6.この監督は、女性という性が嫌いなんじゃないかな~。
自覚していないかもしれないけど、女性嫌悪というミソジニーに縛られているのがなんとな~く伝わってくることよ。
たとえ母親であろうと一個の人間である限り決して無私になれないのは当然なのにもかかわらず、無私になれない女性が子を見殺しにするのである=悪魔と同義である、と言いたいのではないの。もしそうならヒドイわ。
命を生み出す女、子にすべてを捧げきれない母、罪悪感から狂っていく女、自分を殺させるために男を追い詰める女、、、。男が対峙しなければならない女という性は、この監督に描かせるととても厄介で巨大な怪物のよう。
男ができる事は、せいぜい女の望みどおりに殺すことだけ。心理学もセラピーも理性も愛情すら、なーんの役にもたちはしないのだ。
命を終わらせることはできても命を産み出す事は出来ない男という性の限界までも、ちゃーんと描いているのはエライと思う。
でも何度も観たいと思う映画ではない。テーマが普遍的ではなく、監督個人の考えが前面に出過ぎているのがよくない。偏り過ぎなのだ。
映像が美しく衝撃シーンが結構あるので話題になるだろうし、深読みしようと思えばいくらでも深く勘違いできそうな話ではありますが…一回でいいや。
ただ役者さんたちの演技はすごかったです。特に妻役の女優さん。狂気に堕ちていく難しい役を大変上手に演じておりました。しかし、こーゆう役に金髪の女優さんを使わないのはなんでかな~?黒髪でないと凄みというか雰囲気が弱くなるからか、黒髪でないと悪魔と重ならないとかいう偏見からか。ちょっと気になったところです。