9.《ネタバレ》 女性ジャーナリストに起こった悲劇、その意味を問いかける作品。・・・なのかな、との予備知識ありでの鑑賞。 予想通り、かなり『強い』作品ではあります。 ですが、この映画では、その『強さの源』が見えてきません。 あるいは、冒頭で、注射器で遊ぶ幼い子供達のシーン。麻薬漬けになっている少年・少女のエピソード。この冒頭のシークエンスから、ヴェロニカのジャーナリストとしての正義感を感じるべきだったのでしょうか。 自分の身や、大切な家族を危険に晒してまで、なぜ麻薬の記事を書くことに固執するのでしょうか。 『子供達の未来を救いたい。』『麻薬の売人は許せない。』理由は何でも良いのです。何でも良いから、ヴェロニカの行動の原点にあるもの、それを映画で見せてほしかった。 でなければ、ただ意地になってムキになっているだけの人に見えてしまうことすらあります。 にしては、『ここで屈したらジャーナリズムの敗北よ。』という信念を掲げておきながら、記事を書くことより訴訟を起こすことを選んだりします。なんだかよくわかりません。 また、周囲の人間の感情の機微も、抑えすぎている感があります。鑑賞者の判断にゆだね過ぎているような気がします。旦那、母親、刑事、上司、誰も彼もが優柔不断に見えてしまいます。 『実話』だからこそ、ただ事実を流すだけではなく、そこに生きる人たちの『思い』を見せてほしいのです。 そこに作成者の価値観や解釈が入っても構いません。心の描写が中途半端なバッドエンドストーリーを見せられても、口の中に苦い味わいが残るだけです。 ラストのナレーションで、ヴェロニカの死に大きな意味があったことは、わかります。 ですがこの作品に関しては、あまりにもラストのナレーションに頼りすぎている気がします。 この作品を見てよくわかりました。私は『実話』が好きなのではないようです。『実話ベース』の『映画』が好きらしいです。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-06-21 13:22:41) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 道端に注射器が落ちているような退廃した北アイルランド、そこへ立ち上がる女性ジャーナリスト。使命感を大きく抱き、ガッツに溢れて妥協せず、容赦せず。なにしろ組織の黒幕オヤジが女相手に攻撃性向を100%むき出しにしてくるほどの、ある種の厚かましさもある。このタイプの人を身近なPTAなどのオバサンに当てはめるとイヤな気持ちになってしまいそうですが、ケイトで良かった。クールな美貌でテンション高く突き進むその姿、りりしく美しい。実に映画的。彼女が亡くなった翌週に法が改正されたなんて。何なのよ、できるのならもっと早くやれって。実話ならではの、やりきれない思いでいっぱい。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-11-10 00:47:35) (良:1票) |
7.せっかくいい役者を揃えて、テーマも意義深いものなのに、淡白で雑な仕上がりとなっている印象を受けた。編集がヘタだったのか、脚本に深みがなかったのか理由はわからないが残念だ。彼女の生き様を伝えたかったのか、アイルランドの近代史ドキュメンタリーとして見せたかったのか、意図が中途半端。だが!さすがはケイト・ブランシェット。彼女が主演でなければ、この点数すら上げられなかっただろう。特にアイリッシュ英語特有のアクセント、方言を見事に自分のものとして消化していたのには驚く。それも「関東の人が話すインチキ関西弁」のような付け焼刃的な薄っぺらいものではなく、あくまでナチュラルに。おそるべし、オージー、ケイト・ブランシェット! 【給食係】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-05-06 02:54:35) (良:1票) |
6.ドキュメンタリーのような映画だと感じました。"結果"はうまく映し出されていますが、"原因"がまるで描かれていません。何故そこまで取材にのめり込んでいったのか、もう一工夫欲しかったところです。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 6点(2007-02-17 22:37:04) (良:1票) |
5.実話なのにリアリティを感じることが出来なかったのは何故だろう。女性記者が殺害されたという事実が映像に長々と出てきたけど、彼女が命がけになる根本的な部分が今ひとつ明確ではなかった。ゆえに、ヴェロニカは市民運動を盛り上げるための生け贄にしか見えず、とても虚しい気持ちで観終わった後味の悪い映画だった。 【ソフィーの洗濯物】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2005-09-18 02:22:44) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 悲劇性が強調されがちなテーマだが、これほどまでに家族や自分を危険に陥れてもなお自分の好きな仕事に全情熱を捧げられたヴェロニカは色んな意味で幸せだったはずだ。脚を撃たれてもなお「やっぱり自分の読みは正しかった!!」とアドレナリンを放出しまくってハイになっている彼女はいいが、本当に辛いのはその彼女をただ見守り無事を祈るしかなかった周囲の人間達だったろうと思う。フリッカーの演技はリアルでした。 【lady wolf】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-09-18 00:40:38) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 淡々と話が進む作品。冒頭とラストの組み合わせかた、映像的にもう一捻りほしいな。ブラッカイマー制作の事実に基づく話はドキュメンタリー的に作りすぎてて、エンタテインメントになりきれていない気がする。でも好きな作品でした。ギリガン役の人の暴力シーンはおそろしく現実的で、メチャメチャ怖かった。私の住んでいる街では現実にあんな人いますから。 【shintax】さん 7点(2004-09-02 10:21:09) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 徹底的に悪と闘うママさんジャーナリスト。脚を撃たれたり、子供がさらわれそうになったり、現実の暴力には怯え、恐怖に負けそうになりながら、それでも信念を通す。だけど、どこにもいそうにないスーパーウーマンでなく、現実の人間の弱さが描かれているところが良かった。人間、誰だって自分がかわいいし、辛い思いはしたくない。自分の職業上の信念を通すために何かの力と闘わなければならない人はどんな職業にだっているに違いない。それに、実話ベースだけにおもしろく見ることが出来た。 【しまうま】さん 7点(2004-06-18 21:34:50) (良:1票) |
1.製作者は美化したくなかったのかもしれないが、ジャーナリストとして誰も書けなかった真実を描きたいという「情熱」も、幼い子どもを持つ母親として子ども達が安心して過ごせる未来を願うという「想い」も何も感じられなかった。 こういう視点をぼやかしてヴェロニカが死ぬのは冒頭で分かっているはずなのに、終盤で長々と描く必要性が分からん、その後の音楽も場違い甚だしいし。 ブラッカイマーのプロデューサーとしての手腕は認めるし、シューマッカー監督はやや好きな部類に入る監督だったが、この二人の手によって、この映画は創られるべきではなかったような気がする。 題材がいいだけに、もっと社会派の監督に創ってもらいたかった。 死後、一気に憲法改正までいくのだが、生前この問題に関わった周囲の人々をもっと描かなければまるで感動もない。 動かなかった人々を描き、彼らがヴェロニカの情熱や勇気で動いてこそ感動するというものだろう。 ただギリガンがボコスカ殴るシーンだけは良かった、あそこだけはリアリティがあった。 【六本木ソルジャー】さん 3点(2004-06-01 23:18:51) (良:1票) |