1.横須賀のバーのマダムへのインタビューで綴った映画なんだけど、印象に残る二つの証言。60年安保のデモで樺美智子さんも1000円で雇われたんだと信じ込んでいるところ。もう一つはベトナムのソンミ虐殺事件について、アメリカ人は紳士的だからそんなことするわけがない、報道写真は病死した子どもを集めてきて写したんだろう、と思っているところ。想像力が欠如しているのではなく、自分の信念に合わせて想像力をフル回転させている。ここらへん今村さんがカメラのこっち側で、いいぞいいぞと面白がってるのはよく分かるんですが、う~ん、これからの打算的な人生設計の証言といい、今村のフィクション映画に向いたアクの強すぎる人で、もっと別の素材として生かしたほうがよかったのではないか、という気も少々。