1.ニューギニア戦線について描かれたドキュメンタリータッチの作品。
ニューギニア戦線で人食いがあったことは知っている事実だし、ワンパターンの日本戦争映画の域も出てはいないのだが、徹底的にニューギニア戦線について掘り下げた内容構成はなかなか見応えがあった。
左幸子は相変わらず演技が巧い。
やっぱり、日本女優史上最も演技が巧い女優だと思う。
それにしてもニューギニア戦線での人食いって、物凄くセンセーショナルに語られることが多いけど、死ぬか生きるかの戦場でそれくらいのことは普通に起きうる気がしてならない。
だって、何も食い物がなくて、餓死寸前だったら、生きるために何でもするでしょうに。
まして、戦場なんて、人間の感覚を失わせる人と人との殺し合いの場なわけだから、人が人を食したところで、さして衝撃は覚えないのだが。
そして、中村翫右衛門!
あの爺さんが中村翫右衛門だったとは、後から気付いた!
むぅ、見直してみると確かに中村翫右衛門なのだが、若かりし頃の面影とかっこよさがほとんどない。
この事実の方が、ニューギニア戦線の人食いより、よっぽど私には衝撃的だった。