1.「スピード上げたぞ!」「あれ、いない!」「なんだあの煙は!」などなど。クルマ運転しながら野際陽子が大きな声で呟きを連発し、まさに典型的な実況説明ゼリフ。その後も解説調のセリフを次々に繰り出して、参っちゃうのですが、1時間半に収めようと思ったら、このくらい説明しまくらないとダメだった、ってことなんでしょうか。
この「乱れからくり」、正直、原作はもう一つ好きになれず、随分前に読んだっきり、本棚から手に取る機会も殆ど無かったんですけどね。というのも、読んでて「こういう展開、こういう真相には、なってくれるなよ」という悪い予感がした、その通りの展開になっちゃったもんで(いや、涸れ井戸って言われても・・・ねえ)。読む前の期待が高かった分、失望も大きくて、実際はそこまで悪い作品でもないんだろう、とは思いつつ。
で、この映画化作品。あはは、これは悪い予感がハズレました。もちろん良い予感が当たったわけでもありません。ちょっとビミョーなところのあるアレンジではありますが、なるほど、映画化するなら、そうなるのね。
とにかく、世の中これだけ大量に推理小説が出版されているのだから、こんな映画化しにくいヤツを選ばなくても良かったのにねえ、とは思います。松田優作、野際陽子、田中邦衛の凸凹トリオも(せっかくキャラ立ちさせた割には)互いにあまりうまく絡んでないように思えて。
なにが作品の売りなのかがよくわからん、平凡な印象の映画でした。