4.オタール・イオセリアーニ監督、初めて観ました。ヨーロッパでは出す作品がことごとく賞賛の嵐みたいですね。ストーリーは非常にシンプル。平凡な毎日から逃避してヴェニスに向かう中年男の話。それをことごとくセリフを排してまるでドキュメントのように情景を映すのみ。ただし映される映像が完璧なまでに配置されてるんですよ。長回しが多いんですけど。例えば朝起きて仕事に行くシーン。主人公が車に乗って出かけると同時刻に隣でも出かけるようにシンクロナイズされてて、それが後の伏線にもなってるし淡々と描きながらもリズム感あるし。なんて言ったらいいんだろう?徹底した構造美学を描くことによって逆に情感が湧いてくる・・・って言うか、デジタルの隙間のアナログ感覚・・・って言うか・・・・・うーん・・・説明できないや!!もう観てちょーだい。 【トム&クルーズ】さん 9点(2004-05-23 04:20:55) (良:3票) |
《改行表示》 3.毎日…ほとんど数センチの違いだけの毎日。庭に停めた車の前で、ツッカケを脱ぎ…車に乗り込む。帰ってきては、庭に車を朝の様に停める。降り立つ足元には、朝脱いだツッカケ。翌日も、また… 好きな煙草は、禁止され、職場でも同じ繰り返し。この男にとっては、息苦しく堪え難い“平凡”それは、堪え難い“退屈”に変わって彼を“旅”と言う逃避行へ向かわせる。 愛する父親の後押しでヴェニスへ旅に出る男の、出会いや再会がイチイチ粋で、何よりこの作品で素晴らしかったのは、衒い無く、自然である事。まるで、彼と一緒にヴェニス旅行をしている様な気分になる。 派手さなんて、一切要らない。ドキュメンタリーの様で、実は詩の様に洗練された簡潔さが心地よかった。“出会いは「一期一会」だとしても、彼には戻るところがある。”なんだか、ささくれた心が潤いました。思いがけず、中年のオジさんに癒されてしまった…。 【MAZE】さん 10点(2004-12-25 03:42:13) (良:1票) |
2.毎日に疲れたおっちゃんのちょっとした旅行記みたいな映画です。屋根の上でヴェニスを一望しながらワインを嗜む…なんて渋すぎる。そしてスリに対して「無一文だよ」の一言。この一言はいいなぁ。こういうぶらり旅って最高じゃないですかね。 |
1.ズバリ、良い。「主人公のおやじがぷらりと旅に出る映画」とふれまわってるけど案外おやじの自分ちの様子やこどもたちの様子など、フランスのいい~感じの田舎がもりだくさん。ほかにも仕事場、電車、タバコ、、などなど。じっくりとゆっくりと楽しめました(^^)イタリア旅行編もペースを変えることなくゆっくりと楽しんでいるおやじが見れてこっちまで楽しくなってきた。わざとらしい照明とかBGMとかないけど、おやじたちが酒飲みながら薄暗い酒場で歌を歌うシーンにはジーンときちゃったよ。小さな笑いも所々にちりばめられていてよかった!やっぱり人間ユーモアを忘れちゃいけないよ。小さな笑いをくれたこの映画に乾杯! 【kaneko】さん 8点(2004-05-24 14:18:07) (良:1票) |