30.花とアリス、ふたりの会話が楽しい。説明としての会話が無いどころか、言葉無く表情やしぐさだけで会話をしているところもあり、その様はすごく自然で素直に「ふたりはいつもいっしょで仲がいいなぁ」と思わせてくれる。そしてお互い別の人間と会話するときには微妙に別の顔を見せる。とくにアリスの目上の人と話すときの舌ったらずなしゃべりと硬い表情、父親と話すときの気をつかわないぶっきらぼうな言葉と居心地の良さそうな表情がアリスという人間をうまく表現している。よくよく考えれば同じ人間でも相手によっていろいろな顔をみせるというのは当たり前のことなんですが、その当たり前のことを丁寧に描いているところが好感を持てるし、だからこそ自然に感じるんです。アリスの何かを食べるときのブサイクな顔も面白かった。そして花の泣き顔。コレはやっぱどアップで正解だと思います。素敵な泣き顔です。ラストのバレエも美しかったけどその後の広末の「あっ、パンチラ..」の一言!いや、バレエがホントに美しかったんであって、あの、その、そりゃたしかにソレも...という微妙な男心をチクリと一刺し。ヤラレタ(笑)。それからチータさんのレビューで「あぁ!」と思いました。なるほどモネの絵のようです。私、モネの絵、好きです。だからこの映画も内容云々以前に生理的に好きなのかもしれません。 【R&A】さん 8点(2004-12-13 12:34:03) (良:1票) |
29.岩井俊二の世界炸裂。まさに彼にしか作れない世界です。初めからびっくりさせられたのが、役者の演技。それはまるで映画というよりはホームビデオを見ているかのように、1つ1つの台詞が自然過ぎて驚きました。そして何といってもあの色彩の美しさ。これは日本映画でしか味わえませんね。桜がヒラヒラと舞う小道を花とアリスが笑顔で歩いていく。なんて美しいのでしょう。鳥肌が立ちました。それにきれいな光が射す数々の場面。美しすぎます。見ているうちにどんどん彼の世界に惹きこまれて頭がボーっとしました。不思議な麻酔にでもかかったような錯覚。なんてことのないストーリーなのだけれど、その背景にある演出が素晴らしいのです。音楽もまたその1つ。監督自ら作曲したあの懐かしさを憶えるメロディーが2人の少女の美しさと重なってまた麻酔が体に伝わっていく。心ここにあらずのまま私は2時間と少しを過ごしました。アリスと父親のシーンが感動的で自然と泣けてきました。そしてあのアリスのバレエシーン。これはもう自分の目で確認していただきたい。本当に美しいです。キャストもバラエティーに飛んでいて楽しかったです。なにげない日常を岩井監督独自のスケールで描いている映画です。少女時代を思い出したい時期が来たらもう1度見ます。 【未歩】さん 8点(2004-03-31 21:51:37) (良:1票) |
28.すっごく久しぶりの岩井作品です。そして、やはりあの「白い光」は健在でした。フィルムをみると監督は誰と言わなくてもわかります。岩井節全開です。どうってことない話なんですよ。地方の女子高生ふたりがバタバタして男の子を取り合ってバレエをしてオーディション受けて嘘をついたり落語をして父親の思い出を振り返ったりするだけです。だけどね、なぜか自分の中でありもしない記憶を捏造されてなんともいえない気分になる。しかもその記憶では僕が女の子になっている(ぉ。コアな映画ファンを気取っていた学生時代に、もしこの映画を観ていれば「つまんねえ」なんて悪態ついたかも。だけど・・・ごめんなさい、やっぱこういう映画好きです(笑)。岩井ファンじゃなくても“切なさ愛好者”には必見の映画ですね。主演の女の子ふたりがすごく伸び伸びと演技をしていました。キットカットの女の子と『リリィシュシュ』に出てた子。男の子もモッサリしてカッコ良かった(とくに『リリィ』の女の子は角度によって、かわいくもかわいくもなく見えて良かった)。前作のようにコッテリしてへヴィなものも良いけど、清涼飲料な感じの今作も好き。かつて女子高生だった人にオススメの作品です。 【ひろすけ】さん 8点(2004-03-23 14:21:23) (良:1票) |
27.蒼井優に恋するための作品。 細かい演出が冴えている。 【プラネット】さん [DVD(邦画)] 8点(2017-07-14 21:18:48) |
26.2時間を超える長い映画ながら、中だるみしそうなテーマを飽きさせずにみせるあたり、岩井俊二監督の力量と言っていいだろう。飛び抜けて美人というわけでもなく雰囲気美人の蒼井優が若いながら演技力が抜群で、才能を感じさせる。ハリウッドスターにも共通のことがいるのだが、いろいろな俳優と浮名があったほうが演技力はたけてるということか。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 8点(2016-02-10 13:55:55) |
25.光を美しく見せる、岩井俊二らしい映像でした。記憶喪失云々絡みのストーリーはそれほど好みではありませんが、ドラマでは決して表現できない、まさに映画らしい映画だと思います。蒼井優って、こんなに華のある女優だとは知りませんでした。鈴木杏も昔から好きでしたが、女優として、持っているものの違いを見せつけられたような感じです。クライマックス、ただバレエがうまいというだけでは、あれほどの素敵なシーンは生まれませんよね。駅名などの小ネタやチョイ役は不要だったのでは? 【ramo】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-09-17 18:17:57) |
【アフロ】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-06-20 03:26:52) |
23.なにやら「こっぱずかしい」感覚や「痛い」感覚があり、それが現実逃避の自己陶酔としても心地よいです。自分は全然ロリコンではないと思ってるんですけど・・・・この蒼井優はカワイイ。本作は、荒唐無稽なストーリーでいい年した大人がはまるのは恥ずかしいような世界を魅力的に構築し、不条理な現実の中から純粋で誠実で輝かしいものをつかみ出そうとする「こっぱずかしい」試みです。この監督じゃなければこんな試みはできないし、サマにならないでしょう。たぶんこの映画(監督)嫌いな人は軟弱で甘えた精神性みたいなのが感じられてイヤなんでしょう。でも、偽善だとしても優しいですよ。人を見る目が温かいですよ。すごく。俗世の我々にこんな優しい世界を見せるのは逆にかなり残酷とも思います。 【しったか偽善者】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-04-07 01:33:06) |
22.これによって私の中で蒼井優最強説が確立されました。彼女の独壇場です。 【秀吉】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-10-10 00:09:02) |
21.とにかく美しい映像と音、美少女の為の映画。いつも思うんだが、岩井俊二ってド変態でしょ(褒めてます)。ヘナチョコな脚本も、冗長さも、この美しい世界に入ると必然のように感じられます。 鈴木杏の存在感、そして何より蒼井優の美少女っぷりを存分に堪能できました。ダンスシーンの長回しからは監督の荒い鼻息が聞こえてくるよう。 未成熟な美少女好きのための、ある種のファンタジー映画ですな。カメオ出演者が多すぎなのが余計。この映画に高得点をつける人はたぶん変態です(嘘)。 【すべから】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-07-15 17:18:16) |
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【Balrog】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-07-06 23:41:28) |
19.以前、「リリイ・シュシュのすべて」を劇場で観ました。二度と岩井俊二監督の映画は観るまいと思いました。私にはなぜこんな話が作られねばならないのかが理解できなかったからです。それほどつらいし、悲劇的過ぎて、リアリティに欠けると感じたからでした。「そこまでやるか?」と言うのが正直な感想でした。完全に閉じられた世界、完結した世界がそこにはありました。しかし、今回、同様に完全に閉じられた世界の物語であるこの映画を観て、少し印象が変わったような気がします。少し、観方が分かってきたと言うことかもしれません。外界の騒音には耳を閉ざし、この映画の中に入り込んでみると、そこには魅力的かつリアルな世界が広がっていました。ただただひたすら美しいですね。カメラワークがとても素敵です。主役の二人の魅力を余すことなく100%伝えてくれていると思います。 しかし、同時にそのように映画を観ることは、私には非常に困難であることもわかりました。たとえば、最後のバレエシーン。確かに美しいですが、私にとっての「映画」からしてみると全く不必要な場面です。ですが、この映画を「内側」から観れば、紛れも無くこの映画の画龍点睛となる場面、パズルの最後の1ピースとなるべき場面です。そういう観方を心がけ、次は「リリイ・シュシュのすべて」に再挑戦です。 【枕流】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-01-20 19:51:55) |
18.やたらキャストが豪華で、相田翔子とか、伊藤歩とか、ふせえりとか、木村多江とか、広末涼子とか、鈴木杏とか、なんかいっぱい出てきたけど、やっぱり蒼井優の存在感が凄い。 何しろミニスカートの制服の女子高生が紙コップとガムテープでバレエですからね。 そんななんだかよくわからない映像をあそこまで美しく表現できるのは、彼女くらいでしょう。 ストーリーもなんだかよくわからないけど、記憶を失くしちゃうことってよくあるんですよね。 コメディだけに終わらず後半はちょっといい話にもなってて、良かったですよ。 なんだかよくわからないけど、泣いちゃいました。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-07-26 17:18:46) |
17.ショートフィルム版は花の恋というドラマをしっかりと軸に据え、かなり完成度の高い仕上がりになっていると思います。 しかし、映画版はアリスのエピソード(家族やオーディション)を入れたために散漫になってしまった感がある。 どれも印象的なものでしたが、メインストーリーにとって有機的な意味合いを与えてはいない。付加された記憶喪失を用いたシチュエーションも秀逸なだけにもったいない。 サービスのつもりだったのかもしれないけれど、作品に仕上げることを優先してもらいたい。 【カラバ侯爵】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-03-18 23:39:14) |
16.少女漫画が原作のようですが、これは素直に楽しめました。蒼井優がバレエを踊るところがとても素敵でした。 【doctor T】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-12-24 23:46:36) |
15.観始めた時に、「うわ、失敗したかも・・・」と思ったけど、終わってみると、ほんのり感動すら覚えたなぁw メルヘンチックな有り得ない話です。ポイントは、主役の2人でしょう。2人の見せ場もあり、いい作品だと思う。ただ、メリハリにやや欠けるが。それで、話は微妙なんだが、主役の2人が引っ張ってくれてます。音楽も、象徴的で、優しい感じがいいです。万人にオススメ出来る作品ではないが、ハマればハマれる作品です。で、どうでもいいことだが、個人的に、アリスは可愛いと思う。でも、それ以上に、花のことが気になるんだよなぁ。お母さんも含めてさw つか、花のお母さんが忘れられませんw 【瑞鶴】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-01-06 21:50:31) |
14.あまり期待しないで見たらとてもよかった。高校生くらいの女の子の恋と友情と青春を描いて秀逸だった。無茶な設定もあるが、いいこと悪いこといろいろありつつ人生は流れるということを、重くなく爽やかにテンポよく描いていて岩井監督の手腕を感じました。思わず花とアリスのこれからの人生を応援したくなる。最近観た邦画で一番よかったです。 【kainy】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-12-30 15:27:14) |
13.これは、良く出来ています~ 面白かった~ 映画としては 直球!ではなく 変化球!でしたね~ (昨今の邦画で“直球勝負”出来る監督はほとんど居ませんから..) 基本的にストーリーが面白いし、演出がすごく イイ です! 二人の演技も笑える.. 本作は、ハマる人は、思いっきりハマるのでは.. 女同士の友情をこんな形で描いている作品は初めてです..かなり新鮮でした.. 本作がここまで良作に仕上がったのは、はっきり言って、監督の“腕”ですね! 岩井俊二監督、見直しました... 【コナンが一番】さん [DVD(邦画)] 8点(2005-11-18 10:11:42) |
12.少女漫画というのは、「こんなのがいい」と夢見がちな少女達が夢想する人物、その境遇、物語のシチュエーション、果ては街並みに至るまで、その夢想をくり抜いて、紙の上で具現化している。そんな無味無臭の二次元の上での理想を、現実の生々しさを感じさせず、三次元で再現する腕前において、岩井俊二の右に出る者はいない。この映画はもう本当に、どっからどう見ても少女漫画である。そこでは『相手の必要に関わらず、自分の愛を全力で投げつける』という迷惑な少女は、それこそ山のように登場するし、『ちょっと軽くて頭の足りない親友』もありがちだし、『無口で変わり者の男の子』なんて、それこそスタンダードと呼んでもいい程の物だろう。これは少女漫画、理想を語ったお伽話であるから、多少の矛盾は許される。この映画は内容をどうこう言うより、『少女漫画の世界が、実写でここまで再現されている』という点に視点を絞るべき映画に思える。二次元を見事に三次元の美しさに具現しきった岩井俊二に、敬意の九点。 【C-14219】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-08-04 21:45:54) |
11.ゆったりとした時間の流れと音楽が心地良いです。好きな人を振り向かせるためのウソや友達の彼への恋心などに女の子の繊細な心理描写がよく表されてますね。これは蒼井優のための映画だと思いました。今後、彼女がどのように開花していくか楽しみです。 【およこ】さん [DVD(吹替)] 8点(2005-07-07 01:00:29) |