2.●一見バトロワもの。選手が10名(実質9名)と少ないため、濃いドラマが展開されると思いきや、さにあらず。主人公以外はほとんど背景が描かれず、主催者側の模様が頻繁に挿入されるため散漫な印象。誰が優勝するのかという興味が全然湧かない。●主催者側のゴタゴタは必要と思わない。テレビでは流せない残酷ショーとなるのは、世界中から死刑囚を集める時点で分かるはず。その時になってから、付いていけない、もうやめようなどと抗議するのは不自然だ。●スティーブ・オースティン演じる主人公は、国家のために働いたというエクスキューズがあるものの殺人上等で、敢えてそうしなくてもと感じる殺人を本編で何度もやっており、肩入れしにくい。見せたいはずの肉弾アクションはカットを細かく割り過ぎてどんな格闘なのか分かりにくい。画面が暗いのもマイナス。●倫理無視のメディア批判、残酷を欲する視聴者批判が語られるが、作中ではほぼ効果なし。4000万人の視聴者はヴィニー・ジョーンズの優勝を見届けて満足している。