰まるだろうなあとは思うのですが、それを本人たちも承知で一緒になるラストは切なくも美しいと思いました。 【5454】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-21 01:52:11) (良:1票) |
1.満足感は100%に近いくらい良かったです!!!!でも私には脚本が難しいのか?私がバカなのか?途中で分からなくなってしまって、髪の色で時期が分かると聞いたので髪の色をず~っと注目して観ていましたけど最終的には緑(?)になってしまってなんだこりゃ??って感じで・・・・ある意味私にはサスペンス映画でしたぁ(汗)今まで観たチャーリー・カウフマンの作品では一番面白い作品です。DVDになったらもう1度観たいです。 【愛しのエリザ】さん 8点(2005-03-20 17:10:29) (良:1票) |