18.いつもの小津調の映画。飽きることなく、最後まで見れる。松竹映画との違いは、鴈治郎の飄々さと新珠三千代の美しさ。そして、森繁の凄い違和感。 【にけ】さん [映画館(邦画)] 7点(2018-12-28 21:11:13) |
17.小津の異色作。 話し自体はいつものあれで家族物です。 また演出も正面からのカット、斜めから2人で座って会話するカット、立ち上がるタイミングも一緒、 繋ぎの風景のカットなど、まるで小津調のパロディのような映画です。 そういう意味では小津らしい映画ですが、変なのはラスト10分。 全員が立ち上がって火葬場の煙突から出てくる煙を見るシーンから、 急に音楽が不気味になり、登場人物たちの顔を明らかにシリアス、深刻な顔になり急激に映画のトーンが変わる。 面食らうほどの唐突な変貌ぶりである。 葬式なので皆黒い喪服を着ているが、そこに黒いカラスを差し込んでわざわざ見せている。 いつもは主役の笠智衆は超端役で川で洗い物をしている。 何かいつもの小津映画と違う。わざと違う風をアピールしているようにも思う。 小津映画の中ではあまり評価の高い映画ではないかもしれないが、異色作と定評の東京暮色とは別の意味で異色作だと思う。 蛇足ですがヒロイン役の司葉子は、痩せすぎで演技も陰影が無く、年を取って娘役が出来なくなった原節子の代わりとなるには魅力がなくて残念。 【仏向】さん [地上波(邦画)] 7点(2015-10-17 00:56:49) |
16.小津監督の映画はこれが初見。調子のいいオヤジが死ぬまでは平凡な話で、正直、かなり退屈でしたが、死んでからラストまでがインパクトありましたね。それまでの話は「長い前ふり」という印象でした。笠智衆、出番は少ないけど、最後の「死んでもどんどん生まれてくる」というセリフが効いてましたね。個人的には、妾の現代風な娘と、冒頭のバーの女給さんが好きでした。原節子という女優を見るの、これが初めてで、子供の頃は美人の代名詞というような情報がインプットされていましたが、あんな不気味な顔だったとは・・・(^^; 【ramo】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-09-27 00:07:45) |
15.待ち合わせをすっぽかせるっていうのは、携帯の無かった時代ならではで、ある意味便利だなあと思いました。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-02-24 12:11:28) |
14.相変わらずの小津映画だけれど、すこし『浮草』の味わいに似た異色作。描き方は相変わらずの小津テイストだが、主人公(好色な酒屋の旦那)の存在が少し人情じみた風味を加えている。小津作品の本質のひとつである「あまり意味のないあいづちの応酬」がよく表現されている。でも、僕はデートで競輪場には行かない。 【wunderlich】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2008-04-30 18:49:15) |
13.人物、静物の配置の納まり具合には相変わらず惚れ惚れとする。二人が同時にしゃがむ、時間差でしゃがむ。複数が同時に動いた時の静止位置、ビール瓶、グラスの位置。精緻な計算による美学。路地や玄関、廊下、縁側に差し込む残暑の強烈な光線が生み出す光と影のコントラスト。縁側、川べりの原と司のツーショットの誘惑。この二人のしゃがむ位置が法事と葬儀とでは左右反対になっているところを見ると逆転の普遍性を語っているようにも思えてくる。孫とかくれんぼをしていた中村鴈治郎が鬼から逃げる方、「もーいいかい」から「もーいいよ」に反転しているように、死者を見送る生者もいつかは見送られる死者に反転する。火葬場の煙突がフレームの真ん中に位置する左右反転可能なシンメトリーな構図はそういうことではなかろうか。ラストのカラスも左右に二匹である。 【彦馬】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2006-12-12 22:39:59) |
12.やっぱり笠智衆さんがメインで出てる方がいい。 |
11.大旦那が孫とキャッチボールするシーンでは、観客から「成駒屋!」と掛け声があったとかなかったとか。 【michell】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-06-14 01:08:15) |
10.「彼岸花」での山本富士子と浪花千栄子のコンビを観ても明らかだけど、小津の様式化された画調に関西弁が加わると、なんか画面全体に弾みが出て演技も生き生きして見えてくるので不思議。それだけに何故か原節子だけが標準語なのが気になります。当時の東宝スター総出演といった趣で、芸達者な出演者たちを生かす為エピソードが分散化して何となく総花的になっちゃってるけど、これはこれで愉しめました。これ観るとあんな立派な日本家屋の廊下を素足で歩いてみたくなりますよね。煮ても焼いても食えない鴈治郎翁の存在感は抜群です。でもラスト近く、野辺送りのシーンで流れる観客の不安感を増長させる重厚な音楽は何だったんだろう・・・? 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-04-02 11:25:47) |
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9.後期の小津の映画の中でも、あまり好きではない方です。中村鴈治郎と小津というのが個人的にはダメでした。笠智衆と原節子の間のある感じ、悪く言うとテンポがよくないのですが、そういう小津を好きだったので、物足りなかったです。 【omut】さん 5点(2005-02-22 09:10:31) |
8.実に美しく整えられた構図で、いくらでも眺めていられそう。京都の町家、風に揺らぐ簾、大小並べられた丸桶、開け放たれた襖越しの景色など等堪りません。造り酒屋の大旦那、女好きで競輪好きのデタラメ親父であっても一家をそれなりにまとめて束ねていたのはこの親父であり、彼の死と共に一家はそれぞれの方向へと進んでいく。その前途をなんとも重厚で重苦しい音楽が現している。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2004-10-17 16:43:05) |
7.中村雁治郎氏が出演されていると、小津映画でも軽快さが加わってなかなかとっつきやすい。雁治郎氏は歩くだけで、どこかユーモラスで味わい深い。笠さんはどこに出演しているのだろうと思っていたらラストの方にしっかり出演されていた。ほんのちょっとの農夫の役だったが、素晴らしかった。 【柴田洋子】さん 9点(2004-02-07 09:21:30) |
6.役者陣の絶妙な演技、各場面の鮮やかな色彩、人間臭さの感じられるストーリー…。登場人物が多く、複雑な人間関係を理解するのに少し手間取りましたが、実に見事に作られていると感じました。小津映画はともするとその平淡さが退屈に感じる作品も多々ありますが、この作品はビギナー向けというか、分かりやすく楽しめると思います。 【プミポン】さん 6点(2004-01-16 00:57:06) |
5.尾行を見つけられた藤木悠が、中村雁治郎に問い詰められるシーンで、後ろでかすかにかかっているラジオの高校野球中継では、ちょうどランナーが三本間に挟まれていた(笑)。風鈴の音が、ホントに綺麗。死とは、永遠のかくれんぼ、か・・・。 |
4.小津作品は(当然だが)若い頃はあんまり好きじゃなかった。淡々としてうねるようなドラマティックな展開もカタルシスも皆無。コレで一体何を楽しめと?てな感じw。中年になって改めて観ると実に味わい深い逸品であることに気付かされる。本作の場合、松竹蒲田の撮影所を出て珍しく東宝で製作されたことで数ある小津作品の中でも極めて特異な位置を占める。特に森繁がイイ。50~60年代の彼は全くもって上手過ぎる。特に加東大介との飲み屋での遣り取りはケッサク!あ、鴈治郎(二代目)の上手さは勿論云うまでも無いけどね。浪花千栄子の愛人も杉村春子の娘も各々溜め息が出る上手さ。こんな名脇役にも二度と出会えまい。ところで本作を通して小津が描きたかったモノ、実のところは彼のみぞ知る…なんだろうけど、個人的には戦後米軍占領下で根こそぎ否定された戦前の家父長(戸主)制へのオマージュではないかと思う。戦後民主主義によって次々と失われつつある戦前の日本の風習、コレを完全に消滅する前にフィルムに込めて残したい。そういう屈折したエコロジカルな視点が散見される。その意味で小津は(右翼などとは違った)真性の保守派であると言えよう。※因みに本作の読みは「こはやがわけのあき」であって「こばやかわ」ではないので、お間違えなきように…。 【へちょちょ】さん 9点(2004-01-07 14:42:08) (良:2票) |
3.中村雁治郎氏の息子さんがお父さんそっくりなんです。この間息子さんの写真を見て、中村雁治郎さん、いまだご健在かと一瞬思ってしまいました。 【ロイ・ニアリー】さん 9点(2003-12-12 12:19:23) |
2.とにかく絵の綺麗さに唸った。家の中や路地や自然のなんと美しいことか。鴈治郎の旦那振りもいいね。あの雰囲気はやろうと思ってできるもんじゃないス。 【黒猫クロマティ】さん 7点(2003-12-10 15:44:55) |
1.人生の無常こそ小津のテーマでしょうがこれにも現われています。人間の生死をさらっと描いているところなんか小津の人生観が集約されているんじゃないでしょうか。 【たましろ】さん 8点(2003-11-27 22:33:16) |