6.観終った感想は『どうしてこんなにも観ててハラハラドキドキしなかったのかなぁ?』です。圧巻の緻密な映像と壮絶アクションのてんこ盛りなのは間違いないのですけど。 冒険活劇は感情移入をした登場人物と一緒にそれこそハラハラドキドキしながら物語を同時進行で体験するのが醍醐味だと思うのですが、この映画の主人公レイに大した個性もなく魅力も感じず感情移入は不可能でした。クライマックスでレイの言う事は確かに真っ当かも知れませんがストレート過ぎて 上っ面な印象にしか聞こえず心に残りません。一応、ヒロインらしいスカーレットがある程度のキャラを立たせていましたが結局、叫んでるだけで何の為にいたのか存在意義が良く示されていません。レイと心を通わせるシーンがしっかり書かれていればまだマシだった筈。レイの親父は終始、スチーム城に取り憑かれた人にしか見えませんでした。これももう少し親子の関係の深さを見せてくれれば・・爺さんのキャラがこの物語で一番、しっかり立っているように見えて良かったです。そして声優。大友監督はアニメ的なキャンキャンしたものよりリアルを求めたようなコメントをしていますが鈴木杏と小西真奈美の演技力は別として声質はリアルに聞こえませんし既成のアニメ声優の声質とさほど変わりありません。アニメ的声を求めてないといいながらも脇のキャラにはしっかりアニメで活躍している声優を起用したりしてなんだか矛盾しています。主要キャラが津嘉山氏は除いて殆ど声優の仕事はしてないからか他のプロの声優さんとの声の演技の違和感もあって時には不快でした。沢村一樹のディビットの演技が特に下手でした。本当に監督はあの下手な演技でいいと思ったのでしょうか。児玉清はボソボソと棒読みゼリフで聞き取り辛く(そういう風な演技を要求されたかも知れませんが)主役の鈴木杏は思ったより良かったですが声の演技の不安定さが目立ってあと一歩でした。それとやはりあの男の子キャラにあの声は合いません。 そして一番、良かったのはスカーレットの小西真奈美でした。プロの声優と言われても素直に信じてしまうくらいの好演でした。これほどの労力と技術を費やした痛快冒険アクションにも関わらずあまり印象が残らない映画に感じて個人的にとっても残念です。脚本とかもっと上手く練られたと思うのですが・・9年もかかってそこは麻痺してしまったのでしょうか?大友監督。
【まりん】さん 4点(2004-07-18 14:28:43) (良:3票) |
5.そうですか、大友克洋は、漫画家を棄てて、いつの間にか技術だけで勝負するアニメーターになっていたんですね、、、、、。80年代の「童夢」「さよならニッポン」「気分はもう戦争」などを通して大友を知ったものとしては寂しい限りです。あのときの大友には語るべきものがたくさんあったのに、この大友には、もう語るべきものがない、というか、、、、大友から、語るべきものを除いたら、一体何が残るというのでしょう、、、、、。これだったら、Dr.スランプや、ドラえもんを見ていた方が楽しい。、、、、手塚はもちろん、赤塚だって、水木だって、楳図だって、ずっと、自分なりに語るべき世界を持っていましたが、大友は、いつのまにか、語るべき世界を見失ってしまったようです。、、、、、、、、、、、というか、冒頭の部分で「惣領息子」という表現に接して、大友って、封建的な家族関係に対する疑いすら持っていなかったのかと愕然としました。また、全編を通じて、個々の登場人物のモノローグの寄せ集めで、登場人物の間に、コミュニケーションが全く成立していない。これは故意に狙ったというより、大友の中に、物語を構築していく想像力が枯渇してしまったことを物語ってるように思います。、、、、いずれにせよ、悲しいけど、さらば大友克洋!!、、、、これからは技術屋として頑張ってください。 【王の七つの森】さん [DVD(字幕)] 4点(2005-11-02 09:45:59) (良:2票) |
4.もうぜったいに「AKIRA」と比較されますよね。そして俺も、比較しながら観ていました。いやぁーひどいです。おもしろくなかったです。
映像はめちゃくちゃにキレイなんですがね。それだけ。誰ひとりとして魅力を感じないキャラクター、なんかいまいちパシっとこない声優、「いまさらなんでこれなん?」っていう感じのテーマ、とまぁなんだか。
これを観るなら「AKIRA」を観たほうがいいですし、他にもいっぱい観るべきアニメはあると思います。そんなにアニメ観てない俺が言うんですから、それくらいの出来なんです。というわけで、ちょっとカラクチですが5点か4点か迷って、4点。 【708】さん [DVD(吹替)] 4点(2005-10-31 04:23:32) (笑:1票) |
3.どうしても宮崎作品と比較してしまうのですが、結論を言うと超えられなかったかと。 別にこれ見なくても「ラピュタ」でいいじゃんって感想です。 声優は、じじい役の中村嘉葎雄が酷すぎる。わざとやってるかと思うほど酷い。父親役の津嘉山正種が声優が本業のプロなのでよけい中村嘉葎雄のダメ振りが際立ってしまった。 【kenz】さん [DVD(字幕)] 4点(2005-09-01 06:56:26) (良:1票) |
2.途中から宮崎駿作品に見えて仕方がなかった。 『天空の城ラピュタ』の飛行石を巡る野心家達の争奪戦はスチームボールに置き換えられますし、空飛ぶスチーム城はラピュタそのものだし、最後のスチーム城崩壊シーンもラピュタのラストと同じ、主人公が空飛びまくりなのもそう。 ストーリイは誤ったテクノロジーの暴走というか怖さと最後は正義が勝つ!!っていう洒落にならないお粗末さ。何を今さら。そういうのはハリウッド映画に任せとけばいいのである。 メカニズムというか歯車・ピストン・各種制御装置・操縦といったものへの執着を作品にしたという印象。 親子の確執の描写は消化不良だし、スカーレットの存在も謎。だいたいオハラ財団のスカーレットってどういうこと?いつレット・バトラーが出てくるのかと本気で心配してしまいました。 何の意味があったのかいまだ不明。 確かに映像そのものは凄い。でもそれだけです。 ところでスチーム城は飛んで何をしようとしたんでしょうか? あ、それ言っちゃあオシマイか。 【kazu-chin】さん [DVD(字幕)] 4点(2005-06-09 11:21:14) (良:1票) |
1.観る人は誰もが過度の期待を抱いて鑑賞に臨むものと思われる大友克洋16年振り(!)の新作長編アニメが、蓋を開ければ「天空の城ラピュタ」と「ロケッティア」を足しただけの様な全く新味の無い仕上がりでは、以後、落胆のレヴューが並ぶであろうことは想像に難くありません。一番の失敗は、19世紀イギリスという舞台設定が足枷になったのか、折角の少年の冒険物語から勧善懲悪的な要素を排除してしまったことでしょう。一応は主人公の父が悪役になってますが、彼も科学の発展を望む科学者であって悪人ではない。綺麗事をほざく祖父にしたって善人ではない。一番悪役っぽいオハラ財団の会長なんか登場せず仕舞い。白鳥麗子の様なヒロインも良い子なんだか悪い子なんだか良く判らないまま終了。「製作期間9年」というのが謳い文句ですけど、その9年の間に作品の鮮度はとっくに落ちてしまっていたようです。残念、4点献上。 【sayzin】さん 4点(2004-07-03 22:43:55) (良:1票) |