1.パチーノ好きとしては、パチーノさえ堪能できればそれだけでもある意味満足なのですが・・・。パチーノ演じる事件の鍵を握るスタンフォード警察委員長(名前は凄いんですけど)が活きておらず、パチーノをはじめ脇を固める豪華な顔触れもそれぞれに人物描写が薄い。(ただ、主演の新人警官の男の苦悩ぶり、レイ・リオッタの見せる存在感、ジュリエット・ビノシュの荒んだ雰囲気など、個々の演技はいいのですが)
舞台は2002年のNY。NYの治安回復を掲げたジュリアーニ市政と実働部隊のNY警察の人間模様、9.11後のNY、人種や貧困と犯罪の問題・・・色んなことに触れてますが、作品の舞台の状況を説明した程度にしか感じられませんでした。
メインとなる過去の事件について誰が何を知っていて、誰が何の目的で今それを告発しようとしているのか?というサスペンス・ミステリに期待しましたが・・・。結末は一応どんでん返しという事なんだと思いますが、事件に対する思いが伝わってこない人物が多く腑に落ちない思いしか残りませんでした。