2.主演は春川ますみ。
かなりのグラマラスなボディ、というかやや肥満気味。
劇中でも、「おまえ程太った奴はそうはいないだろ」みたいな形で、公然とデブ呼ばわりされている。
裸のシーンが何度も出てくるが、まったく興奮せず。
だけどそれがかえって良いのだ。
春川ますみ演じる主人公の女性は、“たくましき女性”もしくは“母性の象徴”として描かれている。
そういった意味では適役といえよう。
150分という長い尺ながら、それ程の長さを感じさせないところは、さすがキネ旬日本映画部門の7位といったところ。
しかし、最初から最後まで重苦しいモノクロ画像。
シャープなモノクロ画像とは対極に位置する重苦しい感じのモノクロ画像なのだ。
これはこれで本作の独特の世界観をうまく創り出しているといえなくもないのだが、さすがに陰鬱な気分になってくる。
しかも激中、何度となく“方言混じりのおばあちゃんのささやき声”が流れ、これがまた不気味。
というか、耳障り。
そして濡れ場シーンの多さもかえってマイナス。
全然色気を感じない、見ていてもさして興奮しない濡れ場シーンの連続に飽食気味になってしまった。
この辺りが、今村昌平を好きになりきれない理由の一つだ。
最後はうまくまとめてくれるので、鑑賞後はそれなりの満足感を得られるが、不快感も多少残るので、いま一歩といったところ。